変化する日本株式市場とPEファンド
この講義シリーズの第1話は
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
「会社は道具に過ぎない」米国型、「お家が大事」の日本型
変化する日本株式市場とPEファンド(2)米国型企業と日本型企業の違い
百瀬裕規(ベインキャピタル・ジャパン・LLC共同会長)
「日本の企業は米国型になることを求められている、その動きが加速している」と語る百瀬氏。米国企業と日本企業では、そもそも何が、どのように異なるのだろうか。会社そのものに対する考え方から、利益や配当、借金、先行投資などの経営に対する見方の違い、そしてマーケットからの評価について解説する。(全3話中2話)
時間:8分40秒
収録日:2025年9月4日
追加日:2026年3月16日
≪全文≫

●アメリカの考え方は「会社は生きるための道具に過ぎない」


 これは私の自説なのですが、今までのこの流れがなぜ起きているかをひと言でいいますと、日本企業が米国型になることを要請されている。米国型にならざるを得ないような状況に置かれている。このことから、PEファンドの案件が増えていると私は認識しています。この動きが最近すごく加速しています。それで2025年は、各PEファンドがヒストリカルハイの投資件数になっているかと思います。

 それでは、米国型と日本型のそもそもの違いが何かということを、表の中でご説明していきたいと思います。

 米国型の会社に対する考え方は、会社というものは生きるための道具に過ぎないというものです。ですから、会社に何かを貯めるとか、そういうことを基本的にはしない。会社に資産を持たせる、含み益を持たせる、そういうことはあまりしないという感じです。当然、株主利益を最優先して、余った利益は株主に最優先で配分していくという文化があります。

 ところが、日本の場合は歴史的に、会社(お家)第一という意識がすごく強いのではないかと思います。会社の存続はトッププライオリティだということを公言して憚らない方がたいへん多い。株主利益よりも、会社の不測の事態に対する備えを最優先するという傾向があるのではないかと思います。

 例えば、歴史の事象でいうと赤穂浪士ですね。これは取り潰されたお家の恨みを晴らすために、赤穂浪士が吉良上野介の屋敷に、死を覚悟で討ち入るという事案でした。こういう話を、アメリカの歴史の中で聞いたことはありません。潰されたお家のために恨みを晴らす、命を懸けて恨みを晴らす。お家や会社というものは、ただの道具なので、なくなればなくなっただけの話ということになるのではないかと思うのです。

 ところが、日本はそれ(家、会社)に対する帰属意識がなくなってもまだあるということで、歴史的な位置づけが全然違うのではないかという感じがします。


●つねに不測の事態への備えをしている日本企業


 次に利益配分のところです。利益配分について米国は、狩猟文化ということもあるかもしれませんが、獲った獲物のようなもので、利益はすぐに大部分を配分するという形があるかと思います。総還元性向は75パーセントです。総還元性向については...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
野獣の経営、家畜の経営(1)経営センスが育つ土壌
ファーストリテイリングで経営者が育つ理由
楠木建
本質から考えるコンプライアンスと内部統制(1)「法令遵守」でリスクは管理できない
「コンプライアンス=法令遵守」ではない…実例が示す本質
國廣正
チームパフォーマンスを高める心理的安全性(1)心理的安全性が注目される理由
なぜ今「心理的安全性」なのか、注目を集める背景に迫る
青島未佳
「ものがたり」のあるコンプライアンス(1)その本質とは
なぜ企業はコンプライアンスの本質から外れてしまうのか?
國廣正
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
認知バイアス~その仕組みと可能性(1)認知バイアス入門
誰もが陥る「認知バイアス」…その例とメカニズム
鈴木宏昭

人気の講義ランキングTOP10
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(3)ヴァイキング招致説とキエフ・ルーシ
ロシアの起源はヴァイキング?…キエフ・ルーシの興亡と、ロシアとウクライナの決定的な「歴史的溝」
上月豊久
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(4)認知症と共生社会の実現に向けた対策
その物忘れ、認知症かも…加齢による物忘れとの違いと一番大事なこと
小川純人
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(4)郡家の発掘と新田山を詠んだ東歌
「東歌」に刻印された奈良時代の真実とは?…地方に気をつかい地方のパワーを取り込んで中央政権はできていた
上野誠
文明語としての日本語の登場(1)古代日本語の復元
なぜ「てふてふ」が蝶々?日本語の変遷を追う…まずは万葉仮名から
釘貫亨
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(14)ポリスと魂の堕落過程〈下〉僭主の末路
僭主制は欲望の奴隷…過度の自由が過度の隷属に転換する
納富信留
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?
トランプ政権の極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視
柿埜真吾