高齢化と財政危機~その解決策とは
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
日本の経済発展には外国企業を受け入れることが必要
高齢化と財政危機~その解決策とは(22)日本経済の活力低下
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)

講義一覧を見る▼
日本経済は近年、活力低下状態に陥っている。企業行動は積極性を欠き、社内留保はGDPに匹敵する規模だ。企業の官僚性も起業家精神を阻害している。とりわけ、外国企業を受け入れようとしない日本経済の体質が経済発展を妨げていると、公立大学法人首都大学東京理事長の島田晴雄氏は論じる。(全24話中第22話)
時間:8分14秒
収録日:2017年10月5日
追加日:2017年12月18日
≪全文≫

●もっと本格的に人的資源と自然資源を活用すべきだ


 これまでは分配の話でした。最後に、パイを増やすためには何が可能なのかということについて、お話しします。パイを増やすには、日本経済をイノベーションして、活力を増やす以外にありません。アベノミクスの成長戦略は、少なく見ても何十項目があり、多く分ければ2,000や3,000の項目がある、立派な政策パッケージです。成長戦略は2、3年で結果が出るようなものではなく、たいてい10年ほどは様子を見る必要があります。

 ここでは、アベノミクスの成長戦略では捉えきれていない側面を指摘しましょう。日本は、もっと本格的に人的資源と自然資源を活用するべきなのです。


●日本の企業は、まだバブル期の後遺症を引きずっている


 その前段階として、最近の日本経済がさまざまな面で著しい活力低下に陥っているということを、認識しなければいけません。とりわけその原因は、企業行動の変化です。日本の企業行動には、積極姿勢が本当に欠けています。守りの姿勢になっていて、投資が低迷しているのです。日本には潜在的な投資可能性がたくさんあるにもかかわらず、それを積極的に発掘しようとする試みが不足しています。その代わりに、社内留保が蓄積する一方です。

 確かに、バブルの崩壊後、バランスシート不況を乗り切るべく、企業活動を縮小し、借金返済に全力を注いできたということは理解できます。しかし、その時代はもう終わりました。終わってすでに20年もたとうとするのに、まだバブル期の後遺症を引きずっているのです。


●起業家精神を持った人が、企業に入ってこなくなった


 実際、社内留保は今やGDPに匹敵する規模です。それほど社内留保して、一体何に使うというのでしょうか。経営者の消極姿勢が目立ちます。非常に保守的になってきているのです。これはデフレ時代の後遺症だけでは説明がつきません。

 しかも、経営者層がどんどん高齢化しています。もちろん、高齢だから悪いというわけではなく、問題は精神です。どうも、高度成長時代の成功体験が残像として残っているようなのです。しかし、高度成長時代は40年前に終わりました。残像にすがるのはやめてもらいたい。

 アントレプレナーシップ、起業家精神も消えてしまったように思われます。松下幸之助氏や本田宗一郎氏は、起業家精神をもって、日本をここまでに引き上げてくれ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
為替レートから考える日本の競争力・購買力(1)為替レートと物の値段で見る円の価値
ビッグマック指数から考える実質為替レートと購買力平価
養田功一郎
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(1)米国の過激化とそのプロセス
MAGA内戦、DSAの台頭…過激化が完了した米国の現在地
東秀敏
戦略的資本主義と日本~アメリカの復活に学ぶ5つの提言
戦略的資本主義とは?日本再生へアメリカに学ぶ5つの提言
片瀬裕文
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗

人気の講義ランキングTOP10
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(6)秀吉との信頼関係と秀長の軍事能力
文武両道の名将…秀吉に怒られなかったのは秀長と家康だけ
黒田基樹
「次世代地熱発電」の可能性~地熱革命が拓く未来
地熱革命が世界を変える――次世代地熱の可能性に迫る
片瀬裕文
逆境に対峙する哲学(8)白隠の覚悟
宮本武蔵「型を捨てろ」と「守破離」が教えてくれること
津崎良典
戦略的資本主義と日本~アメリカの復活に学ぶ5つの提言
戦略的資本主義とは?日本再生へアメリカに学ぶ5つの提言
片瀬裕文
新しい循環文明への道(1)採掘文明から循環文明へ
2026年頭所感~循環文明の「三つの柱」…いよいよ実現へ
小宮山宏
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
なぜ働いていると本が読めなくなるのか問答(1)読書と教養からみた日本の近現代史
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』で追う近現代史
三宅香帆
熟睡できる環境・習慣とは(1)熟睡のための条件と認知行動療法
熟睡のために――自分にあった「理想的睡眠」の見つけ方
西野精治
健診結果から考える健康管理・新5カ条(2)健診結果はダルマ落としでアプローチ
バラバラ事件!? 検査項目をバラバラに見てはいけない
野口緑
ヒトは共同保育~生物学から考える子育て(2)ヒトの子育てと脳の関係
チンパンジーは乱婚、ヒトは夫婦…人間の特殊性と複雑性
長谷川眞理子