2019年激変する世界と日本の針路
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
問題含みの閣僚ばかりが並ぶホワイトハウス
2019年激変する世界と日本の針路(3)恐怖のトランプ政権
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
トランプ政権は予測不能だ。常識派や国際協調派が次々と辞めさせられている。代わった閣僚を見ると、ホワイトハウスというよりブラックハウスではないかと感じてしまう。そもそも問題はトランプ氏が当選した大統領選挙から続いている。ロシアの関与があったことは濃厚である、と島田晴雄氏は指摘する。(2019年1月28日開催島田塾会長講演「激変する世界と日本の針路」より、全14話中第3話)
時間:7分29秒
収録日:2019年1月28日
追加日:2019年5月15日
カテゴリー:
≪全文≫

●予測不能な恐怖で権力を確固たるものにする


 マイケル・ウォルフというベストセラー・ライターが「Fire and Fury(邦題:『火と怒り』)」という本を書きました。さらに過激なのは、ボブ・ウッドワード氏です。厚い立派な「Fear(邦題:『恐怖の男』)」という本を書きました。私は英語で読んだのですが、単語を知らなくても読めるという名文で素晴らしい。今、日本語版も出ています。

 そこに詳しく書いてあるのですが、要するにドナルド・トランプ氏は部下に対して、才能・力量はほとんど見ずに忠誠心だけを評価します。それから、非常に権力信仰です。権力の基本は何かというと、「Fear(恐怖)」だというのです。そして、恐怖はどこからくるかというと、突然決断をする、予測がつかない、どこを向いていて、どこへ食い付いてくるか分からない、その恐怖です。

 ホワイトハウスはその中で、互いの猜疑、裏切り、中傷、権力闘争などにあふれています。この話をどこかの大学の学生さんにしていたら、「ホワイトハウスですか、ブラックハウスですか」という質問がありました。これはナイス・クエスチョンですよね。現状はそのような感じです。


●常識派や国際協調派が次々と追い払われている


 そして、常識派や国際協調派が次々と追い払われています。ゴールドマン・サックスの会長をやっていた優秀な経営者で、ゲイリー・コーンという人がいます。ボブ・ウッドワード氏の本の中に何度も出てくるのですが、トランプ大統領が高率関税を掛けるというので、コーン氏は自由貿易や世界経済について何度もレクチャーするのですが、トランプ大統領は理解せず、また理解しようともしなかったようです。そこで、とうとう高率関税を掛けるというのに付き合っていられないということで辞任しました。

 次はレックス・ティラーソン氏ですが、エクソンモビールの前会長で、世界中に事業所や工場を持っているのです。本当に立派な人なのですが、辞めさせられました。しかし、そのことをどのように知ったのでしょうか。トランプ大統領から直接連絡はありません。Twitterを見たら、飛行機の中で後任者を決めた、とありました。それから1時間後に電話が掛かってきて、「やあ、サンキュー、やめてもらうよ」といわれたそうです。

 けれども、このティラーソン氏も、トランプ大統領の話をしている時、「moronではないか」と言っ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
日本人が知らないアメリカ政治のしくみ(1)アメリカの大統領権限
権限の少ないアメリカ大統領は政治をどう動かしているのか
曽根泰教
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
養田功一郎
為替レートから考える日本の競争力・購買力(1)為替レートと物の値段で見る円の価値
ビッグマック指数から考える実質為替レートと購買力平価
養田功一郎
グローバル環境の変化と日本の課題(1)世界の貿易・投資の構造変化
トランプ大統領を止められるのは?グローバル環境の現在地
石黒憲彦
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
台湾有事を考える(1)中国の核心的利益と太平洋覇権構想
習近平政権の野望とそのカギを握る台湾の地理的条件
島田晴雄

人気の講義ランキングTOP10
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
内側から見たアメリカと日本(7)ジャパン・アズ・ナンバーワンの弊害
ジャパン・アズ・ナンバーワンで満足!?学ばない日本の弊害
島田晴雄
プロジェクトマネジメントの基本(1)国際標準とプロジェクトの定義
プロジェクトマネジメントとは?国際標準から考える特性
大塚有希子
歴史の探り方、活かし方(7)史料の真贋を見極めるために
質疑編…司馬遼太郎の「史料読解」をどう評価する?
中村彰彦
熟睡できる環境・習慣とは(2)酒、コーヒー、ブルーライトは悪者か
ブルーライトは悪者か?近年分かった「第3の眼」との関係
西野精治
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
小原雅博
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
経験学習を促すリーダーシップ(3)成功の再現性と教え上手の指導法
教え上手の指導法に学ぶ!成功の再現性を高める4ステップ
松尾睦
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(1)ポピュリズムの台頭と社会の分断化
デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題
齋藤純一