教養としてのナノテクノロジー
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ナノテクノロジーを利用する際に求められること
教養としてのナノテクノロジー(3)科学における教養とは何か<後編>
「ナノテクノロジーというすごい技術を手に入れてしまったのだから、教養が必要だ」ということで、重要になってくるのはナノテクノロジーを実際に利用する際、何が求められるのかということだ。そこで、各講師にそれぞれ工学、物理学、化学といった専門分野の立場から、ナノテクノロジーを利用する際のポイントについてお話頂いた。(全10話中第3話)
インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:9分22秒
収録日:2021年3月29日
追加日:2021年8月5日
≪全文≫

●ナノテクノロジーに関する各講義のポイント


―― 今回の一連の講義ですが、詳しくはそれぞれの先生方の講義をお聞きいただくとして、ご覧いただく上でのポイントを一言でお話しいただければと思います。それでは、松本先生から順番にお話しいただいてもよいでしょうか。

松本 はい。いかにナノテクノロジーが、人類にとってパワフルなツールになったかということ。その次にお話しすることは、そのパワフルなツールをどう使いこなすのかということです。

 ナノだからといって、小さいことだけ考えていれば良いというわけではありません。やはり身の丈に合ったデバイスのレベルまで持ち上げてくるときに、そこにどういう学理があるのか、どういうつながり方をしていれば良いのかということを考えるのが、まさに今回のテーマである「マルチスケールサイエンス&テクノロジー」です。それがどうつくりこまれているのか、システムとして受け入れられるような仕組みになっているのかということを、次の講義でお話ししています。

―― ありがとうございます。では、山本先生、お願いいたします。

山本 私は専門が物理学なので物理学の立場からいうと、いろいろな学問を見てきた中で、1を知って10の23乗というアボガドロ数の世界を知る学問はなかなかありません。これこそ人間の知の究極、今のところの究極の姿なのではないかと思っています。それを自分たちの生活と関連づけて、未来をつくっていこうとするナノテクノロジーについての今回の講義は、教養としても十分に見ごたえのある講義になっていると思います。コップ1杯の水で、この地球上の海全てを知るようなお話ですので、1つのドラマだと思って聞いていただければと思います。

―― ありがとうございます。では、由井先生、よろしくお願いいたします。

由井 はい。水というものを題材にお話しさせていただきましたが、目で見える現象が、本をただしていけば10億分の1メートルのナノスケールに端を発し、気がついてみれば地球規模でのスケールで熱的な性質などが作用しています。そうしたスケールを超えたつながりを実感していただけたらと思っています。

 また、私は化学を中心に研究をしていますが、気がつけば物理の分野のことをやっていたり、本をただせば、私が専門にしている化学熱力学という学問は、いかに効率的に機械を動かすかという機械工学に端を発...

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