2019年激変する世界と日本の針路
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
反EUの極右勢力台頭によるEU崩壊の懸念
2019年激変する世界と日本の針路(8)反EU勢力の台頭
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
フランスのマクロン大統領はEU域内の格差を是正しようと改革に努めている。しかしながらフランス国内から反発が生じている。またイタリア、ギリシャ、ポーランド、ハンガリーなどEU各地で反EUの極右勢力が台頭しておりEU崩壊の懸念もある、と島田氏は語る。(2019年1月28日開催島田塾会長講演「激変する世界と日本の針路」より、全14話中第8話)
時間:6分57秒
収録日:2019年1月28日
追加日:2019年5月21日
カテゴリー:
≪全文≫

●マクロン氏はEU改革を目指している


 エマニュエル・マクロン氏は何をやるというと、国内のことでいえば、公務員削減や財政再建、労働時間の短縮化などです。けれどもマクロン氏が一番やりたいのはヨーロッパの改革なのです。見ているポイントは非常に良く、なぜユーロがあのように駄目かというと、こういうことです。

 ユーロという通貨を十何カ国で共通通貨にしました。ドイツのように生産性の高い国やギリシャやイタリアのように生産性の低い国などがあります。その中間値の通貨を導入したわけです。ドイツから見たらマルクに比べると価値が半分ですから、非常に大量に売れるわけです。

 一方、南の国から見たら、自分たちの国は生産性が低いのにこのような高い通貨を持っていて良いのか、といった感じです。ですから次々と借りてしまいます。そういうことをやるものですから、ユーロが崩壊します。一番重要なのは、通貨を一つにしたら財政を一つにしなければならないことです。

 分かりやすくいうと、日本は円が共通ですが、例えば島根と東京では生産性が大きく異なります。北海道もそうです。もし各国通貨のようなものを導入したら、北海道の円と島根の円は東京の円の10分の1くらいの価値になるかもしれません。

 しかし、共通通貨でなぜやるのかというと、東京から財政支出が向こうに行っているからです。つまり、財政統一しているからです。こういったことをマクロン氏はヨーロッパでやりたいのです。ですから、財政統合とはいわないけれど、ヨーロッパ共通予算をつくり、ヨーロッパ財務大臣をつくるということを一生懸命唱えているのです。

 昔、ヨーロッパという国をつくろうとした人がいました。ジャン・モネという人ですが、大変な理想家で国際連盟の事務局長までやった人です。この人は戦後に戦争のない地域をつくろうとしてEUの創設に尽力したのですが、頑強に反対してつぶした人がいるのです。

 誰かといえば、フランスのシャルル・ド・ゴールです。彼につぶされて今のような設計ミスのユーロになっているのです。ですから、マクロン氏はそれを正したいという悲願があります。そこでメルケル氏も、まあいいのではないか、といったように次第になってきました。


●EU改革がフランス国内の反発を引き起こす


 ところが、次のようなことが起きたのです。マクロン氏はとても成果を挙げました...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
躍進するインドIT産業の可能性と課題(1)下請けから世界の中心へ
インドが世界有数のIT産業の拠点へと発展した理由
島田晴雄
アメリカの理念と本質(1)西洋文明の行き着いた先と三つの建国
アメリカの理念と本質とは?…まず「三つの建国」から原点に迫る
中西輝政
戦略的資本主義と日本~アメリカの復活に学ぶ5つの提言
戦略的資本主義とは?日本再生へアメリカに学ぶ5つの提言
片瀬裕文
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(21)中西輝政先生:アメリカの本質
【10min解説】独立250年、アメリカの理念と本質とは?
テンミニッツ・アカデミー編集部
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(2)三大要素は「皇帝」「都市」「漢字」
中国皇帝の実像は都市ネットワークを握る「最大の資本家」だった
宮脇淳子
日本の財政の真実を検証する(2)なぜ財政危機は起きていないか
なぜ財政危機は起きていないのか…国債の金利のトリックを読み解く
宮本弘曉
アメリカの理念と本質(1)西洋文明の行き着いた先と三つの建国
アメリカの理念と本質とは?…まず「三つの建国」から原点に迫る
中西輝政
老子の神髄(4)生成化育と突破力
生成化育――「自ずと然り」のメッセージと「突破する力」の歓喜
田口佳史
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(1)AIに置き換わる仕事と人間がやる仕事
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か…人間がやるべきこととは?
橋爪大三郎
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
ラカンの精神分析~心の謎を解き明かす(1)精神分析の概念とその起源
なぜ心の病にかかるのか?ラカンの精神分析とその起源
斎藤環