ロシアのウクライナ侵攻と中国、イラン
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
クリミア半島の占領は、北方領土の占領と同じである
ロシアのウクライナ侵攻と中国、イラン(5)奪われた領土
山内昌之(東京大学名誉教授/歴史学者/武蔵野大学国際総合研究所客員教授)
山内昌之氏は、「クリミア半島などの占領は、歴史の質としていえば、領有の合法性あるいは領有の現実性というものを無視して占領をされた、日本の固有の領土である千島(クリル)の占領と同じである」と喝破する。ロシアにも、東西ドイツ統一時に「NATOを東方拡大させない」と約束させたという言い分はある。しかし、それらの国々もソ連によって「奪われた領土」である事実は否定できない事実なのである。(全5話中第5話)
時間:6分10秒
収録日:2022年2月15日
追加日:2022年3月13日
≪全文≫

●千島の占領とクリミア半島などの占領を常に比較せよ


 皆さん、こんにちは。日本はウクライナ問題に関して、遠い外国でありますが、しかしどういう態度をとるのか。

 日本は、G7の一員として、この問題、すなわちウクライナ危機から避けて通ることはできないのであります。

 クリミア半島の占領というのは、歴史の質としていえば、領有の合法性あるいは領有の現実性というものを無視して占領をされた、日本の固有の領土である千島(クリル)の占領と同じであるという解釈が、日本人からすると成り立つと思います。

 千島(クリル)の占領と、クリミア半島などの占領の問題を、私たちとしては常に比較、あるいは相関化させながら考える必要があります。ウクライナ危機の深化、深みについて、そうしたことを踏まえて、きちんとロシアに対して警告を発するべきです。

 日本は自らの国家的な体験、歴史的な体験としても、そしてG7のメンバー国家という責任ある立場からしても、きちんとそういうメッセージを発する必要があるのではないかと、私は考えます。


●ロシアにも言い分はあるが、しかしやはり「奪われた領土」である


 ロシアにも、言い分はそれなりにあるかと思います。(ソ連の崩壊にともなって)西はまさにウクライナ、ベラルーシ、バルト3国からカフカースの3国、コーカサス3国、そして中央アジアの国々などがソ連から分離したわけです。そもそもドイツの再統一にあたって、そうした国々、そして旧東欧のポーランドやチェコ、あるいはスロバキア等含めてNATOに加盟しない、いわゆるNATOの東方拡大をさせないように、アメリカをはじめとする主要なヨーロッパ諸国に対して約束させたと、ロシアは思っているでしょう。

 ただし、これはいかなる形でも文章化されたり、あるいは協定・条約として書かれたりしたものではありません。しかしながら事実として、次々とこれらの国々が、つまりポーランド、バルト3国、チェコ、スロバキア、ブルガリア、ハンガリーといった元のワルシャワ条約機構のほとんど多くの国々が、いまやNATOに加盟したということになります。ロシアはこれを怒っているわけです。

 このうえ、ソ連邦に加入していた、そして「ロシアなくしてウクライナはなく、ウクライナなくしてロシアなし」と信じているロシア人にとって、ウクライナにまでNATOが拡大してくるということは、到底...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
プーチンのロシア―その思想と戦略―(1)プーチン政治の特徴
ロシア皇帝のように悪者を叱る人…プーチンの思想と歴史観
山添博史
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗
第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?
トランプ政権の極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視
柿埜真吾

人気の講義ランキングTOP10
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(5)ロシア正教が果たした役割
「ロシア正教こそが世界の中心」という使命感…ロシア正教の大きな役割と「儀礼改革派」「古儀式派」
上月豊久
「良き対話」とは?――哲学から考える(1)対話とは何か――会話・説教との違い
「良き対話」のヒントを哲学から考える…「対話」の大前提とは、そして「会話」「説教」「場回し」とは何が違うのか?
納富信留
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(1)老年病科と高齢者の疾患・病態の特徴
頻尿、低栄養、転倒、誤嚥、フレイル…増える老年症候群と高齢者の疾患・病態の特徴
小川純人
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
チームパフォーマンスを高める心理的安全性(1)心理的安全性が注目される理由
なぜ今「心理的安全性」なのか、注目を集める背景に迫る
青島未佳
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
重職心得箇条~管理職は何をなすべきか(2)一途と覚悟で道を究める
自己鍛錬を目指す人に知ってほしい数々の名言
田口佳史
生成AI「Round 2」への向き合い方(2)ハードで動くCopilot
Microsoft Copilotの革新性…想像がつかない世界に
渡辺宣彦
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(1)国守・大伴家持と地方社会の日常
『万葉集』でわかる奈良時代の貴族と地方豪族の関係と日常…歌人・大伴家持の歌に秘められた国守時代の苦労話
上野誠
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉