コロナパンデミックと闘う世界と今後の課題
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
世界経済は「大封鎖」――大恐慌以来の景気後退もとIMF警告
コロナパンデミックと闘う世界と今後の課題(6)ワクチン開発の長期化とIMFの経済予測
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
コロナウイルスには頻繁に変異が起こりやすいという特徴があるため、このウイルスに対処するためのワクチンを開発・製造するのは非常に難しい。こうした対応の難しさもあり、予期せぬ感染拡大を招き、IMFも景気後退に関して当初の見通しからさらに下方修正を余儀なくされた。今回の騒動によって、大恐慌以来の景気後退に陥る可能性も否定できない。(全12話中第6話)
時間:7分40秒
収録日:2020年7月16日
追加日:2020年8月30日
≪全文≫

●変幻自在に変異していくコロナウイルス


 ウイルスとは、どうやら長期の付き合いになりそうです。ここで、皆さんとウイルスについて復習してみたいと思います。ウイルスは、生物の細胞に感染して増える、非常に小さな構造体です。遺伝子がタンパク質の殻に包まれているものと、そして殻の外側に脂質の膜をまとっているものがあります。脂質性の膜は界面活性剤に弱いので、石鹸を用いた洗浄が効果的です。しかし、ウイルスは非常に微小で、手のしわなどではなく、細胞の中に入っているので、破壊するのはなかなか難しいようです。

 大きさは概ね5000分の1ミリメートル以下です。普通の生物をかたちづくっている細胞よりもとても小さいのです。さらに、自分では増殖できません。したがって、他の生物の細胞に寄生して、その栄養分で増殖していきます。生物は普通細胞分裂を繰り返して成長しますが、コロナウイルスなどのウイルスは細胞を持たないので、生物ではないといわれています。生命体、構造体などと呼ばれています。

 ウイルスにはDNAを遺伝子として持つものと、RNAを遺伝子として持つものがあります。コロナウイルスやエボラウイルス、インフルエンザウイルスは、RNAを遺伝子情報としても持っています。DNAは二重らせんの帯の構造を持っています。二重らせんであるために、一方が壊れた際に複製することができます。そのため、今までに引き継がれてきた情報が失われません。安定と秩序を持って、連綿と次世代に情報を引き継いでいくことができるのです。普通の生物はそのような構造を持っています。人類の起源には諸説ありますが、およそ180万年前に発生したといわれています。対して、ウイルスの起源はおよそ30億年前だそうなので、桁が大きく異なります。ウイルスのほうが大先輩ですよね。

 対して、RNAは遺伝子情報が記載された帯を一本しか持たないため、何かのショックで情報が壊れるとそれを修復することができません。その結果、ざっくりいうと別種に変わってしまうのです。これは変異と呼ばれます。変異したウイルスは感染した細胞の力を借りて、別種のウイルスとして増殖していきます。ウイルスは生物の細胞に侵入して寄生して増殖するので、寄生した生物が死んでしまうとウイルスも消滅します。

 したがって、コロナウイルスの場合でも、人間の細胞に侵入しても感染を受けた人体が無症状感染である限...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
国際地域研究へのいざない(1)地域研究の意味とイスラエル研究
なぜ経済学で軽視されてきた「地域研究」が最高の学問なのか
島田晴雄
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(1)米国の過激化とそのプロセス
トランプ政権と過激化した米国…MAGA内戦、DSAの台頭
東秀敏
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
こどもと学ぶ戦争と平和(1)私たちに必要な想像力と戦争体験
なぜ戦争が起こるのだろう…大切なのは想像力と生の声
小原雅博
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗
会計検査から見えてくる日本政治の実態(1)コロナ禍の会計検査
アベノマスク、ワクチン調達の決算は?驚きの会計検査結果
田中弥生

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(8)10分解説!第二の人生の仕事革命
年金の「働き損」解消時代!第二の人生を充実させる方法とは
テンミニッツ・アカデミー編集部
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(5)SNS社会と「二宮尊徳的」時代の終り
「既読」への不安…SNS社会にみる日本社会の混乱の要因
與那覇潤
『還暦からの底力』に学ぶ人生100年時代の生き方(1)定年制は要らない
仕事をするのに「年齢」は関係ない…不幸を招く定年型思考
出口治明
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
人生100年時代の「ライフシフト概論」(1)人生100年時代のインパクト
80歳まで現役でいるために大切なこと…人生100年時代の発想法
徳岡晃一郎
新撰組と幕末日本の「真実」(8)戊辰戦争~明治期の新撰組の魂
受け継がれる魂…戊辰戦争での奮戦と自由民権運動の情熱
堀口茉純
高市政権の進むべき道…可能性と課題(2)財政戦略3つの問題点
高市政権の財政政策の課題は…ポピュリズム政策をどうする?
島田晴雄
ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む(5)美の裏に潜む恐ろしい側面
恐ろしい日本…常に何者かに見られ、個性が抑圧される社会
賴住光子
知られざる「脳」の仕組み~脳研究の最前線(4)脳の構造と特徴
「脳のしわが多いと頭がいい」は誤解…ヒトの脳の特異点
毛内拡
性はなぜあるのか~進化生物学から見たLGBT(1)有性生殖と無性生殖
なぜ雄と雌の2つの性別があるのか…「性」の謎とLGBT
長谷川眞理子