深刻化する「複合危機」を分析する
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
慢性デフレと急性インフレが同時進行…日本の危機と現状
深刻化する「複合危機」を分析する(2)世界の危機、日本の危機
曽根泰教(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
世界的な危機としては、パンデミック、戦争、エネルギー危機をはじめ、金利高騰やインフレ、気候変動などがある。日本では、特に慢性デフレと急性インフレの同時進行、少子高齢化、自然災害などの危機が注目されている。これらの危機を大きな視点で捉えると、慢性的な危機と急性的な危機に分けられる。急性的な危機は制度化による対応が重要となるが、慢性的な危機は一体誰がいつ頃から準備しておけばいいのか。今回は、世界も日本もすでに両方の危機に直面している現状と今後について考える。(全2話中第2話)
時間:9分09秒
収録日:2023年12月21日
追加日:2024年2月18日
≪全文≫

●世界の危機の中、日本で起こっているのは慢性デフレと急性インフレ


 引き続いて、世界の危機、日本の危機ということでお話をいたします。

 これは前回のポリクライシスを考えるときの具体例として、何を見ていったらいいのかということを、世界と日本で考えたいということです。

 世界の危機は、マーティン・ウルフの説では、例えばわれわれはパンデミックを経験しました。それから、戦争、エネルギー危機を経験しました。また、世界中で金利が高騰しました。インフレーションが起こりました。さらに気候変動もあります。そこまでマーティン・ウルフは言っているわけですが、サイバーウォー、つまりサイバー危機も加えたほうがいいというのは私の説ですが、それほどここに関しては意見の違いがあるわけではありません。

 私が述べたものは、認知空間ということを強調していますが、認知空間を加えれば物理空間で起こる危機のどのような領域があるのかというのは、それほど意見が違うわけではないということです。

 日本の危機というのは、世界の危機にプラスして、こんなことが起こるでしょうということです。

 財政破綻で金利が急騰するのかについては、財政破綻が現に起こっているという人もいるし、それは大丈夫、安全という人もいるし、意見は分かれます。しかし、日銀は出口を非常に慎重に見つけようとしています。何を警戒しているのかというと、金利の急騰です。

 日本で起こっている現象は、慢性デフレと急性インフレです。急性インフレというのは、ウクライナ危機、あるいは海外の金利の上昇によって為替レートが変わります。為替レートが変わってくると輸入インフレが起こります。そして同時にサプライチェーンが分断されると、その部分がまた値段が上がる、エッセンシャルワーカーがいない、というようなことでインフレが起こります。

 このとき、慢性デフレと急性インフレが同時に起こっているとすると、政策を打つときに、一体どちらを向いているのか分かりません。物価が上がるのを防ぐために、政府はいろいろと手を打ちますが、物価を上げたいというのが慢性デフレの処方箋です。ですから、2つ両方を一遍にやっているので、国民としては非常に分かりにくいということです。

 ただ、慢性デフレは脱却できるの...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
独立と在野を支える中間団体(1)「中間団体」とは何か
なぜ中間団体が重要か…家族も企業も学校も自治会も政党も
片山杜秀
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
養田功一郎
資産運用の思考法…経済や市場の動きをどう読むか
市場予測のポイント…短期・中期・長期の視点と歴史的洞察
養田功一郎
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
アメリカの理念と本質(1)西洋文明の行き着いた先と三つの建国
三つの建国――その歴史的背景から迫るアメリカの原点
中西輝政

人気の講義ランキングTOP10
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子
編集部ラジオ2026(20)W杯に想う聖徳太子の「和」の力
【10minで考える】W杯と聖徳太子流・勝利への「和の力」の真実
テンミニッツ・アカデミー編集部
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉
ラカンの精神分析~心の謎を解き明かす(6)オープンダイアローグと過程の重視
治さないと治る!?オープンダイアローグは逆説でできている
斎藤環
老子の神髄(2)達人の境地と「無為」
無為とは「絶対なる喜びを得る」こと…その境地こそ長寿への秘訣
田口佳史
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(7)自分の人生のために
AI時代こそAIでなく「生きた学び」で自分の人生を膨らませる
橋爪大三郎
重職心得箇条~管理職は何をなすべきか(2)一途と覚悟で道を究める
自己鍛錬を目指す人に知ってほしい数々の名言
田口佳史
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
認知症とは何か(1)疾患の種類と対応
多くの認知症の原因は「脳のゴミ」の蓄積
遠藤英俊