COVID-19戦時下の今できること
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
手洗い、隔離、BCG接種の効果とは?
COVID-19戦時下の今できること(2)感染拡大の防止策
堀江重郎(順天堂大学医学部・大学院医学研究科 教授)
感染の拡大を防ぐためには、個人レベルでは手洗いが、集団レベルでは隔離や移動制限が効果的である。しかし最近、BCGワクチンを積極的に摂取してきた国ほど、コロナウイルスの感染者が少ないのではないかということも議論され始めている。(全5話中第2話)
時間:9分36秒
収録日:2020年4月2日
追加日:2020年4月13日
≪全文≫

●ウイルスは物の表面にどれほど残るのか?


 さて、われわれができることとして非常に強調されているのが、「手洗い」です。これは、ニューヨークタイムズの中で取り上げられている絵です。ウイルスがどれくらい色々な物の表面に残っているのかが示されています。例えばお金・コインの場合、4時間位ウイルスが残っています。段ボールのようなものですと24時間、ペットボトルでは3日です。金属であるとか食器など、われわれが普段手にするものも3日間程度、ウイルスは残っています。車のキーやドアについても同様です。このことからしても、十分に手を洗うことが必要だろうと思います。特に、公共の交通機関、あるいは人が多く出入りするエレベーターや手すり等は、十分に気をつけていただくに越したことはないと思います。


●隔離と移動制限による感染への効果


 これはワシントン・ポストのウェブサイトに出ていた、非常に面白い図です。どうして接触を防ぐことが必要かが示されています。最初の図では、移動制限がない場合、どのように感染が伝播していくかを表しています。非常に速い時間で多くの人が感染していきます。その中で回復してくる人も見られます。つまり、患者数が非常に多くなるのですが、比較的短期間で終息をしていくということです。現在のアメリカ、あるいはイギリスですね。イギリスの場合は、当初、このように「集団免疫をつける」という方向で、比較的、移動制限をとらない手段を採っていました。しかし最近、方向転換しました。移動制限がない場合には、このように急激に患者が増えていきます。

 それでは隔離した場合はどうでしょうか。中国の武漢のようなケースです。隔離してしまうと、隔離された部分での感染が急激に起こってきますが、外では比較的少なくなります。しかし感染を解除した後に、やはり患者が発生してくるという状況が起こります。現在の中国では、無症状の感染者が少なからずいると報道されています。隔離が終わった後で、果たして感染が再び起こらないかどうか。これが興味があるところだと思います。

 最近の移動制限の場合はどうでしょうか。特に欧米では、非常に厳しい移動制限がなされています...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「健康と医療」でまず見るべき講義シリーズ
腸内細菌の可能性とマイクロバイオームのダイバーシティ
注目は納豆!腸内細菌が生成する若返り物質「ポリアミン」
堀江重郎
認知症とは何か(1)疾患の種類と対応
多くの認知症の原因は「脳のゴミ」の蓄積
遠藤英俊
“膝の痛みの名医”が語る(1)変形性膝関節症とは
膝の痛み…変形性膝関節症に有効なのは「運動療法」
黒澤尚
老いない骨のつくり方(1)高齢化と骨の病気
健康寿命に大きく影響する骨粗鬆症・歯周病・変形性関節症
鄭雄一
オートファジー入門~細胞内のリサイクル~(1)細胞と細胞内の入れ替え
ノーベル賞受賞「オートファジー」とは?その仕組みに迫る
水島昇
最強の臓器「皮膚」のふしぎと最新医療(1)かゆみのサイエンス
「かゆみ」の正体を科学する!最新研究で迫る皮膚の仕組み
椛島健治

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2025(33)2025年を振り返る
2025年のテンミニッツ・アカデミーを振り返る
テンミニッツ・アカデミー編集部
折口信夫が語った日本文化の核心(1)「まれびと」と日本の「おもてなし」
「まれびと」とは何か?折口信夫が考えた日本文化の根源
上野誠
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(4)信長の直臣、秀吉の与力としての秀長
最初は信長の直臣として活躍――武闘派・秀長の前半生は?
黒田基樹
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(3)DSA化した民主党と今後の展望
DSAの民主党乗っ取り工作…世代交代で大躍進の可能性
東秀敏
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境にどう対峙するか…西洋哲学×東洋哲学で問う知的ライブ
津崎良典
平和の追求~哲学者たちの構想(1)強力な世界政府?ホッブズの思想
平和の実現を哲学的に追求する…どんな平和でもいいのか?
川出良枝
健診結果から考える健康管理・新5カ条(1)血管をより長く守ることが重要な時代
健康診断の結果が悪い人が絶対にやってはいけないこと
野口緑
経験学習を促すリーダーシップ(4)成功を振り返り、強みを伸ばす
なぜ強みが大事なのか?ドラッカー、西田幾多郎の答えは
松尾睦
睡眠から考える健康リスクと社会的時差ボケ(5)シフトワークと健康問題
発がんリスク、心身の不調…シフトワークの悪影響に迫る
西多昌規