教養としてのナノテクノロジー
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
マルチスケールエンジニアリングによる安心で安全な未来
教養としてのナノテクノロジー(10)界面現象とマイクロ流体システム
ナノメートルスケールの発見をメートルサイズスケールの人間の生活に役立てるには、実用に供するデバイスをつくり出す必要がある。近年、マイクロ流体システムを使用したデバイスの開発により、医療効率が格段に上がることが予想されている。最終話では、マルチスケールエンジニアリングの大切さと、そのことがもたらす安心で安全な未来について解説する。(全10話中第10話)
時間:14分25秒
収録日:2021年3月29日
追加日:2021年9月23日
≪全文≫

●新型コロナウイルスの脅威と3つの検査


 東京理科大学工学部機械工学科の元祐昌廣と申します。ここでは「界面現象とマイクロ流体システム」という話をしたいと思います。

 これまで、ナノテクノロジー、マルチスケール解析、そして界面活性などさまざまな話をしてきましたが、ここではエンジニアリングとしての生かし方である「マイクロ流体システム」という話をします。

 これは世界地図です。

 このように、2019年から現在にかけて世界は新型コロナウイルスの脅威にさらされています。これより以前にウイルスの脅威に世界がさらされたのは、ちょうど100年ほど前のスペイン風邪の時なので、まさに100年たって人間は新たな試練にさらされているわけです。このウイルスの驚異的な拡散に対して、100年前とは違って、現在われわれには情報、そして科学があり、新たな方法で立ち向かうことができます。

 まず、われわれがウイルスに感染したかもしれない、ウイルスに感染しているのではないかという恐れを持ったときにどうすればいいのでしょうか。現在の日本では保健所に行って検査を受けます。ウイルス感染の検査は、PCR検査・抗原検査・抗体検査の大まかに3種類の検査が存在します。

 この3種類はそれぞれ検査する対象が違っており、PCR検査はウイルスの中の遺伝子情報を増幅して検出します。上図のように、「サーマルサイクラー」という装置で熱の力を利用してウイルスを増殖させて、その増殖の伸長反応に伴う蛍光反応を利用して検出します。そのときに酵素と熱を使います。

 抗原検査はウイルスを直接検出します。真ん中の図にあるのは、新型コロナウイルスの模式図で、ウイルスの表面のギザギザはたんぱく質です。このたんぱく質の一部の抗原を検出する、言い換えると、このたんぱく質の一部に特異的に結合するような抗体を入れておいて、それに結合するかどうかを見る、という検査です。そのため、これを検出するにはある程度の数のウイルスが必要になります。

 抗体検査はある人の体内にウイルスが入って、それに闘ってできる抗体が体の中にできたかどうかを見るための検査です。上の2つは唾液やの...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
火山の仕組みを知る(1)火山の世界的分布と噴火の仕組み
火山噴火が起こるメカニズムと日本の火山の特徴
藤井敏嗣
Beyond5G・6Gで進む情報通信の民主化(1)情報通信の民主化と「協創」
6Gの研究開発を推進する情報通信の民主化
中尾彰宏
ChatGPT~AIと人間の未来(1)ChatGPTは何ができて、何ができないか
ChatGPTは考えてない?…「AIの回答」の本質とは
西垣通
進化生物学から見た「宗教の起源」(1)宗教の起源とトランス状態
私たちにはなぜ宗教が必要だったのか…脳の働きから考える
長谷川眞理子
もっと知りたいイヌのこと(1)イヌの歴史を振り返る
オオカミはいつイヌになったか…犬の起源と家畜化の歴史
長谷川眞理子

人気の講義ランキングTOP10
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
日本人が知らない自由主義の歴史~前編(1)そもそも「自由主義」とは何か
消極的自由と積極的自由?…なぜ自由主義がわかりづらいか
柿埜真吾
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(1)桜田門外の変と井伊直弼の人物像
「桜田門外の変」の謎…井伊直弼の警護に問題はなかったのか
山内昌之
第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?
トランプ政権の極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視
柿埜真吾
ヒトはなぜ罪を犯すのか(1)「善と悪の生物学」として
ヒトが罪を犯す理由…脳の働きから考える「善と悪」
長谷川眞理子
組織心理学とは何か~『武器としての組織心理学』と概論
なぜ組織に「心理学」が必要か?多様化と個の時代の処方箋
山浦一保
「三国志」の世界とその魅力(1)二つの三国志
三国志の舞台、三国時代はいつの・どんな時代だったのか?
渡邉義浩
日本人が知らない自由主義の歴史~後編(1)ニューリベラリズムへの異議
ハーバート・スペンサーとダイシー…20世紀の危機の予言者
柿埜真吾
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博