世界経済の見方とIMFの役割
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
日本経済の強靭性を高めるタイミングは今…必要な戦略は?
世界経済の見方とIMFの役割(6)これからの世界経済と日本経済への視座
田中琢二(元・国際通貨基金(IMF)日本代表理事)
パンデミックに始まり、金融のタイト化、大幅な金融緩和、地政学的リスクの増大と、わずかの期間に世界経済は激しい波に晒されている。デフレ懸念がインフレ懸念に逆転すると、その圧力はさらに強まっている。また、ウクライナ戦争はいつ終結するのか、新たな経済リスクは発生しないのか、なども大事なポイントである。最終話では、はじめにこれからの世界経済への視座として大事な5つのポイントを挙げ、IMFが取り組む具体的な課題を解説。最後に、これからの日本経済に対する視座を列挙し、強靭性を高めるための提言を行って本講座を締めくくる。(全6話中第6話)
時間:13分28秒
収録日:2023年1月11日
追加日:2023年3月9日
≪全文≫

●今後の世界経済を理解するための重要ポイント


 これからの世界経済、IMF、そして日本経済の今後をどのような視点で捉えていくといいのか、お話をしていきたいと思います。

 この図にあります通り、2022年10月時点では、IMFは2023年の(世界全体の)成長率見通しを2.7パーセントと見ていることを頭に入れておいてください。

 そして次に、図表にあります通り、世界経済への視座には、5つのポイントが大事になると思います。

 2023年の世界経済のマクロ動向を見ると、IMFが2022年秋に予測した2023年の2.7パーセント成長はさらに下方に修正される可能性が高く、米国、中国、欧州ともに経済の伸びは低迷するだろうと予想されます。その背景には、インフレの持続による実質経済成長の押し下げや、各国中央銀行による金利の引き上げに伴う需要の減退、さらには国・企業・家計ベースにおける債務負担の増加が挙げられるでしょう。特に米国と欧州では金融政策の判断が注目されます。中国については、断続的なパンデミックの流行と不動産市場の悪化により、成長モメンタムは依然として弱いと考えられます。

 2023年にはインフレがピークを迎え、金利を引き下げる余地が生まれるとの市場の見方がある一方で、インフレを徹底的に抑えることこそが最大の課題であり、そのためには金利の引き上げの継続、あるいは引き上げた金利を一定期間継続することが重要だという欧米の金融当局との見方があり、今のところこの両者の乖離は埋まっていないようです。

 次のポイントは、世界的な地政学的リスクの高まりに伴う分断の圧力が高まり、数十年にわたるグローバル化の進展から得られた成果の一部が失われる可能性があるということです。この点については現在、世界でさまざまな議論が戦わされています。

 例えば、ユーラシア・グループのイアン・ブレマー氏は、「グローバリゼーションは後退してはいるものの、経済統合の終焉というより、世界は地政学的リスクに直面し、グローバリゼーションは漂流しているのである。1970年代から2008年の世界金融危機まで続いた『ハイパー・グローバリゼーション』の時代は、覇権国である米国が貿易自由化と世界統合のプロセスをトップダウンで推進した、歴史的に見ても特異な出来事であったが、そ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
日本の財政政策の効果を評価する(1)「高齢化」による効果の低下
高齢化で財政政策の有効性が低下…財政乗数に与える影響
宮本弘曉
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(1)米国の過激化とそのプロセス
トランプ政権と過激化した米国…MAGA内戦、DSAの台頭
東秀敏
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗
為替レートから考える日本の競争力・購買力(1)為替レートと物の値段で見る円の価値
ビッグマック指数から考える実質為替レートと購買力平価
養田功一郎
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
養田功一郎
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄

人気の講義ランキングTOP10
逆境に対峙する哲学(9)先人の知恵という友
本居宣長も白隠もハイデガーも友となる――大切なのは?
津崎良典
「進化」への誤解…本当は何か?(4)ダーウィンの進化論と自然淘汰の理論
『種の起源』…ダーウィンとウォレスの自然淘汰の理論
長谷川眞理子
「幸福とは何か」を考えてみよう(1)なぜ幸せになりたいのですか
「幸福」について語り合う「哲学カフェ」を再現
津崎良典
歌舞伎はスゴイ(2)市川團十郎の何がスゴイか(後編)
歌舞伎十八番を定めた七代目市川團十郎、一番モテた八代目
堀口茉純
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(6)秀吉との信頼関係と秀長の軍事能力
文武両道の名将…大大名たちを魅了した秀長の器量とは?
黒田基樹
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
「徳」から生まれる「感謝の人間関係」
「徳」の本質とは「自己の最善を他者に尽くしきる」こと
田口佳史
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(1)米国の過激化とそのプロセス
トランプ政権と過激化した米国…MAGA内戦、DSAの台頭
東秀敏
平和の追求~哲学者たちの構想(1)強力な世界政府?ホッブズの思想
平和の実現を哲学的に追求する…どんな平和でもいいのか?
川出良枝
戦略的資本主義と日本~アメリカの復活に学ぶ5つの提言
戦略的資本主義とは?日本再生へアメリカに学ぶ5つの提言
片瀬裕文