脱コロナへの課題と展望
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新型コロナ対策のために各国の政治・社会構造を研究せよ
脱コロナへの課題と展望(1)各国の比較から見えてくるもの
ウイルス禍にいかに立ち向かうか。小宮山宏先生と曽根泰教先生の対談で、日本の対策の課題と展望について検討する緊急講義。まず指摘がなされるのは、各国の状況を比較検討することの重要性である。そこには、近隣国でも致死率に大きな違いが出ている理由、貧困など社会的歪みが状況を悪化させる可能性、途上国への拡散の懸念など、多くの示唆に富む情報がある。その原因と対策をきちんと把握するためには、それぞれの国の社会・政治構造などその内実について、しっかりと研究をしておくことが不可欠だ。(全3話中第1話)
※司会者:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:12分51秒
収録日:2020年4月22日
追加日:2020年5月2日
≪全文≫

●感染対策で台湾とシンガポールはどこが違うのか


―― 皆さま、こんにちは。本日は小宮山宏先生の「脱コロナを『知の構造化』で考える」の講義を受けまして、同じくテンミニッツTVの副座長でいらっしゃいます曽根泰教先生とのご対談で新型コロナウイルスの問題についての議論をさらに深めていただきたいと考えております。先生方、どうぞよろしくお願いいたします。

 曽根先生には、本日リモートでのご参加ということでこの議論に加わっていただきますが、どうぞよろしくお願いいたします。

曽根 はい。

―― まずは小宮山先生の新型コロナウイルスの問題についての講義をお聴きいただきまして、全体的なご感想を伺いたいのですが、いかがでしょうか。

曽根 はい。日本の場合、東京駅や大阪・梅田の映像は流れるのですが、海外でも主要国、例えばアメリカのニューヨークやイタリアの西部などの映像だけで、他のところがどうなっているのかということについては、あまり触れられていません。それについて、小宮山先生は、かなり詳細に各国の比較のためのデータを出されています。それを見てみると、見える「問題」が違ってきます。さらに見える問題が違ってくるということは、「問い」や「答え」が違ってくるということです。そうすると、そこで何を知ることができるか、答えとして何が見えるか、そこがよく分かりました。そういう意味では、知的な刺激として非常に有効だと思いました。

 また、アジアの中で優秀とされた台湾とシンガポールはどこが違うのか、それも分かりました。規制のかけ方も、もちろん台湾と中国共産党では同じ中国人でも違うわけですが、台湾は中国共産党のような権威主義ではなく、公衆衛生的な面からインターネット技術、あるいはデジタル技術を有効活用し、また若干の私権制限はあるものの自発的な形でやっています。社会的隔離(ソーシャルディスタンス)もうまくいっています。

 シンガポールは初期の頃はうまくいっていましたが、その後、感染者が増えました。感染者が減っている国もあるのに、なぜシンガポールは増えたのか。こういったことを丁寧に追っていくと、社会の歪みなどが見えてきて、外国人労働者の間で感染が拡がったことが分かります。寮、アパートなども、一般のシンガポール人に比べてかなり劣悪な状態であるということです。そうすると、その弱いところに感染が拡が...

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