和食の深い秘密~なぜ身体に良いのか
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
味噌で免疫力を高める!無限の可能性を秘める発酵食品
和食の深い秘密~なぜ身体に良いのか(3)発酵食品と免疫
小泉武夫(農学博士/食文化評論者/東京農業大学名誉教授)
驚くべき実験がある。餌に含まれる物質Xの有無によって、放射能被曝したネズミの細胞蘇生率が大きく違うというのだ。免疫力を高める物質Xの正体は、味噌。日本人なら誰もがなじんでいる食材だ。味噌に免疫力を高める効果をもたらすのは、発酵である。発酵食品の驚くべきパワーは無限の可能性を秘めている。(全7話中第3話:2023年1月24日開催ウェビナー〈和食の深い秘密~なぜ身体に良いのか〉より)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:12分49秒
収録日:2023年1月24日
追加日:2023年4月22日
≪全文≫

●マウスの被曝実験が教える「味噌」の力


小泉 さて、私は、2020年まで広島大学医学部の客員教授をしていて、渡邊敦光(ひろみつ)さんという先生と非常に親しくなりました。この先生は、広島大学原爆放射線医学研究所の免疫学の教授ですから、免疫を知るために放射能を使っています。何をしたかというと、非常に面白い実験です。

 実験動物のネズミをAグループとBグループに分けて、それで、毎日、同じ餌を両方のネズミに食わせながら、ずうっと生きてきたときに、突然、放射線を被曝させるわけです。あんまり掛けると死んじゃいますから、弱~く、0.04ぐらいかな? 少~し、弱~く掛けるわけ、死ぬ手前ぐらいまで。すると、死なないから、まだ生きているわけですね。そのときにこの2つのグループのAグループのほうには餌と味噌を加えてやるんです。片方は味噌を加えない。塩を加える。そして放射線を掛ける前のネズミには、片方には味噌を食べさせておいて、片方には味噌を食べさせないということで、飼い続けます。これに放射線を照射してやるとどうなるかという実験です。これは、非常にはっきりしたデータが出てきます。

 グラフの黒いほうは、味噌を食べさせなかったマウスで、すぐ死んでしまいます。ところが、もう片方は味噌を食べさせたマウスで、そうでないほうが20日ぐらいしか生きていないのに比べ、もっと長いあいだ生きるわけです。

 赤が味噌を食べさせたほうです。こんなに違うということが分かったので、渡邊先生は次に細胞学的な検討を行いました。その結果、こういうことが分かりました。

 左側は、味噌を食べさせなかったマウスの小腸の細胞の断面図です。右側は味噌を食べさせたほうです。ここに「みそエサを食べていなかった、食べていた」と書いてあります。

 放射線を掛けられると、細胞は壊疽して死ぬわけですが、まだ少しは生きていて、免疫力があるから、三つだけは戻ってきた。ところが、味噌を食べさせたほうは全部戻ってきた。これほど味噌の免疫力は高いのだ、ということです。味噌は発酵食品ですからね。

 そういうふうにして、今、発酵食品というのは非常に免疫力が高いということが分かってきたわけです。


●「生命体」として体内に入るのは発酵食品だけ


小泉 発酵食品はなぜ免疫力が...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「健康と医療」でまず見るべき講義シリーズ
オートファジー入門~細胞内のリサイクル~(1)細胞と細胞内の入れ替え
ノーベル賞受賞「オートファジー」とは?その仕組みに迫る
水島昇
アンチエイジングのための「5:2ダイエット」
「5:2ダイエット」活性酸素を減らしてアンチエイジング
堀江重郎
テロメアから考える「アンチエイジング」(1)老化とテロメアの関係
テロメアの長さが「がんリスク」と「老化」のカギを握る
堀江重郎
夜間頻尿の原因とその予防方法
夜間頻尿になりやすい人の特徴とその対策
堀江重郎
目の健康と医療・最前線(1)ブルーライトは目に悪いのか
ブルーライトは本当に目に悪い?…どの程度影響するのか
大鹿哲郎
腸内細菌の可能性とマイクロバイオームのダイバーシティ
注目は納豆!腸内細菌が生成する若返り物質「ポリアミン」
堀江重郎

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(37)長谷川眞理子先生の公開収録!
【アンケート&公開収録】長谷川眞理子先生:男と女でどう違う?能力の高め方
テンミニッツ・アカデミー編集部
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(2)タタールのくびきと「第三のローマ」
なぜロシアが「第三のローマ」なのか?…東ローマ帝国とモンゴル帝国の根深い影響を探る
上月豊久
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(1)国守・大伴家持と地方社会の日常
『万葉集』でわかる奈良時代の貴族と地方豪族の関係と日常…歌人・大伴家持の歌に秘められた国守時代の苦労話
上野誠
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
万葉集の秘密~日本文化と中国文化(1)万葉集の歌と中国の影響
『万葉集』はいかなる歌集か…日本のルーツと中国の影響
上野誠
江戸とローマ~日本酒とワイン(2)ローマの酒文化とファストフード
ポンペイのファストフード店、遺跡が物語るローマの酒文化
本村凌二