徹底検証・日本のコロナ対策
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いかに検査を拡大し、「実行再生産数」を引き下げていくか
徹底検証・日本のコロナ対策(3)抗体検査と収束の可能性
政治と経済
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
いかに検査を広げていくかという点で、現在、世界各国で関心が高まっているのが「抗体検査」である。抗体を持っている人は免疫力が高いので、外出や一定の就業も可能ではないかという考えが関心の根底にある。この抗体検査と、ソーシャル・ディスタンスの考え方、さらに、どこに感染収束の方向性があるかについて見ていく。
(本講義では、島田晴雄先生が作成されたレジュメ内容を本文として掲載いたします。そのため、一部、動画では触れられていない部分もありますが、資料としてご活用いただければ幸いです)(全9話中第3話)
時間:6分19秒
収録日:2020年5月19日
追加日:2020年5月23日
≪全文≫
《4.抗体検査とコロナパンデミック収束の可能性》
【抗体検査への関心の高まり】
◆2020年4月に入って欧米で抗体検査に関心が高まる。過去にウイルスに感染した人の体内には抗体ができている可能性があり、抗体があればそれが免疫細胞の増殖を促すので、ウイルスへの抵抗力が高まり、再度の感染はしがたいという見方。
◆抗体を持っている人は免疫力が高いので、外出や一定の就業も可能ではないかという考えが関心の根底にある。抗体保有者が多ければ、彼らが外出や就業をすることで、感染抑制策としての都市封鎖や外出禁止も緩和でき、経済回復に役立つという期待感。

【抗体検査の実験例】
◆抗体検査の実験例として、スタンフォード大学の研究チームがカリフォルニア州サンタクララ・カウンティで3300人のボランティアに行った検査の結果が注目された。検査者の2.5~4.2%に抗体を確認。サンタクララ人口200万人に当てはめれば4.8万~8.1万。その時点で確認されている感染者の50~80倍。
◆NY州のクオモ知事は4月23日、市民3000人に対して行った抗体検査で14.9%の保持者を確認したと発表。NY州の人口1850万人に当てはめれば270万人が抗体保持者となる。
◆同様の検査はロサンゼルス、ドイツ、オランダ、イタリアでも実施され、日本でも東京と東北地方で500人ずつ検査が実施され結果は5月初に発表された。

【コロナウイルス感染の死亡率は低い?】
◆これらの抗体検査の結果は、これまでのPCR検査による感染者の死亡率に対して、新たな視点を提供する。これまでは新型コロナウイルスによる死亡率は5~6%と高いと考えられてきた。たとえばアメリカの感染者は4月末で94万人、死亡率は5.4万人。死亡率は5.7%。
◆しかし、母数をアメリカ人口3.3億人の14%とすれば4620万人、死亡者5.4万人はその0.12%と、極めて低くなる。

【抗体検査の信頼性?】
◆ただ、抗体が新型ウイルスへの抗体なのかどうかが不明など専門家の間でも疑問の声もあり、WHOも抗体検査の信頼性には疑問を呈している。
◆ドイツでは抗体保有者に「免疫パスポート」を発行する案もあるが、新型コロナウイルスへの抵抗力が必ずしもない感染経験者が出歩くことが感染をさらに拡大する可能性も現状では否定できない。

【集団免疫と感染収束への潮目】
◆ウイルス感染が収束するかどうかの潮目は、人口の約6割が感染経験者になるかどうかとされる。そこまでい...

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