今、求められる経営者像とは?
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今、求められる経営者像とは?
小林喜光(元東京電力ホールディングス株式会社 取締役会長)
今や企業のトップに求められる要件は実に多種多様だ。しかし、三菱ケミカルホールディングス社長・小林喜光氏は、「会社のサイズ、役職のステージによって求められる能力は変わってくる」と語る。経営者に普遍的に求められる要件、さまざまな条件下で変わってくる要件など、複数の視点を交えながらグローバル時代の経営者像を探る。
時間:7分36秒
収録日:2014年9月1日
追加日:2015年4月2日
≪全文≫

●難しくて悩ましい後継者選び


―― 経営者として次の人を選ぶとき、セオリーで選ぶのはやはり非常に難しくなっていますね。

小林 非常に難しくなっていますね。ですから、頭の中の7割か8割はいつも後継者を誰にしようかを考えながら、毎日違う人を考えているというのが、まさに率直な思いです。考えが行ったり来たりしていますね。

―― しかし、変数がすごく増えてきていますよね。

小林 まず時代状況の変化が激しいですし、やはり最終的には、まさにサスティナブルな会社を構築して、それに最も強く臨めるリーダーに足る人間を選ぶしかないではないですか。

 そこで、私心は一切なくして、そもそも長期的に見たこの会社の方向性や時代とのマッチ、時代感性のある人間で、かつ、そこそこの強いリーダーシップを持ってやれる人を選ぶのは、なかなか難しいですね。いや、自分も含めてそれほど簡単ではないですよ、選ぶのは。

―― 小林社長の場合、東大の大学院にいたときに、イスラエル、そして、さらにイタリアのピサの大学に行かれて、当時の時代の中でまるで違う自分の生き方を、世の中の生き方にならう形ではなく決められてきたと言えると思います。小林社長に時代が追いついてきた感じがするのです。

 ですが、これからのリーダーは、やはり早い段階から自分で自分の生き方を決めて、行動まで含めてやっていないと難しいですよね。皆が分かった頃に動いたら、もう事は終わっています。

小林 もう終わっていますよね。でも、逆に自分で決めたことでも成功するかどうか分からないですから。もちろん、動かないことが一番危険だとは思いますが、結局、強いことを二つ三つ持っていて、本当にかたくなにそこを頑張るという人も結果を出していますしね。その辺りを「どちらが良い」というのは、非常に難しいと思います。


●求められる社長のパターンは企業サイズによって異なる


―― しかし、日本の場合は、経営者層をきっちり育ててきたわけでもないですよね。

小林 そう。全く帝王学をやっていませんからね。

 それと、ある大きさによって求められる社長のパターンが違ってくると思うのです。単一の種類の事業で1000億の規模を牛耳っていく社長と、1兆円の会社を牛耳るのに合っている人、というようにです。

 当社の場合、もう4兆円になりますから、4兆円のホールディングの社長と...

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