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憲法改正、アベノミクス…安倍政権の国内政策を評価

2019年激変する世界と日本の針路(13)安倍政権の評価

島田晴雄
慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツTV副座長
概要・テキスト
長期化する安倍政権の政策にどんな点数を付ければいいのか。問題はあるもののアベノミクスはおおむね悪くないと語る島田晴雄氏。対米、対中など対外面を含め、これまでの安倍政権を評価する。(2019年1月28日開催島田塾会長講演「激変する世界と日本の針路」より、全14話中第13話)
時間:07:18
収録日:2019/01/28
追加日:2019/05/21
カテゴリー:
≪全文≫

●安倍政権のレガシーは何か


 今度は、安倍政権に行きます。安倍晋三氏は、自民党総裁選挙に3度勝って、あと3年総裁です。何かとんでもないことが起きなければ、あるいは例えば、2019年7月の参議院選挙で惨敗ということがなければ、安倍氏はあと3年間総理をやるでしょう。

 そうすると、日本の憲政史上最長の総理になります。世界中どこでもそうですが、そういう人が考えることは、レガシー、すなわち国民誰もが覚えている遺産を遺したい、ということです。

 国際的には例えば、吉田茂氏はサンフランシスコ講和条約で、日本を独立国として世界に認めさせたわけです。鳩山一郎氏は日ソ国交回復です。佐藤栄作氏は沖縄返還です。田中角栄氏は日中国交回復です。小泉純一郎氏は日朝平壌宣言で、拉致被害者の一部帰国を実現しています。安倍氏は何をするのでしょうか。国内でいうと、田中氏は列島改造、中曽根氏は国鉄民営化、小泉氏は郵政民有化を成し遂げています。安倍氏は何をするのでしょうか、ということです。


●安倍政権は対米的には普通、対中、対露的には低評価


 安倍氏はやはり国際的には、日米関係や日中関係日露関係があると思います。日米関係は何をするのでしょうか。安倍氏はアメリカでとても評判が高いのです。なぜかというと、上下両院で40分の演説をするというのも恰好良かったけれども、とにかく、アメリカから軍事品を大量に買い付けているからです。それから、安保条約を一部書き換えて、武力でアメリカを助けることができるということを書き込みました。

 もう、アメリカでは大受けなのです。しかし、日米協力の強化、武器輸入の拡大、安保条約の一部改定、武器輸出三原則の見直しというのはレガシーではないと思います。これはルーティンの充実です。

 日中関係はどうでしょうか。田中氏は日中国交を回復しています。付き合いはなかったのですが、2018年は日中平和友好条約締結40周年なので、安倍氏は北京を訪ねました。習近平氏は、さすがに作り笑いをしていましたけれども、新聞記事をずっと洗うと実質的に何もないのです。だから、中国の人は非常にがっかりしています。

 やはり、隣の超大国なのでこれでいいのかという問題があります。本当に心と心が行き交うということは、空海の時代にはできていたので、あり得ると思うのです。福田氏は非常に信頼されており、田中氏は井戸を...
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