変化する日本株式市場とPEファンド
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いまアクティビストの動きは?…進む「米国化」の現状
変化する日本株式市場とPEファンド(3)米国型への転換を迫られる日本企業
百瀬裕規(ベインキャピタル・ジャパン・LLC共同会長)
日本企業は現在、株式市場で世界の後塵を拝している。その現状を打破するためには、どうすればいいのか。今回はLBOローンを使ったモデルで、資本効率を数字上、改善する仕組みを解説。海外のアクティビストたちの狙いについても触れながら、PEファンドの投資機会が増加している裏側に迫る。(全3話中3話)
時間:12分34秒
収録日:2025年9月4日
追加日:2026年3月17日
≪全文≫

●ネットキャッシュの企業が多い日本


 では、なぜ日本型が株式市場で後塵を拝しているか。この仕組みを、LBOの事例を見ていただきながら考えると分かりやすいと思いますので、進めさせていただければと思います。

 この説明にあたって、用語説明をあらかじめさせていただきます。

 まず、(スライドの上から)2番目のLBOローンのところです。LBOローンとは、M&A対象会社のキャッシュフローを返済原資とするローンです。通常のコーポレートローンに対して負債比率は高いということがいえます。対象会社に余剰資金が生じた場合は、ローンの返済に充当することが求められる。「配当をするな、まずは借金を返せ」ということですね。その代わり、負債比率は高いというローンです。

 次にEBITDAです。これは企業の収益率を示す指標で、利払い前、税引き前、減価償却前の利益です。計算式としては「営業利益+減価償却費」。これがEBITDAです。

 次にEV(エンタープライズ・バリュー)です。これは、対象会社を実際に買収するためにいくら必要になるかを計算するものです。このEVは、「株式価値(上場している場合は時価総額)+ネット有利子負債」から「会社の持っている現金および現金同等物」を引いたもの。これがEVになります。

 それでは、その用語解説を踏まえて、ご説明したいと思います。

 ステップ1を見ていただきますと、創業者が20パーセントを持っている上場企業があったとします。この場合、下のステップ1の指標を見ていただきますと、EBITDAを10億円とさせていただきます。株式価値は、上場していて時価総額が80億円です。純有利子負債はマイナス20億円と書いていますが、有利子負債から持っている現金および現金同等物を引いたものがマイナス20億円ということですから、実質無借金でプラス20億円の資金余剰があるという状態です。

 実は、こういう会社は日本には大変多くあります。東証上場銘柄のネットキャッシュ・ネットデットの比率を書いています。ネットキャッシュとは、先ほどご説明したネット有利子負債がマイナスの会社ですね。いわゆる無借金で余剰現金がある会社です。上場銘柄の61.3パーセントがネットキャッシュです。ネットデットの会...

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