習近平の野望~中国の権力闘争
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21世紀の毛沢東と周恩来を目指しているのか?
習近平の野望~中国の権力闘争
岡崎久彦(外交評論家)
薄熙来、徐才厚、周永康と相次ぐ超大物の摘発、失脚。この「粛正」を断行しているのが習近平国家主席だ。「腐敗追放」のスローガンの背後で習近平が真に狙うものは何なのか。岡崎久彦氏が彼を「毛沢東かスターリンか」と評する理由とは。隣国・中国の「いま」を探る。
時間:18分40秒
収録日:2014年8月1日
追加日:2014年9月4日
カテゴリー:
≪全文≫

●目的は独裁体制確立?やまぬ粛正の嵐


── 習近平という人はただものではありませんね。

岡崎 私もそう思うのです。顔つきから言っても、どこか毛沢東のようです。目が鋭くて、何を考えているか分からないでしょう。

── お父さんは習仲勲で、毛沢東の怖さとすごさを、自分もよく……。

岡崎 知っているのですよね。

── 文化大革命(文革)の時に、自分も父親もたたかれましたので、両方を見て、その知恵がおそらく…。

岡崎 習近平が7月に周永康を粛清しましたよね。これは粛清するだろうと前から言われていましたが、しかしこれはいったい何が起こっているのだろうかと思っていました。

 もちろん権力闘争ではあります。ですが、権力闘争というものは、普通、大臣や党の要人のポストの話です。ポストの話だとすると、一昨年の党大会で常務委員を全部入れ替え、それから全人代で大臣を入れ替え、普通ならそれで権力闘争は終わっているはずなのです。

 ですから、その頃の評論では、今は中国が強硬な態度をとっているけれども、それはやはり権力闘争の最中は「軟弱だ」と言われると足を引っ張られるから、強硬派のふりをしなければならないからだろう、ゆえに権力闘争が終わったら、あるいは少しは穏健化するかもしれないという判断もあったぐらいです。共産党大会と全人代と両方を通じて権力闘争がないわけはないのだから、それでだいたい片が付いたろうと。

 それで、片が付いたのが去年の4月です。ところが、その後もすごい勢いで粛清が続けられているのです。それはいったいどういう意味だろうかと思うと、もちろん権力闘争だけれども、ただの権力闘争ではないのではないか。

 では、どういう権力闘争かというと、習近平の独裁体制をつくるための権力闘争なのではないか。そうとしか、私は考えられないのです。

 独裁体制をつくるための権力闘争とは、一番ひどい例を言えば、1938年から39年にかけてのスターリンの粛清です。これはものすごかったです。

── トロツキーとか。

岡崎 レーニン以来の革命精神に燃えた連中、つまりロシア革命の原動力になった面々をほとんど全部殺してしまいました。この粛正で30万人以上は優に殺したのではないでしょうか。

── すごい数ですね。

岡崎 粛清といって、本当に裁判にかけて殺しました。それで、習近平が軍制服組の徐才厚を...

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