会計検査から見えてくる日本政治の実態
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会計検査から見えてくる日本政治の実態(1)コロナ禍の会計検査
田中弥生(東京大学客員教授/元・会計検査院長)
日本の財政をくまなく検査し、その収入と支出を把握する会計検査院。日本のメディア報道などでは、予算の決定や補助金などの政策決定については詳しく報じられるが、それがどのように実際に使われたかは、ほとんど言及がない。だが、「実際の使われ方」を見ていくと、日本の政治の実態が明々白々になってくる。本シリーズでは、そんな会計検査院の検査から見えてくる日本の政治の「真実の姿」を解説する。今回はまず、会計検査院の幅広い検査項目を紹介しつつ、コロナ禍の「予算の使われ方」の驚くべきあり方と、そこから見えてくる課題を分析する。(全4話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:16分49秒
収録日:2025年4月14日
追加日:2025年7月11日
≪全文≫

●会計検査院から日本の政治を見る


―― 皆さま、こんにちは。

田中 こんにちは。

―― 本日は田中弥生先生に、会計検査院、そこから見える日本の財政について、いろいろと裏側が見えてくるということで、そのお話を伺いたいと思っております。

 田中先生、会計検査院というと、なかなか、イメージがつかない方も多いかと思うのですけれど、実はいろいろ検査していく中で、日本の政治のあり方、ないし財政のあり方の問題点がずいぶん浮き彫りになっているということですよね。

田中 おっしゃる通りです。まず最初におっしゃった、なかなか知られていないというのはおっしゃる通りで、私も大学で授業を持っているのですけれど、3年ぐらい前に「会計検査院を知っている人?」と言うと、誰も手をあげなかったというぐらい、社会的な認知度が低かったのです。ただ、この会計検査院という組織の建て付けというのは、かなり立派なものだと思います。

 この会計検査院というのは、実は憲法上の組織でありまして、憲法90条に記されています。国の収入支出の決算は、全て毎年、会計検査院がこれを検査するということが、この憲法に明記されています。

―― 案外、その予算審議のときは報道も多いですけれど、決算というのはなかなか注目されないですよね。

田中 そうなのです。これはよく報道の方とも議論するのですけれども、たぶんわれわれの思い込みもあって、「国民は予算には関心があるけれど、決算には関心がない」という言い方をよくされるのです。ところが2024年、会計検査院長としてテレビに生出演を何度かしたのですけれど、これは反響は大きいです。

―― そうですよね。

田中 というのは、「国費がどう使われたのか」というのは、教育も然りですし、それから医療だとか、こういったものが身近なところで国費として使われているからサービスとして提供されるわけですから、これは、ぜひ国民の皆さんに知っていただきたいですし、関心が高いところだろうと思います。

―― それでこの講義でもあとでお聞きしますけれど、実は「予算は計上されているのに使われていない」とか、いろいろと問題点が浮かび上がってくるわけですよね。

田中 はい。

―― そのあたりもぜひ聞いてまいりたいと思います。

田中 はい。


●租税から農地まで――現場にも足...


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