高齢化と財政危機~その解決策とは
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
破綻に向かっている日本経済の実情
高齢化と財政危機~その解決策とは(2)社会保障と財政、2つのワニの口
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)

講義一覧を見る▼
一般政府総債務1,296兆円を抱え、財政赤字、GDP比債務残高、ともに主要国の中で最下位に位置する日本。その原因は、バブル崩壊後の失われた20年に広がった、社会保障と財政のメガトレンドにあった。しかし、公立大学法人首都大学東京理事長・島田晴雄氏によれば、政府の財政再建目標到達への意欲は近年陰りを見せつつある。(全24話中第2話)
時間:14分06秒
収録日:2017年9月27日
追加日:2017年10月20日
≪全文≫

●太平洋戦争直後の政府債務残高よりも、現在の方がはるかに高い


 破綻に向かっている、日本経済の実情を直視することから始めましょう。いきなり深刻なデータを見ていただきます。現在の日本の政府債務残高のGDP比は、およそ229.6パーセントです。公的債務には色々な定義があり、これは少なめの数字になっています。これから皆さんと一緒に考えていく一般政府総債務は、およそ242パーセントあります。いずれにしても、大変高いところへ来ているわけです。

 1945年、太平洋戦争直後のGDP比での政府債務よりも、現在の方がはるかに高くなっています。当時は焼け野原で、統計がしっかりしておらず、およそ205パーセント程度だったといわれています。ところが今や、およそ242パーセントにまで膨れ上がってきました。

 戦前の時期を見れば、戦争するごとに債務残高GDP比が上がっているのが分かります。戦争のたびに、戦費調達で政府債務が増えるからです。日露戦争でどんと増えていますが、やはり一番大きかったのは太平洋戦争です。ここで急激に増えてしまいました。戦費の大半は、当然、国民から調達したものです。

 敗戦後の日本は、米軍の徹底的な爆撃のために、本土が完膚なきまでに破壊された状態でした。その状態の政府債務残高を上回る、今日の政府債務の大きさに注目する必要があります。


●一般政府総債務は1,296兆円、GDP比の243.7パーセント


 現在の日本経済は、世界第3位のGDPを誇っています。その分母に対して、政府債務残高が242パーセントにも及んでいるのです。この大きさは、大変深刻です。それだけの負債の返却はかなり困難ですし、市場が返済困難と判断すれば、公債価格は大きく下落するでしょう。しかも、そのリスクは極めて高いことが示唆されています。

 どのぐらいの債務なのか、その実態について、数字を実際に見てみると、2017年10月現在、政府が掌握している最新の数字は、2015年度末のものです。一般政府総債務は、1,296兆円あります。これは531兆円のGDPに対して、243.7パーセントに当たります。

 実は公的債務といっても、いろんな定義があります。主なものを挙げても3つあります。第1に一般政府総債務で、1,296兆円です。その内訳は、国債が850兆円、地方債務が222兆円、国庫短期証券が120兆円、借入金等が77兆円となっています。第2に、国と地方の長期債務残高で、1,093兆円で...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
台湾有事を考える(1)中国の核心的利益と太平洋覇権構想
習近平政権の野望とそのカギを握る台湾の地理的条件
島田晴雄
財政問題の本質を考える(1)「国の借金」の歴史と内訳
いつから日本は慢性的な借金依存の財政体質になったのか
岡本薫明
これからの社会・経済の構造変化(1)民主主義と意思決定スピード
フラット化…日本のヒエラルキーや無謬性の原則は遅すぎる
柳川範之
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄
戦略的資本主義と日本~アメリカの復活に学ぶ5つの提言
戦略的資本主義とは?日本再生へアメリカに学ぶ5つの提言
片瀬裕文

人気の講義ランキングTOP10
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(9)秀吉が作った公武統一政権と歴史のif
公武統一政権を作った秀吉の狙いとその歴史的意味
黒田基樹
AI時代と人間の再定義(4)自分と出会うチャンス
人生はエネルゲイア――AIにない「自分と出会うチャンス」
中島隆博
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
衰退途上国ニッポン~その急所と勝機(1)安いニッポンと急性インフレ
世界で一人負け…「安い国」日本と急性インフレの現実
宮本弘曉
これからの社会・経済の構造変化(1)民主主義と意思決定スピード
フラット化…日本のヒエラルキーや無謬性の原則は遅すぎる
柳川範之
「進化」への誤解…本当は何か?(7)進歩思想としての進化論と社会進化論
適者生存ではない…進化論とスペンサーの社会進化論は別物
長谷川眞理子
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(1)史上最大の問題作
全米TOP10大学の必読書1位が『ポリテイア(国家)』
納富信留
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
「次世代地熱発電」の可能性~地熱革命が拓く未来
地熱革命が世界を変える――次世代地熱の可能性に迫る
片瀬裕文
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境にどう対峙するか…西洋哲学×東洋哲学で問う知的ライブ
津崎良典