免疫の仕組みからポストコロナ社会を考える
この講義は登録不要で無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
集団免疫の形成には社会の構成者の6割の感染が必要なのか
免疫の仕組みからポストコロナ社会を考える(2)集団免疫の新しい考え方
個人レベルでの免疫の獲得は重要だが、それ以上に重要なのが集団としての免疫の獲得である。集団内で免疫を持っている人がある程度いれば、大きな感染拡大は起こらず、社会不安を防ぐことができる。集団免疫に関しては、新旧2つの考え方があり、古い考え方は現在の免疫学からかけ離れているという。いったいどういうことなのか。(全11話中第2話)
※司会者:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:10分36秒
収録日:2020年6月4日
追加日:2020年7月1日
≪全文≫

●個人レベルでの免疫獲得から集団としての免疫の獲得へ


―― それでは宮坂先生、次に集団免疫に関するお話をよろしくお願いします。

宮坂 ウイルスの防御に関しては、個人レベルで免疫力を上げて感染を防ぐ重要性が指摘されると同時に、集団免疫の重要性もしばしば議論されています。例えば、一定の集団内で多くの人が免疫を獲得すれば、免疫を持っていない人がその集団内にいても感染しにくくなるはずだ、などといわれています。その集団免疫について、簡単にご説明したいと思います。

 こちらのスライドの左側には、ワクチン接種を行うことで、個人を守るだけではなく、集団、すなわち社会を守ることにもつながる、これがすなわち集団免疫の考え方だと書いてあります。

 このスライドには縦に3つのパターンを示しています。その一番上の行を見ると、まず左側には、免疫をまったく持っていない丸顔の白い人ばかりの集団があります。このような集団の中にウイルスが入ってくると、多くの人が感染を示す黒い顔になってしまいます。今回の場合であれば、新型コロナウイルスにかかってしまうということです。この場合では、1人を除き全員が感染したように書いていますが、こうした状況が起こり得るとこれまでいわれてきました。つまり、集団に免疫がないので、多くの人が感染してしまう状態だといわれているのです。

 一方、真ん中の行では、灰色の顔で示していますが、一部の人は免疫を持っています。社会の中の一部の人が免疫を持っている、例えばこの集団の上半分の人がウイルスに感染すると、発症するのは免疫を持っていない人で、発症しないのは免疫を持っている人です。すなわち、大部分は感染しますが、あらかじめ免疫を持っていた人は発症しないのです。一方、下半分の2列はウイルスには曝露されなかったので、この人たちには感染しません。このような状態も、集団としてはまだ免疫がない(-)という評価をこれまで下していました。

 最後に、一番下の行では、大部分の人の顔が灰色で、一部の人だけ顔が白くなっていることが分かります。すなわち、大部分の人が免疫を持っている状態でウイルスが集団内に入ってきても、免疫を持っていない人が感染するのみで、集団としては感染が広がることはありません。これまでは、このような状態を集団免疫あり(+)と判定し...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「健康と医療」でまず見るべき講義シリーズ
健診結果から考える健康管理・新5カ条(1)血管をより長く守ることが重要な時代
健康診断の結果が悪い人が絶対にやってはいけないこと
野口緑
テロメアから考える「アンチエイジング」(1)老化とテロメアの関係
テロメアの長さが「がんリスク」と「老化」のカギを握る
堀江重郎
飽食時代の「選食」のススメ(1)選食の提唱と「食の多様性」
肥満、認知症、低栄養…飽食の時代に大事な「選食力」3カ条
堀江重郎
驚異の味噌パワー
味噌で免疫力向上、がん抑制、放射能除去…発酵食品の効果
小泉武夫
腸内細菌の可能性とマイクロバイオームのダイバーシティ
注目は納豆!腸内細菌が生成する若返り物質「ポリアミン」
堀江重郎
ナノテクノロジーでがんに挑む(1)「iCONM」がめざす医療
ナノマシンによるがん治療…体内病院というイノベーション
片岡一則

人気の講義ランキングTOP10
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(1)会ってみたプーチン…その実像
ロシア人の見る「ロシアの歴史」を知るとロシアがよくわかる・・・実際に会ってみたプーチンの印象とは?
上月豊久
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(6)東條内閣で行われた行政改革
悲惨な末路につながった東條英機内閣での兼職と省庁再編
片山杜秀
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(6)認知症予防と健康寿命の延伸に向けて
フレイル・サイクルは回り出したら抜けられない!?負のスパイラルへの対処法
小川純人
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(2)「出挙」と国司の仕事
地元の有力者の力を借りるために大伴家持が詠んだ歌とは?…今も奈良時代も変わらない中央官僚と地元有力者の関係
上野誠
「満洲」から考える日本とアジア(5)ロシアのシベリア征服と日清日露戦争
「満洲利権」はなぜ日本の手に渡ったか?…ロシアの極東征服、そして朝鮮の混乱が日本を日清・日露戦争へ
宮脇淳子