2019年激変する世界と日本の針路
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中国経済が抱える構造的な問題とアメリカとの貿易問題
2019年激変する世界と日本の針路(10)中国企業と経済問題
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
中国の経済成長は鈍化し少子化も進行しているので、新たな成長モデルへの転換が求められている。中国では今ITなど新たな企業が台頭してきてはいるが、国内の構造的な問題も山積みである。それに追い打ちをかけるようにアメリカとの貿易問題が中国経済を苦しめる、と島田氏は話す。(2019年1月28日開催島田塾会長講演「激変する世界と日本の針路」より、全14話中第10話)
時間:9分27秒
収録日:2019年1月28日
追加日:2019年5月21日
カテゴリー:
≪全文≫

●中国では経済成長が鈍化したためモデルの転換が必要


 中国は成長が次第に鈍化しています。それは構わないのです。労働力制約によって成長が鈍化するのは当然です。中国は今二重のチャレンジをしています。一つは、鄧小平時代の途上型の発展モデルがもう使えないということです。つまり低賃金で外資を入れて、技術革新で輸出するというモデルです。

 このモデルは、賃金が上がってきてしまったら成り立ちません。今中国では、鄧小平が改革をスタートした頃の20倍ぐらいの給料になっています。国民所得がすでに8,000ドルを超えています。そうなると中国に投資しても、安くありません。むしろ高いのです。ですから、外国にとって中国に投資するのは魅力がなくなってきています。

 高度成長モデルが効かなくなります。そうなると、自主的にイノベーションで技術革新して、生産性を一気に上げなければいけない。日本は1960年代後半から80年代前半までそれをやったのです。だからできました。先進国にもなれました。それはチャレンジでした。しかし、先進国は時間がたつとどこの国も人口が減っていくのです。なんと中国はまだ先進国になっていないのに、人口が減り始めました。二重の重みを抱えているのです。


●中国で新たな世界的IT企業が生まれた


 そこで習近平氏が、鄧小平型の成長ではない、「新常態」の経済で行こうと言いました。つまり「スピードは求めない、量は求めない、内実を整える」というのです。その習近平氏の期待を担うような大発展があります。これはもう深センに行っていただければ分かりますが、シリコンバレーを超える発展といわれています。

 例えば、アメリカが調査したのですが、世界のイノベーション企業50のうち、騰訊控股(テンセント)は12番、華為(ファーウェイ)が45番、レノボが50番となりました。また、世界IT大手10社のうち、中国は4社入っているのです。Google、Amazon、Facebookに次いで、アリババ、テンセント、百度、京東集団が入っています。

 よくアメリカなどで、ファーウェイやアリババなどのハイテク企業は共産党の手先ではないか、といった議論があります。しかしながら、少しこのアリババや、WeChatを手掛けているテンセントなどの会社の歴史をたどってみると全然違います。

 アリババというのは、世間ではジャック・マーといわれている馬雲という人が会長です...

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