安倍首相と祖父・岸信介氏のDNA
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
岸信介の動きを見れば安倍首相の外交が分かる
安倍首相と祖父・岸信介氏のDNA(2)岸氏の影を追う安倍首相
若宮啓文(元朝日新聞主筆)
安倍首相はさまざまな面において岸信介氏の影を追っていると言われる。本編シリーズ第2話では、外交、憲法改正、治安立法、そして歴史認識における安倍総理と岸氏の共通性を指摘し、岸氏から安倍首相に受け継がれるDNAが如何なるものかを解明する。
時間:8分11秒
収録日:2013年11月8日
追加日:2014年2月24日
カテゴリー:

●岸氏の外交を見れば安倍総理の外交が分かる


 安倍晋三総理に見られる岸信介さんのDNAのお話の続きをしたいと思います。

 岸さんは、もともとは非常に大アジア主義の影響を受けた、民族的な意識の強い方で、アメリカと戦争をしたときの閣僚でもあったのですが、総理大臣になる経緯で非常にアメリカとの関係を重視して、日米安保条約の改定にも成功しました。

 岸さんの外交、あるいは安保政策は、今の安倍さんの政策を考える上で、非常に参考になると言いますか、岸さんの存在、岸さんの外交を考えると、安倍さんの外交がよく分かるという気がします。

 岸さんは総理大臣になるとすぐに東南アジアを歴訪します。東南アジアというか、インドから始まって、南アジアをアメリカに行く前に歴訪します。そして、アメリカに行ったあと、残りの国々も歴訪して、ほとんど東南アジアからオーストラリア、ニュージーランドというような国々を訪問するのです。

 これは、岸さんの書き残したものやインタビューでもはっきりしているのですが、なぜそのようなことをしたかというと、もちろん戦争の後始末として南アジアの国々との賠償の問題などを片付けておきたいということがあるのですが、その中で、アジアの頼りになる国はやはり日本なのだと、アジアにしっかりした足場を持つ国として日本を印象付けて、それからアメリカに行かないと、アメリカになめられるという主旨のことを言っています。

 確かにインドなどの国々では、中国や韓国とは少し違って、日本の近代を非常に褒めたたえてくれるということもあって、気分よく回るのですが、その上で安保条約の改定に臨むということをしました。

 実は安倍さんの場合には就任後すぐに行ったのはアメリカでしたけれども、東南アジアを非常に重視して、その後ASEAN諸国をほとんど全部回りました。

 岸さんの東南アジア歴訪の中では、中国という存在が非常に意識されていたわけです。つまり、アジアの中心は日本なのだと言うときに、中国という共産主義勢力に対抗する自由陣営の核は日本なのだという意識だったのです。

 安倍さんもそういう意識が非常に強いと思います。今日、安倍さんはもう少しグローバルな視点で、ロシアであるとか、トルコにも2回も行きましたし、時代の変化を反映して「地球儀を俯瞰する外交」というような言い方で、もう少し広げていますけれども、やは...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
日本でも中国でもない…ラストベルトをつくった張本人は?
島田晴雄
緊急提言・社会保障改革(1)国民負担の軽減は実現するか
国民医療費の膨張と現役世代の巨額の「負担」
猪瀬直樹
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗

人気の講義ランキングTOP10
折口信夫が語った日本文化の核心(1)「まれびと」と日本の「おもてなし」
「まれびと」とは何か?折口信夫が考えた日本文化の根源
上野誠
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(2)MAGAの矛盾と内戦の現状
MAGA内戦勃発…なぜトランプがMAGAの敵になってしまうのか
東秀敏
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境にどう対峙するか…西洋哲学×東洋哲学で問う知的ライブ
津崎良典
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(4)信長の直臣、秀吉の与力としての秀長
最初は信長の直臣として活躍――武闘派・秀長の前半生は?
黒田基樹
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
平和の追求~哲学者たちの構想(1)強力な世界政府?ホッブズの思想
平和の実現を哲学的に追求する…どんな平和でもいいのか?
川出良枝
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
ChatGPT~AIと人間の未来(1)ChatGPTは何ができて、何ができないか
ChatGPTは考えてない?…「AIの回答」の本質とは
西垣通
戦争とディール~米露外交とロシア・ウクライナ戦争の行方
「武器商人」となったアメリカ…ディール至上主義は失敗!?
東秀敏