2019年激変する世界と日本の針路
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トランプ政権の経済政策が持つリスク
2019年激変する世界と日本の針路(4)世界経済のリスク
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
トランプ大統領の経済政策は経済を急激に加熱させるもので、インフレとスタグフレーションを起こす可能性がある。これを抑えるため金利を上げる必要があるが、金利上昇はドル建て債務国の経済破綻をもたらす可能性がある、と島田晴雄氏は指摘する。(2019年1月28日開催島田塾会長講演「激変する世界と日本の針路」より、全14話中第4話)
時間:8分08秒
収録日:2019年1月28日
追加日:2019年5月15日
カテゴリー:
≪全文≫

●大統領選挙でのロシア疑惑について追及が進んでいる


 トランプ大統領は、マイケル・フリンという補佐官がロシアの大使と少し付き合ったというのを言わなかったという理由で、煙が立っているからと辞めさせました。それで、フリン氏の捜査を止めるように、CIAの長官のジェームズ・コミー氏に圧力を掛けたら、抵抗したのでコミー氏を辞めさせる、ということになったのです。

 2017年5月17日に、ロバート・モラー氏が司法省から特別検察官に任命されました。特別検察官はアメリカの司法制度の中でしっかりと地位が確立されています。形式的に任命するのは大統領ですが、大統領といえども簡単に辞めさせるといったことはできないのです。

 この人はベトナム戦争の勇士で、国民的人気が高く、あまりに立派なFBI長官だったので、8年任期を10年にしてもらったほどです。そしてこの人が着実に調査を進め、さまざまな人の偽証罪が分かってきました。トランプ氏の選挙対策本部長だったり、トランプ氏の女性問題で出てきた話を隠させているマイケル・コーエンという弁護士であったり、フリン補佐官であったりと、すでに身動きが取れないほどの証拠で固めたので、彼らは司法取引に応じました。

 つまりこのままいくとえらいことになるので、取引に応じるということです。そうすると、刑が3分の1ほどになるからです。その代わり、さまざまなことを言います。それが次第に固まってきました。(すでに提出されましたが、)モラー氏の最終報告はどのようなものなのでしょうか。


●トランプ大統領の弾劾はあり得るのか


 そこでトランプ氏が弾劾されるのではないか、大統領を辞めさせられるではないか、という話があります。韓国のパク・クネ氏は大統領を辞めさせられましたが、あのような感じです。

 アメリカは次のような手続きになっています。弾劾の訴追、すなわち「弾劾してください」と提案するのは、下院の機能です。下院において過半数で可決すると、それを上院が受けて、上院での裁判が行われます。最高裁長官が議長にして(議員が陪審員の役割を務め)、1件1件チェックを入れ、3分の2が有罪だということになると、弾劾になるのです。

 2018年11月の中間選挙は、非常に重要な結果となりました。民主党が少数派だったのですが、193議席から41議席増やして234議席と、かなり多数派になりました。こうなると、弾劾訴...

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