変化する日本株式市場とPEファンド
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「会社は道具に過ぎない」米国型、「お家が大事」の日本型
変化する日本株式市場とPEファンド(2)米国型企業と日本型企業の違い
百瀬裕規(ベインキャピタル・ジャパン・LLC共同会長)
「日本の企業は米国型になることを求められている、その動きが加速している」と語る百瀬氏。米国企業と日本企業では、そもそも何が、どのように異なるのだろうか。会社そのものに対する考え方から、利益や配当、借金、先行投資などの経営に対する見方の違い、そしてマーケットからの評価について解説する。(全3話中2話)
時間:8分40秒
収録日:2025年9月4日
追加日:2026年3月16日
≪全文≫

●アメリカの考え方は「会社は生きるための道具に過ぎない」


 これは私の自説なのですが、今までのこの流れがなぜ起きているかをひと言でいいますと、日本企業が米国型になることを要請されている。米国型にならざるを得ないような状況に置かれている。このことから、PEファンドの案件が増えていると私は認識しています。この動きが最近すごく加速しています。それで2025年は、各PEファンドがヒストリカルハイの投資件数になっているかと思います。

 それでは、米国型と日本型のそもそもの違いが何かということを、表の中でご説明していきたいと思います。

 米国型の会社に対する考え方は、会社というものは生きるための道具に過ぎないというものです。ですから、会社に何かを貯めるとか、そういうことを基本的にはしない。会社に資産を持たせる、含み益を持たせる、そういうことはあまりしないという感じです。当然、株主利益を最優先して、余った利益は株主に最優先で配分していくという文化があります。

 ところが、日本の場合は歴史的に、会社(お家)第一という意識がすごく強いのではないかと思います。会社の存続はトッププライオリティだということを公言して憚らない方がたいへん多い。株主利益よりも、会社の不測の事態に対する備えを最優先するという傾向があるのではないかと思います。

 例えば、歴史の事象でいうと赤穂浪士ですね。これは取り潰されたお家の恨みを晴らすために、赤穂浪士が吉良上野介の屋敷に、死を覚悟で討ち入るという事案でした。こういう話を、アメリカの歴史の中で聞いたことはありません。潰されたお家のために恨みを晴らす、命を懸けて恨みを晴らす。お家や会社というものは、ただの道具なので、なくなればなくなっただけの話ということになるのではないかと思うのです。

 ところが、日本はそれ(家、会社)に対する帰属意識がなくなってもまだあるということで、歴史的な位置づけが全然違うのではないかという感じがします。


●つねに不測の事態への備えをしている日本企業


 次に利益配分のところです。利益配分について米国は、狩猟文化ということもあるかもしれませんが、獲った獲物のようなもので、利益はすぐに大部分を配分するという形があるかと思います。総還元性向は75パーセントです。総還元性向については...

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