免疫の仕組みからポストコロナ社会を考える
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新型コロナにも可能性のある「ウイルス感染の再燃」とは
免疫の仕組みからポストコロナ社会を考える(8)感染性の有無と持続感染の懸念
新型コロナウイルス対策のためには、感度の高い試薬が必要となる。現在、急ピッチで開発が進められているが、善玉抗体だけを見分ける試薬はまだ開発されていない。また、検査で陽性となっても、発症から一定期間経過した人から出るウイルスにはほぼ感染性がないことも分かってきた。ただし、持続感染の可能性もあるので、引き続き慎重に対応策を考えていく必要がある。(全11話中第8話)
※司会者:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:7分13秒
収録日:2020年6月4日
追加日:2020年7月2日
≪全文≫

●高感度の試薬は開発されつつあるが、善玉抗体の有無の判定は難しい


曽根 2点ほど質問があります。1つは確認なのですが、ロシュ社の抗体検査の試薬はかなり感度が高いと報道されています。これらの試薬では、季節性インフルエンザの抗体とコロナウイルスの抗体の区別は可能という理解でよろしいのでしょうか。

宮坂 はい、その通りです。

曽根 ただし善玉、悪玉、役無しという抗体の区別はできないのですね。

宮坂 今の検査ではできません。

曽根 もう1つの質問です。プロ野球選手が抗体検査を受けて抗体を持っていることが分かったが、PCR検査を行うとウイルスを保持していることも分かったと報道されました。この関係はどのようなものなのでしょうか。抗体によってウイルスはほとんど排除されていて、その死骸を発見したのか、あるいは抗体を持っていても無症状の保持者と同じようにウイルスを保持しているという可能性もあるのでしょうか。

宮坂 順にお答えします。

 まず、抗体検査の測定キットの能力に関しては、前々回スライドで示しました。もし、スライドにある赤玉の抗原だけを精製して、そこに結合する抗体を探せば、中和抗体の有無の検査になります。一方、緑の丸や黄色の丸を用いても意味がありません。ですので、うまく赤い丸だけを精製することができれば、中和抗体を抗体検査で確認することは不可能ではありません。しかし、現在行われている検査の多くは、例えばスパイクたんぱく質を丸ごと用いる、あるいはスパイクたんぱく質の赤丸に近いと考えられる部分を用いて行いますが、その一部は実は他のコロナウイルスとよく似た配列なので、特異抗体も見つけられますが、同時に交差性の抗体とも反応してしまいます。

 これまでに、どの部分を選べば本当に正確に抗体が計測できるかという知識が蓄積されてきて、ロシュ社などが持っているキットは、他のコロナウイルスの抗体はほぼ検出せず、新型コロナウイルスだけを検出します。そのようなキットはたしかに出てきていますが、中和抗体だけを計測できるキットは、現段階ではまだありません。


●分かってきたウイルスの感染性変化の経過


宮坂 それから、プロ野球選手が抗体検査で陽性だったので、PCR検査を行うとこちらも陽性だったということがありました。球団の発表では、この人は以前...

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