世界経済の見方とIMFの役割
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
IMFの支援なしに再生なし――世界経済を支える3つの機能
世界経済の見方とIMFの役割(5)IMFの歴史と世界経済を支える機能
田中琢二(元・国際通貨基金(IMF)日本代表理事)
現在のグローバル経済において、IMFの役割はますます重要になっている。では世界経済を陰で支えるIMFは何を目的にして、どのように生まれたのか。これまでに中南米や欧州、そして東アジアに発生した世界的な経済危機は、IMFの支援なしには再生できなかったことは論を俟たない。そこで今回はIMFの歴史と組織内部について解説する。(全6話中第5話)
時間:16分21秒
収録日:2023年1月11日
追加日:2023年3月2日
≪全文≫

●世界経済でIMFが担う役割


 前回までは、2020年から2022年までの世界経済がどのような動きになってきたのかを話してきました。2020年の危機にあたり経済活動が著しく停滞し、デフレになるかもしれないという状況から、各国のあらゆる財政金融政策の総動員の成果もあり、世界経済はどん底を脱し、今度はインフレ傾向になるという動きを示しています。

 この間、私は2022年の夏までワシントンにおりまして、IMFが果たすべき役割を考え実行してきました。実は、IMFが世界経済危機にあたって果たした役割は、大変大きいものがありました。しかし、その実像はあまり日本の皆さんに伝わっていないということを、2022年夏にワシントンから帰国して知りました。

「IMFと世界経済危機とは何の関係があるの?」「この世界的な経済危機にIMFはどんな役割を果たしたの?」「何をIMFがしてきたの?」という疑問の声も聞こえるようです。

 まず、世界経済危機でどのようなことをしたかを述べる前に、そもそもIMFとはどのような組織で、どういう機能があるのかを、今回の時間を使って説明します。

 早速ですが下の図表を見てください。

 1944年7月、ニューハンプシャーのブレトンウッズのホテルで、連合国44カ国の代表が、世界の大恐慌と第2次世界大戦を引き起こした過ちの回避を目指して、世界的な協力のもとに新しい経済秩序を構築するための会議を開催しました。

 国際通貨協力の推進、貿易の拡大と経済成長の支援、繁栄を阻害する政策の阻止という重要な使命を、新しく作るIMF(国際通貨基金)に与えることを決めました。IMFとは、IMF協定という外交上の条約に基づいて設立されている国際機関です。協定の第1条には、国際金融の安定、国際通貨協力を推進するとともに、国際貿易や雇用、実質所得の促進、生産資源の開発及び為替の安定等、目的を規定しています。

 1945年12月に設立され、ワシントンDCのホワイトハウスの近くに世界銀行と並んで本部があります。1945年当時、40カ国からスタートしたIMFは、2022年12月末現在、加盟国は190カ国となっています。大臣級の総務会のもとに、24名の理事からなる理事会が基本的施策を決定します。出資比率に応じた投票権を有し、日本は米国に次いで第2位の出資国です。

 初の大型融資案件になったのは、1956年のスエズ危機でし...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
プーチンのロシア―その思想と戦略―(1)プーチン政治の特徴
ロシア皇帝のように悪者を叱る人…プーチンの思想と歴史観
山添博史
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
躍進するインドIT産業の可能性と課題(1)下請けから世界の中心へ
インドが世界有数のIT産業の拠点へと発展した理由
島田晴雄
資産運用の思考法…経済や市場の動きをどう読むか
市場予測のポイント…短期・中期・長期の視点と歴史的洞察
養田功一郎
日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(1)電動化で起こる「カンブリア爆発」
日本のエネルギー政策を「デジタル戦略」で大転換しよう
岡本浩

人気の講義ランキングTOP10
昭和の名将・根本博…台湾での恩義の戦い(5)1人の力で歴史を変えた男たち
大義にもとづく「個人の決断と行動」が歴史を動かす…名将の教訓
門田隆将
宮沢賢治『銀河鉄道の夜』を読む(1)あらすじと賢治の原稿
未完の長編『銀河鉄道の夜』の魅力と宮沢賢治の思想に迫る
鎌田東二
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
昭和の名将・根本博…内蒙古・終戦後の戦い(1)軍人の本義を貫いた根本博中将
ソ連軍から在留日本人4万人を守れ…内蒙古での「戦後」の激闘
門田隆将
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(6)東條内閣で行われた行政改革
悲惨な末路につながった東條英機内閣での兼職と省庁再編
片山杜秀
戦前日本の「未完のファシズム」と現代(1)シラス論と日本の政治
独裁ができない戦前日本…大日本帝国憲法とシラスの論理
片山杜秀
資本主義の再定義…哲学で考える(4)共感としての見えざる手
利とは、義の和である…なぜ道徳的なふるまいが企業活動に重要か
中島隆博
死と宗教~教養としての「死の講義」(5)仏教の死:日本編
極楽往生、坐禅、法華経…日本人はいかに死を乗り越えるか
橋爪大三郎
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将