COVID-19戦時下の今できること
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
新型コロナに罹っても「軽症化させる」ための日々の実践
COVID-19戦時下の今できること(5)日々の実践に向けて
堀江重郎(順天堂大学医学部・大学院医学研究科 教授)
今一番重要なのは、適切な情報を集めることである。公衆衛生は基本的に集団単位で行われるが、個人レベルでの疾患の程度とウイルス感染のリスクについては、個別的に収集する必要がある。こうした情報収集により、ウイルスにかかってもすぐ回復できるよう、免疫を付けるための手段が豊富にあるという。講義終了後の質疑応答編。(全5話中第5話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:11分55秒
収録日:2020年4月2日
追加日:2020年4月14日
≪全文≫

●「免疫力が上がる」とは、どういうことか?


―― 基本的な質問をしてもよろしいでしょうか。漢方もそうですし、ビタミンDを飲んで、免疫力が上がるということは、分かりやすく言うと、どういうことなのですか? 入ってきたものを軽症化させるということなのですか?

堀江 応答が速くなる。だから、入ったって、すぐに排除してしまう。ウイルスをすぐになくしてしまう。

―― そうすると、見た目の症状でいうと、軽いか、症状がないかたちで、免疫ができてしまうということですね。

堀江 できてしまう。

―― そうなるのが、先生がおっしゃったように、一番良いわけですね。

堀江 ただ、難しいのは、新型コロナウイルスの場合は、まったく無症状だけれどもウイルスを出している人がいる。無症状の人たちはウイルスを排除するはずなのだけれども、一部分、ウイルスが体と共存してしまっている状態があり得る。そういう意味で、少し「賢い」ウイルスというか、普通は体をやっつけようとするわけです。それで人間の体がそれに応答して、熱を出したりして、(ウイルスを)やっつけるわけですね。インターフェロンが出ると熱が出るのですが、新型コロナウイルスの場合は、しばらくの間、一緒にいる期間が、どうもあるようだと。それから有効な抗体ができない人がいるということです。これが、メカニズムとしては、少しこれまでのウイルスと違うということですよね。

―― 症状が出ないで伝染ってしまうということは、つまり、そういうことなのですか。共存していて症状が出ない段階でも伝染ってしまうというのは、そういう特徴があると。

堀江 そうです。しかし、風邪もおそらくそうですよね。コロナウイルスというのは風邪のウイルスなので、もともとそういう性質を持っている可能性がある。

 また、遺伝子の変異と言いますが、イタリアのものと武漢のものはまったく違うのです。ただし、違うことがどういう意味をもっているのかは、まだ分からないのです。


●ロックダウンの意味とは何か?


―― 今、日本で言われているロックダウンについてですが、国の対策の手法として、何をするのが日本にとっては良いことなのでしょうか。

堀江 公衆衛生対策は僕の専門ではないのですが、色々な考えがあると思います。きちんとした教育をしたうえで、可能なかぎりの検査をするというのが、1つの考えだと思います...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「健康と医療」でまず見るべき講義シリーズ
オートファジー入門~細胞内のリサイクル~(1)細胞と細胞内の入れ替え
ノーベル賞受賞「オートファジー」とは?その仕組みに迫る
水島昇
“膝の痛みの名医”が語る(1)変形性膝関節症とは
膝の痛み…変形性膝関節症に有効なのは「運動療法」
黒澤尚
認知症とは何か(1)疾患の種類と対応
多くの認知症の原因は「脳のゴミ」の蓄積
遠藤英俊
和食の深い秘密~なぜ身体に良いのか(1)和食の特徴と日本人
日本人は地球上最もベジタリアンだった?和食の7つの基本
小泉武夫
老いない骨のつくり方(1)高齢化と骨の病気
健康寿命に大きく影響する骨粗鬆症・歯周病・変形性関節症
鄭雄一
睡眠:体、脳、こころの接点(1)睡眠とは?
なぜ睡眠は生きるために必要?脳にある覚醒中枢と睡眠中枢
尾崎紀夫

人気の講義ランキングTOP10
戦争とディール~米露外交とロシア・ウクライナ戦争の行方
「武器商人」となったアメリカ…ディール至上主義は失敗!?
東秀敏
平和の追求~哲学者たちの構想(5)カント『永遠平和のために』
カント『永遠平和のために』…国連やEUの起源とされる理由
川出良枝
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(1)史実としての豊臣兄弟と秀長の役割
豊臣兄弟の謎…明らかになった秀吉政権での秀長の役割
黒田基樹
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境に対峙する哲学カフェ…西洋哲学×東洋哲学で問う矛盾
津崎良典
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
熟睡できる環境・習慣とは(4)起きているときを充実させるために
夜まとめて寝なくてもいい!?「分割睡眠」という方法とは
西野精治
渡部昇一の「わが体験的キリスト教論」(1)古き良きキリスト教社会
古き良きヨーロッパのキリスト教社会が克明にわかる名著
渡部玄一
健診結果から考える健康管理・新5カ条(1)血管をより長く守ることが重要な時代
健康診断の結果が悪い人が絶対にやってはいけないこと
野口緑
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
インテリジェンス・ヒストリー入門(1)情報収集と行動
日本の外交には「インテリジェンス」が足りない
中西輝政