アベノミクス新成長戦略のポイント
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
次の動画も登録不要で無料視聴できます!
安倍政権が挑む農業改革、三つのポイント
第2話へ進む
アベノミクス新成長戦略のポイント「TPP」はどうなる?
アベノミクス新成長戦略のポイント(1)TPP~合意に向けた正念場
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
島田晴雄氏がアベノミクスの新成長戦略の大きなポイントとして挙げるのが、TPPである。未だ最終合意に至らないが、日米双方にとって今年はその成立に向けてのラストチャンスだ。今が正念場の日米の事情を踏まえ、TPPスタートから現在に至るまでの紆余曲折を解説する。(2015年1月26日開催島田塾第120回勉強会島田晴雄会長講演「年頭所感 アベノミクス 2年間の経験とこれからの日本経済」より、全10話中第3話目)
時間:7分01秒
収録日:2015年1月27日
追加日:2015年2月14日
≪全文≫

●TPPスタートから日米参加までの経緯


 前回、安倍内閣の新成長戦略のポイントとして、まず企業投資と資本市場についての改革、二番目に「産業競争力強化法」に代表される経済の新陳代謝がある、とご説明しました。

 三番目のポイントがTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)ですが、これが非常に大きいですね。TPPについては、もうご存知の方がほとんどだと思いますが、念のために「TPPとはこういうことです」というのを申し上げたいと思います。

 これは、10年ほど前に、環太平洋の小さな国、例えばチリとか、シンガポール、ニュージーランドやブルネイといった国が、非常に高度な自由貿易の構想を考えたのです。これは貿易も投資も知的財産権も、何もかも全部自由化して、関税をほとんどなくすというようなものでした。それは、実現すればある種の理想世界ですよね。

 アメリカがこの動きを見ていて、面白いと言って、何年か後の2010年にTPPに入ったのです。ただ、皆、小さな国ですから、アメリカが入るとアメリカ一国で経済規模のシェアを9割ぐらい占めてしまうのですね。これでは仕事にならないので、もっと力のある国に入ってほしいということだったのでしょう。日本に入ってほしいという感じになったのです。


●今が正念場のTPP-日米が合意すれば世界の貿易の歴史が変わる


 しかし、アメリカは、日本に何度も入るよう言っておきながら、入ると今度は向こうの議会がいろいろ言い出しました。アメリカという国は、大統領と連邦議会で成り立っており、大統領は行政のトップですが、決定権は議会にあります。日本よりはるかに議会が強いのです。ですから、いろいろと口を出します。この議会の養豚業関係の議員など、まるでカウボーイさながらに力ずくで押してきて、ホワイトカラーに圧力をかけてくるのです。

 そういうわけで、日本もかなり言われて、交渉にあたった甘利明さんも随分と苦労されたようです。いずれにしても、日本とアメリカが入って全体の9割以上です。中国は様子見で、韓国は関心はあるようですが、まだ参加には至っていません。

 とにかく、日米が合意すれば世界のトレードの歴史は変わります。これはもう明らかに変わる。GATT(General Agreement on Tariffs and Trade関税と貿易に関する一般協定)、WTO(W...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?
トランプ政権の極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視
柿埜真吾
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
養田功一郎
高市政権の進むべき道…可能性と課題(1)高市首相の特長と政治リスク
歴史的圧勝で仕事人・高市首相にのしかかるリスク要因
島田晴雄
国際地域研究へのいざない(1)地域研究の意味とイスラエル研究
なぜ経済学で軽視されてきた「地域研究」が最高の学問なのか
島田晴雄
戦略的資本主義と日本~アメリカの復活に学ぶ5つの提言
戦略的資本主義とは?日本再生へアメリカに学ぶ5つの提言
片瀬裕文
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫

人気の講義ランキングTOP10
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
ウェルビーイングを高めるDE&I(2)人と組織を取り巻く環境変化:後編
なぜ日本の幸福度は低すぎるのか?会社任せで失われる自律性
青島未佳
百姓からみた戦国大名~国家の本質(1)戦国時代の過酷な生存環境
戦国大名と民衆の過酷な課題…飢饉の常態化をどう生き延びるか
黒田基樹
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国(1)ロシアの勢力圏構想とNATO拡大
「ハイブリッド戦争」の実像…ロシアが考えていることとは何か?
廣瀬陽子
イラン戦争と終末論(1)イラン戦争の戦略的背景と米国の政策
なぜイラン戦争がこのタイミングなのか?戦略的背景に迫る
東秀敏
編集部ラジオ2026(14)小宮山宏先生:知識の構造化のために
【10min名作探訪】テンミニッツ・アカデミーの意義と発想法
テンミニッツ・アカデミー編集部
本質から考えるコンプライアンスと内部統制(1)「法令遵守」でリスクは管理できない
「コンプライアンス=法令遵守」ではない…実例が示す本質
國廣正
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
「逆・タイムマシン経営論」で見抜く思考の罠(5)本性主義の経営とコロナ
本性主義の経営――コロナ禍でも人間の本性は変わらない
楠木建