コロナパンデミックと闘う世界と今後の課題
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
再感染を防ぐために世界で進められている3つの対策
コロナパンデミックと闘う世界と今後の課題(4)再感染防止への各種対策
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
再感染の拡大を防ぐために、さまざまな対策が各国で取られている。検査体制の拡充や、接触を記録するアプリの開発、新たな治療薬の開発など、さまざまな分野で急ピッチの開発が進められている。とりわけワクチンの開発は非常に重要だが、高い技術力と巨大な資本を持つ先進国の企業しか開発に取り組むことはできない。仮に完成したとしても、本当に必要としている人に行き渡らせる体制を整備することが必要である。(全12話中第4話)
時間:9分40秒
収録日:2020年7月16日
追加日:2020年8月28日
≪全文≫

●各種検査体制を拡充していくことが急務


 このような再感染を防ぐために、大きく分類して3つの対策が取られています。1つは検査体制の整備と拡充です。次に、接触アプリを開発し、広範な利用のために提供することです。最後に、ワクチンとは異なる、治療薬の活用に関しても研究が進んでいます。

 検査体制についてはPCR検査、抗体検査、抗原検査などいくつか種類があります。PCR検査は、体内に新型コロナウイルスの遺伝子が侵入しているかどうかを確認する検査です。世界諸国で実施されています。世界的な傾向としては、国民の全数調査を実施するという方向に向かっているのですが、そうした傾向の中でなぜか日本のPCR検査実施数が極端に少ないという事実が目立ちますよね。

 次に、抗体検査は、かつてこのウイルスに感染したことがあるか調べるものです。ウイルスに感染すると形成される免疫抗体の有無を検査します。アメリカやヨーロッパ、日本など各国で行われています。この検査によって、本当にウイルス感染に対して免疫性があることを証明できるのかという点には疑問が残ります。

 ドイツでは、この抗体を持つ人に、免疫獲得の証明書を発行して、経済活動への参加を許可するという体制を構築する、という議論もあったようです。しかし、WHOは抗体といってもどのウイルスに作用する抗体なのか判然としないのでこの検査にあまり意味はないとして、一貫して利用を控えるように促しています。最近では、新型コロナウイルスに感染した経験があるかを調べられる抗体検査が可能な試薬が開発されたといわれていますが、現段階では不透明です。


●接触アプリの開発と治療薬の開発も今後の感染抑制に有効な対策


 もう一つの対策は接触アプリの開発です。接触アプリは、Bluetoothを用いて近距離で感染者に接触したか分かるようになっています。Bluetoothを用いて接触情報を確認する流れとともに、GPSを用いてスマートフォンの位置情報まで利用するという流れもあるようです。Bluetoothを用いた技術はシンガポールが開発したのですが、日本やオーストラリアもこの方向性で開発を進めています。中国はGPSより高性能な北斗(ベイドウ)という位置測定衛星を宇宙空間で運営しています。中国はアリババやテンセントといった企業がこの技術を用いてアプリを開発しています。インドもその技術を用いているようです。他にも、韓...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
これからの社会・経済の構造変化(1)民主主義と意思決定スピード
フラット化…日本のヒエラルキーや無謬性の原則は遅すぎる
柳川範之
グローバル環境の変化と日本の課題(1)世界の貿易・投資の構造変化
トランプ大統領を止められるのは?グローバル環境の現在地
石黒憲彦
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗
為替レートから考える日本の競争力・購買力(1)為替レートと物の値段で見る円の価値
ビッグマック指数から考える実質為替レートと購買力平価
養田功一郎
戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(1)内戦と組織動乱の構造
カーク暗殺事件、戦争省、ユダヤ問題…米国内戦構造が逆転
東秀敏
日本人が知らないアメリカ政治のしくみ(1)アメリカの大統領権限
権限の少ないアメリカ大統領は政治をどう動かしているのか
曽根泰教

人気の講義ランキングTOP10
AI時代と人間の再定義(4)自分と出会うチャンス
人生はエネルゲイア――AIにない「自分と出会うチャンス」
中島隆博
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(9)秀吉が作った公武統一政権と歴史のif
公武統一政権を作った秀吉の狙いとその歴史的意味
黒田基樹
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
衰退途上国ニッポン~その急所と勝機(1)安いニッポンと急性インフレ
世界で一人負け…「安い国」日本と急性インフレの現実
宮本弘曉
これからの社会・経済の構造変化(1)民主主義と意思決定スピード
フラット化…日本のヒエラルキーや無謬性の原則は遅すぎる
柳川範之
「進化」への誤解…本当は何か?(9)AI時代の人間と科学の関係
科学は嫌われる!? なぜ「物語」のほうが重要視されるのか
長谷川眞理子
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(1)北斎の画狂人生と名作への進化
葛飾北斎と応為…画狂の親娘はいかに傑作へと進化したか
堀口茉純
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(6)曼荼羅の世界と未来のネットワーク
命は光なのだ…曼荼羅を読み解いて見えてくる空海のすごさ
鎌田東二
内側から見たアメリカと日本(4)アメリカ労働史とトランプ支持層
ギャングの代わりに弁護士!? 壮絶なアメリカ労働史の変遷
島田晴雄
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ