海外M&A成功の条件
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
なぜ日本は「M&A」が下手になったのか?
海外M&A成功の条件(4)日本におけるM&Aの歴史
日本では第二次世界大戦の折に、国による統制経済化が社会の隅々に浸透したため、民間のM&Aの気運がしぼんでしまった。さらに共同体論的な「日本的経営」の伝統が確立したため、M&Aは「乗っ取り」というネガティブな感情ばかりが強くなり、M&Aが持つ買収のダイナミック・ケイパビリティが、うまく発達しなかった。だがもはや、統制経済型の人がやってうまく行くほど、世界は単純ではなくなった(全5話中第4話)
※インタビュアー:神藏孝之(10MTVオピニオン論説主幹)
時間:9分46秒
収録日:2019年7月2日
追加日:2019年9月17日
≪全文≫

●「乗っ取り」と呼ばれていたM&A


神藏 日本におけるM&A元年は、2005年と言われています。そのあたりの歴史を少しお話しいただけますか。

谷口 株式会社論で非常に碩学の岩井克人先生が、2005年は日本にとってM&A元年だと言われています。この年、ライブドア事件がありました。堀江貴文さんがニッポン放送の株を買った。日本でM&AやM&A用語が非常に浸透する、いいきっかけになったわけです。「コーポレートガバナンス」や「会社は誰のものか」といった話が1つのきっかけになったと思います。

 それ以外にも、ペンタックスがHOYAを買収したり、楽天がTBSに買収を仕掛けたり、あるいは村上ファンドが阪神に仕掛ける、ザ・チルドレンズ・インベストメントが電源開発(Jパワー)の株を大量買い増しするなど、M&Aに関する話題が非常に取り上げられた年が、2005年でした。

 ただ、それ以前に溯る(さかのぼる)と、昔はM&Aは「乗っ取り」と言われていました。城山三郎さんの小説にも『乗取り』という実話をもとにしたものがあります。財閥解体後、三菱の丸ノ内の土地は、陽和不動産と関東不動産か持つことになりますが、これに目を付けた藤綱久二郎という人物が、陽和不動産の株を買い占めるのです。これはまずいということで三菱財閥の長老たちが集まり、買われた株を高値で買い戻します。

 1952年(昭和27)のことで、再び同じような買収や敵対的な乗っ取りが起こらないよう、防御策として株式持ち合いが始まります。株式持ち合いのきっかけとなった事件です。

 その翌年には、ホテルニュージャパン火災事件でも有名な横井英樹さんが、百貨店の白木屋を敵対的買収するという事件がありました。これは途中で頓挫して、最終的に東急の五島慶太さんが白木屋を引き受けて事態は収束しますが、M&Aはすでに「乗っ取り」と言われ、ネガティブに見られていたのです。

 さらに溯ると1889年頃、当時大阪にあった北浜銀行の頭取が、中小企業の多い紡績業の競争力を付けるため、合併させて大きくしようと考えたことがあるようです。そこで行われたのが、M&Aの嚆矢(こうし)と言われています。

神藏 北浜銀行は、そんなことをやっていたのですか。

谷口 そういう話がありました。その後も日本には多数の電力会社が過当競争をやっていた時代があり、そこでもM&Aの歴史があったと思います。

 ただ、大きな流れとして...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
オリエント 東西の戦略史と現代経営論に学ぶ(1)ビジネスのヒントは歴史にあり
『失敗の本質』、中国古典…ビジネスのヒントを歴史に学ぶ
三谷宏治
本質から考えるコンプライアンスと内部統制(1)「法令遵守」でリスクは管理できない
「コンプライアンス=法令遵守」ではない…実例が示す本質
國廣正
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
「逆・タイムマシン経営論」で磨く経営センス(1)人口問題の本質
「逆・タイムマシン経営論」は本質を見抜くための方法論
楠木建
営業から考える企業戦略(1)成功するブランド戦略とは?
ブランド力を高めるために「自社の強み」を徹底的に聞け
田村潤
営業の勝敗、キリンの教訓(1)やる気のない社員になる理由
なぜ「やる気のある社員」が日本では6%しかいないのか?
田村潤

人気の講義ランキングTOP10
本番に向けた「心と身体の整え方」(1)ディテールにこだわる
トップアスリートが実践する「自分の高め方」とは…まず集中のスイッチを入れる方法は?
為末大
「満洲」から考える日本とアジア(9)アヘンの実態と満洲開発
満洲国の開発とアヘン問題…アヘンが資金源となったのは事実だが「同時代の世界」と比較せねば真実はつかめない
宮脇淳子
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(4)認知症と共生社会の実現に向けた対策
その物忘れ、認知症かも…加齢による物忘れとの違いと一番大事なこと
小川純人
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
国家の利益~国益の理論と歴史(3)マキャベリとホッブズによる新「国家」観
マキャベリが禁書にもなった『君主論』で説いた思想とは
小原雅博
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
東横インに学ぶ「女性活躍」の秘策(1)女性支配人が支えるホテル
東横インは97%が女性支配人!女性活躍のきっかけとは
黒田麻衣子
編集部ラジオ2026(35)鶴見太郎先生の公開収録を振り返る
【10min紹介】鶴見太郎先生の公開収録を振り返る・・・お寄せいただいた声
テンミニッツ・アカデミー編集部