財政再建のために何が必要か
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
スペシャリストにならないとジェネラリストにはなれない
財政再建のために何が必要か(2)ジェネラリストの育成
財政再建に向けての課題として、マクロとミクロ、金融経済と実体経済のつながりや経済全体を見ることのできるエコノミストの不在がある。企業がこの数十年、さまざまな改革に取り組んできたのに対して、省庁は縦割り構造から脱していないのも問題だ。こうした日本の課題を解決していくためにはどうすればいいか。ジェネラリストをどう育成するかという点が鍵になりそうだ。(全2話中第2話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:8分26秒
収録日:2020年8月19日
追加日:2020年11月8日
≪全文≫

●世の中の変化に対して、政策のやり方も大きく変わっていく必要があった


―― 私が漠然と思っているのはことですが、実体経済の十数倍以上の金融マーケットがすでにできてしまっているというときは、例えばFRB(連邦準備理事会)が何か少し変えると全て変わってしまうということです。そういう意味で、変数がものすごく増えていますね。

柳川 そうですね、そこが今の難しさだと思います。おっしゃるように非常に大きい金融市場の中での経済運営は、例えば20年、30年前とも違うと思いますし、相当そういう意味で、世の中が日々変わっていくので、そこをどううまく取り込んでやっていくかというのは難しいところです。

 もう一つは、グローバル化の動きもあります。どうしても財政の話は、一国だけで考えがちです。しかし、最終的にはグローバルにつながっている中での影響が出てきますので、そこも日々変わっていますし、だんだんだんだん世界のつながりが大きくなっています。よって、そういうことも考慮しなきゃいけないと思います。

―― 今、日銀の人たちが、エコノミストの水準としては一番高いと思うんですけれども、やはり40年負け続けるというのは、よっぽどのことだと思うんです。日本の産業政策も、少なくともIT立国を唱えながらこれだけ負け続けるというのは、よっぽどどこかで制度的な欠陥、あるいは人材育成の欠陥がないと、なかなか起きにくいですよね。

柳川 それはおっしゃる通りですね。「40年負け続けて」とおっしゃられて、改めてそうだなと思いましたけど、そうだとすると、やっぱりこの40年やってきたことを、そもそもかなり大きく見直すことが必要なのかなと、思います。そこは小手先ではなくて、かなり腰を据えて大きな改革をしていかないといけない。そうしなければ、今までやってきたことを簡単には変えられないでしょう。

 あとはもう一つ、政策のあり方、企業経営のあり方というのは、この40年間の間で相当変わりましたよね。だから、個々の企業は生き残りをかけて、大胆なことをいろいろやってきているわけです。そうだとすれば、財政政策、金融政策含めて政策のやり方もものすごく大きく変わっていかなければいけなかったはずなんです。

 その割には、政策の担い手の部分は、割とオーソドックスな形で縦割り構造になっていて、横並びできない。もう少しミクロとマクロの連携のような...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗
グローバル環境の変化と日本の課題(1)世界の貿易・投資の構造変化
トランプ大統領を止められるのは?グローバル環境の現在地
石黒憲彦
これからの社会・経済の構造変化(1)民主主義と意思決定スピード
フラット化…日本のヒエラルキーや無謬性の原則は遅すぎる
柳川範之
台湾有事を考える(1)中国の核心的利益と太平洋覇権構想
習近平政権の野望とそのカギを握る台湾の地理的条件
島田晴雄
「次世代地熱発電」の可能性~地熱革命が拓く未来
地熱革命が世界を変える――次世代地熱の可能性に迫る
片瀬裕文
外交とは何か~不戦不敗の要諦を問う(1)著書『外交とは何か』に込めた思い
外交とは何か…いかに軍事・内政と連動し国益を最大化するか
小原雅博

人気の講義ランキングTOP10
哲学から考える日本の課題~正しさとは何か(1)言葉の正しさとは
「正しい言葉とは何か」とは、古来議論されているテーマ
中島隆博
AI時代と人間の再定義(7)AIと倫理の問題と法整備の可能性
AIに正しい倫理を学ばせるには?徳倫理学のススメ
中島隆博
編集部ラジオ2026(2)「時代の大転換期の選挙」特集を解説!
「大転換期の選挙」の前に見ておきたい名講義を一挙紹介
テンミニッツ・アカデミー編集部
これからの社会・経済の構造変化(4)日本企業の課題と組織改革の壁
日本の場合、トップダウンよりボトムアップで変えるべき?
柳川範之
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(6)曼荼羅の世界と未来のネットワーク
命は光なのだ…曼荼羅を読み解いて見えてくる空海のすごさ
鎌田東二
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(6)政治と経済をつなぐ公共哲学
どのような経済レジームを選ぶか…倫理資本主義の可能性
齋藤純一
衰退途上国ニッポン~その急所と勝機(1)安いニッポンと急性インフレ
世界で一人負け…「安い国」日本と急性インフレの現実
宮本弘曉
外交とは何か~不戦不敗の要諦を問う(5)日本外交の進むべき道
中国の「国進民退」に危機感…これからの日中関係を読む
小原雅博
編集部ラジオ2025(31)絵で語る葛飾北斎と応為
葛飾北斎と応為の見事な「画狂人生」を絵と解説で辿る
テンミニッツ・アカデミー編集部