脱コロナへの課題と展望
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
ゲリラ的なウイルスとは「自律分散協調」の考え方で戦え
脱コロナへの課題と展望(2)「自律分散協調系」の重要性
科学と技術
新型コロナウイルスは、2年前にジョンズ・ホプキンス大学が警告を発していたが、見えにくく、抑止が効かないため、「ゲリラ戦」的な恐ろしさがある。また、スペイン風邪のような「二波、三波」もあるかもしれない。日本政府の対応は、2月末の「一斉休校」など、かなり場当たり的だった印象があり、長期戦になると国民が息切れしてしまうのではと専門家も心配していた。ではどう対応すればいいのか。今後の社会構造についても含め、議論を深めていく。(全3話中第2話)
※司会者:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:15分23秒
収録日:2020年4月22日
追加日:2020年5月2日
≪全文≫

●ウイルスとの戦いは「ゲリラ戦」的側面があり、持久戦の可能性も


―― 今度は新型コロナウイルスの特徴についての議論に移りたいと思います。曽根先生は、特徴についてどのように分析されていますでしょうか。

曽根 これについては、病原性が強くないというところが実は怖いものだということです。普通、エボラウイルスのように非常に強力な病原性のあるウイルス、あるいは細菌のほうが誰もが恐怖を抱くと思われがちです。しかし、実は2年前にジョンズ・ホプキンス大学のセンターが警告を出しています。それは、症状が現われないまま感染が拡がる、つまり軽症者や無症状者がウイルスを運んで世界にウイルスがばら撒かれるということで、その怖さを指摘していました。最近では新聞などもその研究成果を取り上げていますが、そうした提言があり、これは従来の感染症、あるいは公衆衛生についての考えとはずいぶん異なる問題があると思っていたのですが、今回、中国の武漢からウイルスが出て、それが現実になってしまいました。

 このウイルスはとても見えにくく、扱いにくいものなので、ウイルスとの戦いは「核兵器戦争」に対する「ゲリラ戦」のようなものだと考えられます。誰がテロリストか、あるいはスパイなのか分からないから皆殺してしまう、あるいは皆制限してしまうという、そういった類の話に近い。つまり、抑止が効かないのです。

 そういう意味で、このウイルスとの戦いには、一つは「ゲリラ戦」的側面があり、誰がウイルスを持って運んでいるか分からないという問題と、もう一つはどうやら長期戦・持久戦になる可能性もあるという問題があるのです。

 持久戦はなかなか厄介で、1~2週間の我慢はできますが、半年や1年間我慢するのは、政治的にはとても難しい話です。このウイルスはそうした面を持っているのではないでしょうか。ですから、終息をどのように読み解くかが重要です。スペイン風邪のように二波や三波があるかもしれないということを考えると、今回は扱いがかなり難しい問題の代表だといえます。


●抗体検査の早期実施とワクチン・薬の開発が持久戦の希望となる


―― その点について、小宮山先生はどうお考えでしょうか。

小宮山 曽根先生のおっしゃる通りです。私が一つ感じるのは、自身の講義の中で英語と日本語の情報についての話をしましたが、日本国内だけで話をしていると、ネガ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
生成AI・大規模言語モデルのしくみ(1)生成AIとは何か
10年で劇的な進歩を遂げた生成AIと日本の開発事情
岡野原大輔
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造
「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ
岡朋治
2050年「プラチナ社会」実現への挑戦(1)「プラチナ社会」実現のルーツと現況
2025年頭所感~5つのプラチナ産業イニシアティブ創りへ
小宮山宏
2050年のための「前向きの愛国心」(1)木造都市へのシフト
木造ビルで20階…新しい暮らしを支える森林産業の確立を
小宮山宏
未来を知るための宇宙開発の歴史(1)宇宙開発の流れを概観する
宇宙開発の歴史、そして未来へ…6枚の写真で概観する
川口淳一郎
ヒトの性差とジェンダー論(1)「性」とは何か
MLBのスーパースターも一代限り…生物学から迫る性の実態
長谷川眞理子

人気の講義ランキングTOP10
ヒトは共同保育~生物学から考える子育て(1)動物の配偶と子育てシステム
ヒトは共同保育の動物――生物学からみた子育ての基礎知識
長谷川眞理子
未来を知るための宇宙開発の歴史(7)米ソとは異なる日本の宇宙開発
日本の弾道ミサイル開発禁止!?米ソとは異なる宇宙開拓の道
川口淳一郎
「集権と分権」から考える日本の核心(3)中央集権と六国史の時代の終焉
天平期の天然痘で国民の3割が死亡?…大仏と崩れる律令制
片山杜秀
数学と音楽の不思議な関係(1)だれもがみんな数学者で音楽家
世界は数学と音楽でできている…歴史が物語る密接な関係
中島さち子
睡眠から考える健康リスクと社会的時差ボケ(5)シフトワークと健康問題
発がんリスク、心身の不調…シフトワークの悪影響に迫る
西多昌規
知識創造戦略論~暗黙知から形式知へ(1)イノベーションと価値創造
価値創造において重要なのは未来から現在を見るという視点
遠山亮子
DEIの重要性と企業経営(4)人口統計的DEIと女性活躍推進の効果
日本的雇用慣行の課題…女性比率を高めても業績向上は難しい
山本勲
トランプ政権と「一寸先は闇」の国際秩序(3)これからの世界と底線思考の重要性
同盟国よもっと働け…急激に進んでいる「負担のシフト」
佐橋亮
モンゴル帝国の世界史(2)チンギス・ハーンのカリスマ性
自由な多民族をモンゴルに統一したチンギス・ハーンの魅力
宮脇淳子
睡眠と健康~その驚きの影響(1)睡眠が担う5つのミッション
寝ないとよく食べる…睡眠不足が生活習慣病を招く理由
西野精治