教養としてのナノテクノロジー
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
次の動画も登録不要で無料視聴できます!
水はナノの世界から理解していかなければいけない命題
第2話へ進む
人類に課せられたナノテクノロジーの使命と教養の重要性
教養としてのナノテクノロジー(1)科学における教養とは何か<前編>
ナノテクノロジーの発明によって、人類は自由自在に物質をつくり出したり、その性質を変えることが可能になりつつある。これまでにないほど高度な技術を手に入れようとしている今だからこそ、科学における教養の重要性を考えることが必要とされている。そこで、科学における教養とは何か、またナノテクノロジーが持つ現代的意味について、松本洋一郎先生、山本貴博先生、由井宏治先生、元祐昌廣先生に三話にわたってお話を伺った。(全10話中第1話)
インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:9分50秒
収録日:2021年3月29日
追加日:2021年7月22日
≪全文≫

●ナノテクノロジーで神の力を手に入れる


―― 皆さま、こんにちは。本日は「ナノテクノロジー:マルチスケールサイエンス&テクノロジーの最前線」について、お話をいただきます。

 「ナノテクノロジー」という言葉は、何となく聞いたことある方も多いと思うのですが、実際にどういうものなのかを今回の講義シリーズでお話いただきます。

 まず初めに、ナノテクノロジーとは何なのか、そしてそれがどのような現代的意味を持つのかについて、松本先生からお話いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

松本 はい。ある意味では、人類は科学をどんどん発展させて、ついにその原子スケール、分子スケールのコントロールが可能になりました。重要なのは、そういう非常にハイレベルの技術を手に入れてしまったということです。そうするともう望みの性質を持つ材料が創れます。もともと材料はそのありもので、そういう性質で、変えることができないものだと思っていたのに、それを好きなようにコントロールできる技術を人間が手に入れてしまったということです。

 そして、普通はその熱機関にしても何にしても、ある制限の中でしか動かないものだと思っていたものを、その制限を超えたように見せる機能を実現するデバイスを創る能力を人間が身につけてしまいました。人類が神に近づいたという言い方はあれですが、ある意味でそこまでいってしまったということです。そしてそのベースになっている科学技術がナノテクノロジーなのです。


●ナノテクノロジーをどう使っていくべきか


松本 その利用については今、国連でずいぶんと議論されています。2015年にSDGsという概念が出てきましたが、これから10年ということで、2030年の目標に向かって頑張りましょうと言い始めています。このナノテクノロジーを、人類が生き延びるためのテクノロジーにどうやって変えていけるのかを考えることは、実は教養に直結しています。これは非常に、われわれが常に考えていなければならない問題だと思います。

 少し話が飛びますが、だいぶ前にアインシュタインが、「悪い行いをするものが世界を滅ぼすわけではない」と言っています。それが意味するのは、地球環境問題にしても何にしても、誰かが何かをやっているからそうなってしまうということではなく、むしろそれを見ていながら何もしないものが世界を滅ぼすのだ、と...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
生成AI・大規模言語モデルのしくみ(1)生成AIとは何か
10年で劇的な進歩を遂げた生成AIと日本の開発事情
岡野原大輔
ChatGPT~AIと人間の未来(1)ChatGPTは何ができて、何ができないか
ChatGPTは考えてない?…「AIの回答」の本質とは
西垣通
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造
「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ
岡朋治
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
進化生物学から見た「宗教の起源」(1)宗教の起源とトランス状態
私たちにはなぜ宗教が必要だったのか…脳の働きから考える
長谷川眞理子
進化的人間考~ヒトの性質と異様な現代社会(1)進化のスパンと現在の人間生活
ヒトの進化史を文明の発展の時間軸から考える
長谷川眞理子

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(24)「皇室典範改正」を考える
【10minで考える】「皇室典範改正」社会の空気をどう見るか?
テンミニッツ・アカデミー編集部
天皇のあり方と近代日本(4)三島由紀夫VS東大全共闘
「人間天皇」を否定した三島由紀夫の思想が問うものとは
片山杜秀
日本の財政の真実を検証する(5)財政政策で経済は成長するか
どうすれば経済成長できるのか…財政政策の可能性と限界とは?
宮本弘曉
老子の神髄(7)『老子道徳経』「去用第四十」
緊張や怒りをコントロールするには?老子に学ぶ精神と肉体の関係
田口佳史
『太平記』に学ぶ激動期の生き方(1)なぜ今『太平記』を読むべきなのか
『太平記』は乱世における人間の処し方が学べる古典文学
兵藤裕己
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(4)5人の皇帝と現代中国
特筆すべき5人の皇帝…中国史を知らなければ現代中国もわからない
宮脇淳子
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
昭和の名将・根本博…内蒙古・終戦後の戦い(2)在留邦人の生命財産を保護する決断
武装解除の「厳命」を守るか、戦って在留邦人の「生命」を守るか
門田隆将
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(2)大規模言語モデルが孕む問題
AIは頭のないオウム?…AIがAIを引用する世界に創造性はあるか?
橋爪大三郎
中国春秋戦国時代と始皇帝(5)孝公・恵文王の時代と商鞅の変法
秦はいかに強大な国になったのか…「商鞅の変法」でどう改革したか
鶴間和幸