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人生の大きな転機になった伝記作家の言葉

人生の転機~本気で「志」に生きる(2)日本の若者の“志力回復”を人生のテーマに

上甲晃
志ネットワーク代表
概要・テキスト
もし、あなたが人生をよりよくしたい、自分を変えたいと思っているなら、「人生のテーマ」を持つことだ。「仕事のテーマ」は転職すれば変わる。退職すれば消える。生涯かけて追求する人生のテーマが志を支え、人生を根本から変える。あなたには、人生のテーマがありますか? 上甲晃氏が語る「人生の転機」。(後編)
時間:10:44
収録日:2014/07/31
追加日:2014/10/23
カテゴリー:
≪全文≫

●人生のテーマを持つ生き方


 もう一点、私の人生にとって大きな転機になった一言があります。それは、伝記作家の小島直記先生の言葉でありました。

 もう亡くなられましたが、この先生は大変厳しい先生でした。松下幸之助さん亡き後の松下政経塾に、志というものを吹き込んでいただくのには一番適格ではないかと思って、先生に私の家の隣に3年間住んでいただいて、ご指導いただきながら、政経塾で志の教育をしていただきました。

 その小島先生が、繰り返しいつも言っておられた言葉が一つあります。それは、「志の三条件」であります。「志には三つの条件がある」ということを、先生は繰り返し教えられました。

 第一は、人生のテーマを持つ。人生のテーマを持つことが志の第一条件である。二番目は、生きる原理、原則を持つ。そして第三番目は、言行一致。言っていることとやっていることを一致させる。この三つがそろったときに、そこに志というものが成り立つのだという、その一言が強烈に思い起こされました。

 そのときは塾生諸君に話をしておりましたので、私は内心その話を聞きながら、私には人生のテーマがいっぱいあると思っておりました。ですが、よく考えたら、その人生のテーマは全部仕事のテーマだったのです。仕事のテーマは、退職すると消えます。転職すると変わります。しかし、人生のテーマは、生涯を貫き通したテーマです。まさに死ぬ最後の瞬間まで追い求める、それが人生のテーマだと分かったときに、私は、自分に人生のテーマがないことを痛感しました。仕事のテーマと人生のテーマをいつの間にかすり替えてしまって、忙しい、忙しいと言いながらも、実はそれは仕事のテーマであって、人生のテーマではない、ということを強く感じたのです。

 そして、決心しました。これからは人生のテーマに生きよう。生涯かけて、自分の人生を通じて追い求めていくテーマをしっかりと持とうと。そのときに、人生のテーマを持つ生き方というものを決心した次第であります。


●日本の若者の“志力回復”が、私の人生のテーマ


 この人生のテーマに関連して、私は、松下政経塾を離れたあと、「青年塾」というものを立ち上げました。そのきっかけになったのも、この「人生のテーマを持つ」ということであります。

 私はもう20年来、バングラデシュという国に毎年のように出かけてまいりました。...
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