生命科学の現状と課題~生物研究と再生医療
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
次の動画も登録不要で無料視聴できます!
カエルとヒトは同じ共通原理を持っている
第2話へ進む
地球上におけるヒトの歴史と生命科学の発展
生命科学の現状と課題~生物研究と再生医療(1)地球上でのヒトの立ち位置
浅島誠(東京大学名誉教授/帝京大学 先端総合研究機構 機構長)
生命の歴史からみれば、ヒトは歴史が非常に短く、地球上では新種であると理解しておくことが必要だと、浅島誠氏は語る。ではヒトの歴史はどのように進んできたのか。地球上でのヒトの立ち位置について、最近の生命科学の進展と直面している課題とともに解説する。(全6話中第1話)
時間:14分36秒
収録日:2018年7月30日
追加日:2018年12月30日
≪全文≫

●ヒトは歴史が浅く、地球上では新種の生命である


 今回は、「最近の生命科学の現状と課題」をテーマに、大きく分けて3つの話をします。

 1つ目に、私たちヒトが地球上でどのような立ち位置にいるか、それを考えてみます。それから2つ目に、私の研究を通して、再生科学がどのようなものであるかを述べます。そして3つ目に、それまでの話を通して、今後の生命科学と次世代へのメッセージをお話しできたらと思います。

 まず最初に、私たちヒトの地球上における立ち位置について、話をしてみたいと思います。

 生命誕生を36億年前あるいは38億年前とすると、生命はそれだけ長い歴史を持っています。その生命の歴史は、単細胞生物から始まって、バクテリアやいろいろな植物、あるいは下等動物、そしてわれわれ人類と進み、その後にヒトが出てきます。

 38億年の生命の歴史を仮に24時間として計算すると、人類が出現したのは30秒前であり、私たちヒトが存在するのは1秒以下なのです。ヒトは20万年前に生まれたといわれますが、生命の歴史を24時間とすると1秒に満たず、私たちヒトは地球上では新種であると理解しておくことが必要です。

 このことはどのような意味を持つのでしょうか。地球上にいる多くの生物はそれぞれに、自分たちが歩いてきたヒストリー、つまりナチュラルヒストリーを持っています。その観点から見ると、私たちヒトは、まだほとんどヒストリーを持っていないということになります。

 私は長いこと、イモリを採取したり実験に使ったりしていますが、彼らは3億年前に出現しており、3億年の歴史を持っているということです。そう考えると、彼らに学ぶこともたくさんあると思います。地球上には本当にいろいろな生物がいます。単細胞から多細胞になり、植物がでてきます。そして、それを食べている動物がおり、動物の中にも、哺乳動物などいろいろなものがいます。こういうように、多種多様な生物がいるわけです。


●ヒトのヒストリーの展開においては産業革命が大きな契機となってきた


 では、ヒトのヒストリーはどのように進んできたのでしょうか。われわれヒトが生まれたのは、20万年前のアフリカの東端だといわれています。20万年前に、人類...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
ブラックホールとは何か(1)私たちが住む銀河系
太陽系は銀河系の中で塵のように小さな存在でしかない
岡朋治
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造
「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ
岡朋治
五島列島沖合の海没処分潜水艦群調査(1)目的と潜水艦史
海底に突き刺さる旧日本海軍の潜水艦「伊58」を特定!
浦環
断熱から考える一年中快適で健康な住環境(1)日本の住宅の実態と問題点
なぜ日本は夏暑く、冬寒いのか…断熱から考える住宅の問題
前真之
進化生物学から見た「宗教の起源」(1)宗教の起源とトランス状態
私たちにはなぜ宗教が必要だったのか…脳の働きから考える
長谷川眞理子
本当によくわかる「量子コンピュータ入門」(1)量子コンピュータとは何か
「量子コンピュータ」はどういうもので、何に使えるのか
武田俊太郎

人気の講義ランキングTOP10
これからの社会・経済の構造変化(2)経済的利益と社会課題解決の両立へ
利益か社会課題解決か…かつての日本企業の美点を取り戻せ
柳川範之
和歌のレトリック~技法と鑑賞(1)枕詞:その1
ぬばたまの、あしひきの……不思議な「枕詞」の意味は?
渡部泰明
「進化」への誤解…本当は何か?(9)AI時代の人間と科学の関係
科学は嫌われる!? なぜ「物語」のほうが重要視されるのか
長谷川眞理子
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(8)秀長の死の影響と秀吉政権の瓦解
「家康対奉行」の構図は真っ赤な嘘!? 秀吉政権瓦解の真相
黒田基樹
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIは間違いが分からない…思考で大事なのは訂正可能性
中島隆博
独裁の世界史~未来への提言編(1)国家の三つの要素
未来を洞察するために「独裁・共和政・民主政」の循環を学べ
本村凌二
歌舞伎はスゴイ(4)歌舞伎のサバイバル術(後編)
江戸時代の歌舞伎にも大波乱が…どうやって生き残ったか
堀口茉純
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(1)米国の過激化とそのプロセス
トランプ政権と過激化した米国…MAGA内戦、DSAの台頭
東秀敏
健診結果から考える健康管理・新5カ条(1)血管をより長く守ることが重要な時代
健康診断の結果が悪い人が絶対にやってはいけないこと
野口緑
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎