驀直去~まっしぐらに突き抜けろ
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
無学祖元禅師が北条時宗に授けた教え「驀直去」とは
驀直去~まっしぐらに突き抜けろ(1)北条時宗と無学祖元
行徳哲男(日本BE研究所 所長)
「驀直去(まくじきこ)」は、蒙古襲来時、無学祖元禅師が北条時宗に授けた教えである。その教えによって時宗は行動を起こし国難を救うわけだが、果たして驀直去とはいったいどんな教えなのか。禅の公案、良寛の言葉とも繋がるその教えについて行徳哲男氏が語る。(前編)
時間:7分21秒
収録日:2014年2月26日
追加日:2015年7月6日
≪全文≫

●驀直去が国を救う教えとなった


行徳 私の郷里は九州、福岡です。福岡にお出でになった方は知っているかも分かりませんが、西公園というと、修猷館高校の近くで、あそこに防塁前というところがあり、そこに史跡があります。

 防塁前というと防塁ですから、蒙古の襲撃を防ぐためにつくった防塁です。今から700何十年前です。当時の蒙古というのは、ヨーロッパの一部まで攻めたわけですから、世界最強の大国です。その圧倒的な強大国・蒙古が、「属国になれ」と日本に使者をよこしてきたわけです。

 その当時、受けて立ったのが17歳の北条時宗でした。これだけの国難に対処する力がありません。そこで、時宗が行なったのが、蒙古の人たちに酒と女をあてがうことでした。このやり方はある程度成功しました。蒙古の人たちが酒色に溺れたわけです。だから、しばらくは返事を延ばしてくれたのですが、再び返事を迫ってきたときに、どうしていいか分からない。そのとき、その思いをぶつけたのが、無学祖元禅師です。もともと時宗というのは、大変にひ弱で、病弱でもあり、精神的にも女々しさを持っていました。そこで、その後見人として時宗の父親が託したのが無学祖元だったわけです。この若者、時宗は、そのどうしようもない思いを無学祖元にぶつけたときに、たたきつけられた教えがあります。それが、「驀直去(まくじきこ)」という教えでした。

 ところが、若者にこの教えは解けなかったのです。だから、彼は何日も座るわけです。しかし解けません。最後は自分の額を壁にたたきつけます。そして、血しぶきが舞い、血だらけになるわけです。その瞬間に若者は悟りました。

 使者は確か41人ほど来ていたはずです。それを並べて、首をはねてしまいました。これがきっかけで、蒙古は当時4000隻、10万とも15万とも言われる大軍で九州を襲ってくるわけです。

 ところが、二度とも風が吹いたわけです。その風で船が壊れて沈み、この襲撃は挫折となったと言われますが、あの当時に吹いた風は、船が沈むような、そんな大きな台風ではありませんでした。しかし、その船が沈む理由について今、東海大学などが研究されていて、700何十年前に博多湾に沈んだ船を水中カメラで撮影したそうです。

 すると、船は沈むようにできていたのです。つまり、韓国は船を頑丈につくっていませんでした。玄界灘は大変な荒波...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境にどう対峙するか…西洋哲学×東洋哲学で問う知的ライブ
津崎良典
世界神話の中の古事記・日本書紀(1)人間の位置づけ
世界神話と日本神話の違いの特徴は「人間の格づけ」にある
鎌田東二
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(1)史上最大の問題作
全米TOP10大学の必読書1位が『ポリテイア(国家)』
納富信留
「50歳からの勉強法」を学ぶ(1)大人の学びの心得三箇条
大人の学び・3つの心得=自由、世間が教科書、孤独を覚悟
童門冬二
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
折口信夫が語った日本文化の核心(1)「まれびと」と日本の「おもてなし」
「まれびと」とは何か?折口信夫が考えた日本文化の根源
上野誠

人気の講義ランキングTOP10
折口信夫が語った日本文化の核心(1)「まれびと」と日本の「おもてなし」
「まれびと」とは何か?折口信夫が考えた日本文化の根源
上野誠
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(3)DSA化した民主党と今後の展望
DSAの民主党乗っ取り工作…世代交代で大躍進の可能性
東秀敏
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境にどう対峙するか…西洋哲学×東洋哲学で問う知的ライブ
津崎良典
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(4)信長の直臣、秀吉の与力としての秀長
最初は信長の直臣として活躍――武闘派・秀長の前半生は?
黒田基樹
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
平和の追求~哲学者たちの構想(1)強力な世界政府?ホッブズの思想
平和の実現を哲学的に追求する…どんな平和でもいいのか?
川出良枝
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
世界哲学のすすめ(1)世界哲学プロジェクト
日本発!危機の時代に始動する世界哲学プロジェクトの意義
納富信留
認知バイアス~その仕組みと可能性(2)創造のバイアス〈前編〉
創造の「4段階説」、ひらめきには準備が必要
鈴木宏昭
編集部ラジオ2025(31)絵で語る葛飾北斎と応為
葛飾北斎と応為の見事な「画狂人生」を絵と解説で辿る
テンミニッツ・アカデミー編集部