2023年前半の金融市場と日本の行方
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逆イールド現象は景気後退の前触れ?歴史的円安の行方は?
2023年前半の金融市場と日本の行方(2)米国の逆イールド現象と為替の動向
養田功一郎(元三井住友DSアセットマネジメント執行役員/YODA LAB代表/金融・経済・歴史研究者)
アメリカの逆イールド現象は、いかなる状況を招くのだろうか。過去の事例を参照しながら、今後の動向を読んでいく。また、1971年と同レベルの円安状況となった日本。今後もこの状況は変わらないのだろうか。ニクソンショック以来の円安となった要因はどこにあり、日本の投資家は今、何を考えるべきであろうか。(全2話中第2話)
時間:13分11秒
収録日:2023年6月5日
追加日:2023年7月16日
≪全文≫

●「米イールドカーブ逆転時」の日銀の利上げは正しいか?


 では、2023年から2024年、それ以降にむけ、今後、金融経済はどうなるのでしょうか。この資料をご覧ください。

 上段はアメリカの10年、2年の金利動向で、青い線が10年金利、オレンジの線が2年金利です。中段は10年と2年金利の差を表しています。縦にシャドーが入っているところは、イールドカーブの逆転現象、つまり、10年と2年金利の逆転現象が起きている部分です。

 こうして見ると、現在は、ここ30年位で3回目ですが、前回2回はITバブル崩壊とリーマンショックであり、いずれもその後、景気後退、金利低下が発生しています。

 通常、金利は期間が長いほうが高くなるものですが、このように時々逆転現象が発生します。これは短期の政策金利を中央銀行が上昇させながら景気刺激やインフレを抑制的にする中、徐々にその効果が現れ、長期金利は先を見て低下に向かうためです。

 それに加えて、もう一つ奇妙な一致についてお話しします。実は米イールドカーブ逆転時と日銀の金融引き締めの時期が重なっているのです。

 2000年以降、日銀の利上げ局面は2回ですが、いずれもシャドーのかかった米金利逆イールド期に利上げしています。このようにタイミングが重なるのは、決して偶然ではないと思います。

 これは、日本は経済のダイナミズムが対地域より弱く、米経済がピークを打つ頃、ようやく利上げの環境が整うからであるとみています。(2022年)12月の出来事は将来に向けた利上げの布石だったかもしれず、さらに今、日銀がどう動くか注目されています。目下、注目される日銀の政策変更も、このような中長期の文脈の中で見ていくと、また違った意味合いを持ってきます。


●日本の投資家が米国債を購入・運用する場合に起きること


 ちなみに、現在日本の機関投資家が米国債を購入し、運用する場合、どのようなことが起きるでしょうか。為替ヘッジをする場合としない場合では大きな違いが生じます。

 為替ヘッジを行うことは、米ドルを調達してその資金で運用することと同義です。これを債券貸借取引(レポ取引)で行うか、通貨スワップを使って行うか、いろいろ方法はありますが、基本的には同じです。

 かかる中、ドルを短期で調達し、長期債を買って運用するとどうなるでしょうか。逆...

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