ロシアのウクライナ侵攻と中国、イラン
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
アメリカを「舐められた獅子」に貶めるロシア、中国、イラン
ロシアのウクライナ侵攻と中国、イラン(2)米国の誤認
山内昌之(東京大学名誉教授/歴史学者/武蔵野大学国際総合研究所客員教授)
ウクライナ危機は、今、バイデン大統領のウクライナに対する戦略の貧しさだけではなく、実はそれを通して対イラン戦略の欠陥を露呈させる鏡にもなっていると山内昌之氏は語る。アメリカのバイデン政権は、明らかにロシアの思惑を見誤っていた。その一方で、ロシア、イラン、中国は、同盟に近い関係を結びながら、アメリカ主導の世界秩序・国際秩序を崩そうとしている。いわばアメリカを、「舐められた獅子」とでもいうべき地位に貶めようとしているのである。(全5話中第2話)
時間:9分26秒
収録日:2022年2月15日
追加日:2022年3月13日
≪全文≫

●バイデン政権の戦略の欠陥を露呈させる鏡にもなっている


 さて、もう一つ私が触れておきたいことは、ロシアと中国、そしてペルシャ湾岸、中東諸国との関係です。ウクライナ危機は、今、バイデン大統領のウクライナに対する戦略の貧しさだけではなく、実はそれを通して対イラン戦略の欠陥を露呈させる鏡にもなっているということです。

 バイデン政権は、全く主観的に、アメリカの中東における最大の脅威であり潜在敵国であるイランについて、ロシアと中国が、あたかもアメリカと(中国風にいうならば)「核心的利益」を共有してるかのように思い込んでいるところがあり、そのように語ってもいます。しかし、これは全く誤解であり、誤っています。

 ロシアと中国は、イランと協力、提携、あるいは同盟に近い関係を結びながら、アメリカ主導の世界秩序・国際秩序を崩そうとしているのが、現状です。

 最近、イラン国会の外交安全保障委員会の報道官は、このようなことを述べています。「新しい世界秩序において、イラン、ロシアそして中国の3国が、新たな世界で極を形成した」と。そして、「この新たな関係が、アメリカやヨーロッパの不公平な覇権を終わらせる先駆になる」と述べました。これは2022年1月27日前後のことです。

 こうしたイランの態度を見れば、イランと中国、ロシアが、中東のシリア戦争に限らず、最も密な同盟関係、友好関係であることがわかるわけですが、バイデン大統領はそれをあえて見ようとしません。

 (2022年)1月21日にジュネーブで、ロシアのラブロフ外相が、アメリカのブリンケン国務長官に対して、イランの「核問題暫定合意」を提案しました。(2015年に締結した)イラン核合意の「JCPOA=包括的共同作業計画(Joint Comprehensive Plan of Action)」から、アメリカは今、脱退している状態にありますから、それに代わる、いわば改訂版として「イランに核開発を遅らせ限定させる代償として、石油の輸出を認めさせる」という案を提案したのです。

 ブリンケンはこういうことをもって「アメリカはロシアと、事態の緊急性を共有した」と、主観的かつ楽観的に述べております。すなわち「ロシアによるイランへの影響力の行使に期待する」というのが、このブリンケンの発言の意味だと思いますが、これはまことに楽観的なものであります。

 なぜかというと、この程度のことは、前政権...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
国際地域研究へのいざない(1)地域研究の意味とイスラエル研究
なぜ経済学で軽視されてきた「地域研究」が最高の学問なのか
島田晴雄
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(1)お金の機能とその要件
お金の「3大機能」とは何か? そしてお金のルーツとは?
養田功一郎
独立と在野を支える中間団体(1)「中間団体」とは何か
なぜ中間団体が重要か…家族も企業も学校も自治会も政党も
片山杜秀
財政問題の本質を考える(1)「国の借金」の歴史と内訳
いつから日本は慢性的な借金依存の財政体質になったのか
岡本薫明
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾

人気の講義ランキングTOP10
キケロ『老年について』を読む(1)キケロの評価と「老年の心構え」
幸福な老年への智恵をキケロに学ぶ…惨めな老年の4つの理由とは
本村凌二
ラカンの精神分析~心の謎を解き明かす(4)欲望と欲求と欲動
ほしいものが、ほしいわ。…欲望の無限運動が資本主義の基盤
斎藤環
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(6)リベラルアーツの本質
自分にしかできない自分の世界を味わうために、他の人とつながる
橋爪大三郎
編集部ラジオ2026(19)橋爪大三郎先生のリベラルアーツ論
【10min解説】橋爪大三郎先生:AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か
テンミニッツ・アカデミー編集部
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(8)AI時代の人間の価値
労働市場改革を妨げる労組や、不登校を救えぬ文科省こそが邪魔だ
宮本弘曉
睡眠と健康~その驚きの影響(3)グリンパティック・システムと脳の健康脳
昼寝が認知症予防に!?脳のグリンパティック・システムとは
西野精治
知られざる「脳」の仕組み~脳研究の最前線(1)脳科学と「ミクロのマクロの隔たり」
脳が生きている、死んでいるとは?最新研究で迫る脳の秘密
毛内拡
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
織田家中一の武略者…『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の知られざる実像
黒田基樹