高齢化と財政危機~その解決策とは
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
安倍首相は目先の選挙よりも財政健全化を推進すべき
高齢化と財政危機~その解決策とは(7)増税と年金制度改革の先送り
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)

講義一覧を見る▼
安倍晋三政権は増税を先送りし、年金改革にも本格的に取り組んでこなかった。増税は国民に不人気だが、増税を延期して経済が良くなる保証はなく、むしろ負担は拡大する。国の将来や次世代のことよりも目先の選挙が優先され、財政健全化目標が後退しているのではないかと、公立大学法人首都大学東京理事長・島田晴雄氏は指摘する。(全24話中第7話)
時間:8分53秒
収録日:2017年9月27日
追加日:2017年11月6日
≪全文≫

●1丁目1番地でやるべき本格対応は、財政再建だ


 前回、安倍晋三政権のアベノミクスの展望を見ましたが、ここではより根本的な問題について、考えてみようと思います。財政危機のリスクが次第に近づいてきていることを考えると、とにかく1丁目1番地でやるべき本格対応は、財政再建です。

 財政再建の基本戦略は、増税、歳出削減、経済成長です。歳出削減は、頑張っても数兆円程度にとどまるでしょう。経済成長は時間のかかることですが、意味がないわけではありません。これらを組み合わせても、やはり一番力のあるのは増税です。

 安倍政権は増税の機会をどんどんと先送りして、好機を逸しています。社会保障改革にもほとんど踏み込んでいません。財政危機が近づいているのは誰が見ても明らかなのに、それへの正攻法である増税を基本にした財政再建に、なぜ本格的に取り組まないのでしょうか。


●増税を延期して経済が良くなる保証はどこにもない


 2011年に、当時の日本政府が増税について国際公約をしました。財政規律を回復して、税の直間比率を是正するという趣旨です。つまり、直接税だと、働いている人が負担をもっぱら背負いますので、間接税にして国民全部が負担するようにするという公約です。これは全く当然のことです。

 2012年に民主党、自民党、公明党の間で3党合意がなされ、2014年4月に消費税率を5パーセントから8パーセントへ、そして2015年10月には10パーセントに上げることになりました。

 実際、2014年4月、安倍政権の下で消費税は8パーセントに上がりました。消費増税のアナウンスメント効果によって、駆け込み需要が殺到しました。直前3カ月のGDP比は、年率で4.9パーセントも急騰しています。しかし、上げた直後の4-6月期には、反動減でマイナス7.1パーセントに下落し、その後、消費は低迷して、経済は浮揚しませんでした。消費税には、大変大きな負の効果があるということで、おそらく安倍政権にとって、非常に強いトラウマになったのではないかと思います。

 ただし、専門家の見解は違います。2015年10月に予定されていた消費税10パーセントの引き上げが延期されたことについて、批判的な見方が多数ありました。国内の有力な経済学者だけでなく、IMF(国際通貨基金)のクリスティーヌ・ラガルド専務理事のコメントが代表的ですが海外からも増税はやるべきだという声が聞かれました...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
米国派経済学の礎…ハミルトンとクレイ(1)ハミルトンの経済プログラム
フェデラリスト・ハミルトンの経済プログラム「4つの柱」
東秀敏
財政問題の本質を考える(1)「国の借金」の歴史と内訳
いつから日本は慢性的な借金依存の財政体質になったのか
岡本薫明
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?
トランプ政権の極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視
柿埜真吾
為替レートから考える日本の競争力・購買力(1)為替レートと物の値段で見る円の価値
ビッグマック指数から考える実質為替レートと購買力平価
養田功一郎

人気の講義ランキングTOP10
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(1)AIに置き換わる仕事と人間がやる仕事
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か…人間がやるべきこととは?
橋爪大三郎
編集部ラジオ2026(17)「過剰な良かれ」の落とし穴
【10minで考える】巨人・阿部監督の辞任と「過剰な良かれ」
テンミニッツ・アカデミー編集部
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(7)AI時代にどう備えるか
認知症患者がAIと一緒に懐メロを歌う…AI活用の可能性ある分野
宮本弘曉
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
ウェルビーイングを高めるDE&I(5)心理的安全性の高い組織づくり
無知、無能、邪魔!?…心理的安全性を阻害する5つの要因
青島未佳
チームパフォーマンスを高める心理的安全性(1)心理的安全性が注目される理由
なぜ今「心理的安全性」なのか、注目を集める背景に迫る
青島未佳
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(5)AIに記号接地は可能か
人間とAIの本質的な違いは?記号接地から迫る理解の本質
今井むつみ
Microsoft Copilot~AIで仕事はどう変わるか(1)「生成AI」の画期性
「生成AI」実装の衝撃…人工知能の歴史と特長
渡辺宣彦
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
老荘思想に学ぶ(3)「過度」を戒める「道」の思想
実力、実質を伴わずにやり過ぎるのは愚の骨頂である
田口佳史