2019年激変する世界と日本の針路
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オリンピック後に日本経済は崩壊する可能性がある
2019年激変する世界と日本の針路(14)世界恐慌のリスク要因
政治と経済
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
世界経済は成熟して、今後景気は下降していくという。日本経済も東京オリンピック以降、下降していくことは間違いないだろう。今、世界には世界恐慌のトリガーが5つある。現在ではリーマンショックの時と異なり国際協調の動きがないため極めて危険だ、と島田氏は警鐘を鳴らす。(2019年1月28日開催島田塾会長講演「激変する世界と日本の針路」より、全14話中第14話)
時間:11分00秒
収録日:2019年1月28日
追加日:2019年5月21日
カテゴリー:
≪全文≫

●世界経済は成熟し景気下降に


 最後は、世界経済の展望と課題についてです。どういうことかというと総括展望です。今、長期景気が終焉しつつあります。アメリカは10年以上続きました。この夏まで続くとアメリカは歴史上最大の景気になります。日本は、すでにこの1月で日本史上最長の景気になりました。

 ですが長期景気ですから、成熟するのです。成熟とはどういうことでしょうか。経済は、労働力や資本があって動くわけですが、需要がずっと続いてそれを使い切ると労働力が不足してきます。今、現に起きています。日本でも、アメリカでも、ヨーロッパでも、ものすごく労働力不足です。特に日米は非常に不足しています。

 それから、資産、お金が余っていますから、高騰します。それから、経営者がもうそろそろ終わりかなって思い出すと期待成長率が下がってくるのです。リーマンショックが終わってしばらくは、さあこれからだ、といって期待成長率が上がっていたので、一気に上がったということがあります。今はどの経営者に聞いても、これから一気に上がるとは、なかなか言わないと思います。

 したがって少し下がってきます。そうすると、これでは投資が起きません。労働力不足と資産高騰と投資不足で、この景気下降は本物になります。景気が後退するかどうかというのは少し分かりません。だから、緩やかにいけば、つまりソフトランディングで、世界経済は3パーセントぐらいで成長すると言っていますけど、0.5パーセントぐらい下がってなんとかいくでしょう。

 ただしハードランディングすると、とんでもないことが起きるのです。リーマンショックの時がそうでした。さらに悲観的な人は、2019年の夏にクラッシュが起きる、と言っている人もいます。それが、いつ起きてもおかしくないのが、今の状況です。


●オリンピック後に日本経済は崩壊する可能性がある


 日本の場合、オリンピックが終わると、さまざまなことが終わってしまっているので、物価はどっと下がります。1964年の東京オリンピックの時は本当に下がりました。そこに至るまでずっと日本は財政規律をもって赤字国債を一切出さなかったのに、オリンピックで新幹線と高速道路をつくった後ですから、一気に落ちました。とうとう赤字国債を出して、それが今日の日本の財政問題になっているのです。

 今回はそれほどひどくないでしょうが、まず、...

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