コロナパンデミックと闘う世界と今後の課題
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
新型コロナの影響で米中関係は史上最悪といわれている
コロナパンデミックと闘う世界と今後の課題(11)米中対立の先鋭化とそのリスク
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
新型コロナウイルスの感染拡大は、米中対立を先鋭化させた。中国では強権的な対応によってすぐに感染拡大を抑え、世界各国にその成果を喧伝したが、アメリカはそうした中国の対応に対する非難を強める。また、コロナ対策としてソーシャルディスタンスの確保やロックダウンなどにより需要と供給が収縮している。これにより、世界経済の分断や、医療インフラが十分に整備されていない国での感染爆発などの可能性が考えられる。(全12話中第11話)
時間:9分40秒
収録日:2020年7月16日
追加日:2020年9月5日
≪全文≫

●中国の新型コロナウイルスに対する強権的な対応


 新型コロナウイルスの蔓延によって、3つの大きな変化が起きました。1つ目は米中対立の度合いが悪化の方向へ増幅しました。中国では世界で初めての新型コロナウイルスの感染者が発生しました。アメリカは、中国に対して当初発生した情報を隠していたという批判を行いました。例えば、中国で新型コロナウイルスの感染者が発生したことを李文亮という若い医師がネットで公表しましたが、これを無視しています。李氏はその後、新型コロナウイルスに感染して亡くなっていますが、中国のネット空間では、なぜ李先生の訴えを黙殺したのかという批判が高まり、同時に習近平体制に対する批判も増えました。

 感染が拡大する兆候が見られるようになると、徹底的に武漢という大都市を全封鎖するという荒療治に出ました。1か月半で拡大を抑えましたが、今度はその成果をさまざまな形で世界に喧伝するようになりました。それに加えて、イタリアなどは感染拡大する中でEUからも支援が得られないという状況にありましたが、医療の人材や資材を大量に提供するなどの活動にも乗り出しました。

 また、中国はこのところ、非常に強権的な政治体制になりつつあると思います。例えば2020年7月から施行された香港国家安全法は非常に曖昧な法律ですが、非常に広範囲な発言が対象となります。連行された場合には、DNA検査まで実施されるわけです。さらに、南シナ海の軍事基地化がどんどん進んでいます。さらに、オーストラリアが新型コロナウイルスの発生源をきちんと調査したほうが良いと発言すると、途端に中国は、オーストラリアからの牛肉の輸入を削減してしまいました。こうした外交は、「戦狼外交」といわれています。2017年に大ヒットした『戦狼2』という中国映画がありました。中国の特殊部隊の元隊員が人種差別主義者のアメリカ人の傭兵部隊と闘う大人気の映画です。ポスターには「中国を侮辱するものは根絶する」といった意味のことが書かれており、皆で唱和しているそうです。少し恐ろしいですね。


●アメリカは感染拡大に対する中国とWHOの責任を追及


 一方、アメリカではドナルド・トランプ大統領は「新型コロナウイルスは風邪と変わらない」といって特に対策しませんでした。そのために、最初の6週間が空費されたといわれています。感染症対策にとって非常に重要な時間を浪費し...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
戦争と平和の国際政治(1)「合理性の罠」とインテリジェンス
国際政治の要諦は戦略とインテリジェンス
小原雅博
戦略的資本主義と日本~アメリカの復活に学ぶ5つの提言
戦略的資本主義とは?日本再生へアメリカに学ぶ5つの提言
片瀬裕文
外交とは何か~不戦不敗の要諦を問う(1)著書『外交とは何か』に込めた思い
外交とは何か…いかに軍事・内政と連動し国益を最大化するか
小原雅博
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
戦争とディール~米露外交とロシア・ウクライナ戦争の行方
「武器商人」となったアメリカ…ディール至上主義は失敗!?
東秀敏

人気の講義ランキングTOP10
こどもと学ぶ戦争と平和(2)「本当の平和」とは何か
「平和」には2つある…今の日本は本当に平和なのか?
小原雅博
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
プロジェクトマネジメントの基本(10)大脳生理学によるモチベーション理論
論理的?計画的?社交的?冒険的?利き脳による4タイプ
大塚有希子
これから必要な人材と人材教育とは?(2)AI時代に必要とされる能力
AI時代に必要なのは「問いを立てる能力」…いかに育成するか
柳川範之
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(4)全てをつなぐ密教の世界観
密教の世界観は全宇宙を分割せずに「つないでいく」
鎌田東二
これからの社会・経済の構造変化(2)経済的利益と社会課題解決の両立へ
利益か社会課題解決か…かつての日本企業の美点を取り戻せ
柳川範之
経験学習を促すリーダーシップ(2)経験から学ぶ力
米長邦雄のアンラーニング、弟子の弟子になってV字成長
松尾睦
「進化」への誤解…本当は何か?(3)進化学説史と近代の生物実験
ラマルクの進化論…使えば器官が発達し、それが子に伝わる
長谷川眞理子
おもしろき『法華経』の世界(2)『法華経』と「神道」の共通性
『法華経』と「神道」はアバター!?通底する世界観とは
鎌田東二
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(5)共存・共生のための理性
共生への道…ジョン・ロールズが説く「合理性と道理性」
齋藤純一