高齢化と財政危機~その解決策とは
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
新しい社会保障制度には子育て・教育・雇用を組み込むべき
高齢化と財政危機~その解決策とは(20)新時代の社会保障政策のビジョン
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)

講義一覧を見る▼
これまでの社会保障は、大幅な社会構造の変化に伴い、すでに機能を停止している。これからの新しい社会保障制度には、年金・医療・介護に加えて、子育て・教育・雇用を組み込んでいかなければならないと、公立大学法人首都大学東京理事長の島田晴雄氏は主張する。新時代の社会保障制度のビジョンとはどのようなものなのか。(全24話中第20話)
時間:14分33秒
収録日:2017年10月5日
追加日:2017年12月16日
≪全文≫

●子育て・教育・雇用を社会保障に組み込むべき時代が来た


 これまでの年金、医療、失業保険、生活保護といった社会保障制度は、すでに機能停止しています。このままでは日本社会が成り立たなくなってしまうでしょう。これまでとは全く違う社会保障を考える必要があります。

 2013年8月に、社会保障制度改革国民会議が最終報告を出しました。第18代慶應義塾長で経済学者の清家篤氏が会長を務めていました。最終報告書は無難な内容になっていますが、それでも清家会長の意思が貫徹しており、今までになかったことが主張されています。年金・医療・介護の他に、子育て・教育・雇用を社会保障に組み込むべき時代が来たというのです。これは清家氏の強烈な自説ですが、私は非常に適切な見解だと思います。


●潜在的待機児童は数十万人にも上る


 まず育児について考えましょう。今や、もっぱら育児に時間を費やす専業主婦は、主婦の中でも3分の1しかいません。多くの主婦は、何らかの仕事で所得を得ないと、生活を維持できなくなっています。仕事をしている時間に育児を支える保育や放課後の見守りといった、社会的なサービスがなければ、子育て中の世帯を支えることができない社会になってしまいました。

 特に放課後の見守りは、ものすごく重要です。保育園に入れておけば目が届きますが、小学校低学年は午後2時くらいには授業が終わってしまいます。親が帰ってくるまでの間に、交通事故や犯罪に巻き込まれるのではないかと、親は気が気ではありません。昔は、近所に雷おやじなどがいて、面倒を見てくれましたが、今の日本にそんな人はいません。社会として子どもの面倒を見なければいけません。しかし、こうした視点が日本の社会保障には全く欠落してきました。

 現在、保育園の拡充が政策的に行われています。しかし、拡充しても拡充しても、なお数万人の待機児童がいるというのです。専門家によれば、潜在的待機児童は数十万人にも上る可能性があります。現在、新生児は年間でおよそ100万人です。保育にかかる年代は、生後3年間です。したがって、要保育の子どもは300万人ほどいることになります。そのうち1割か2割の子どもたちは、保育所に入れないという状況なのです。潜在的待機児童を解消できるほど、十分に保育施設をつくる必要があります。


●子どもの相対的貧困率は16パーセント


 次に、教育です。...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
経済社会と「隠れた価値」の行方(1)経済の中の価値
人間の幸福と「価値」…お金以外の「隠れた価値」をどう考えるか
吉川洋
アメリカの理念と本質(1)西洋文明の行き着いた先と三つの建国
アメリカの理念と本質とは?…まず「三つの建国」から原点に迫る
中西輝政
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗
第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?
トランプ政権の極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視
柿埜真吾
日本を復活させる国家戦略(1)戦後の復興戦略と日本経済の凋落
「所得倍増」はなぜ成功したか…日本経済の回復のヒント
島田晴雄
クライン『ショック・ドクトリン』の真実(1)ショック・ドクトリンとは何か
100分de名著!?『ショック・ドクトリン』驚愕の印象操作
柿埜真吾

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(35)鶴見太郎先生の公開収録を振り返る
【10min紹介】鶴見太郎先生の公開収録を振り返る・・・お寄せいただいた声
テンミニッツ・アカデミー編集部
本番に向けた「心と身体の整え方」(1)ディテールにこだわる
トップアスリートが実践する「自分の高め方」とは…まず集中のスイッチを入れる方法は?
為末大
「満洲」から考える日本とアジア(9)アヘンの実態と満洲開発
満洲国の開発とアヘン問題…アヘンが資金源となったのは事実だが「同時代の世界」と比較せねば真実はつかめない
宮脇淳子
50代からの親の介護~その課題と準備(2)マネジメントとしての介護
介護を「プロジェクト」と捉え、マネジャーに徹すべし
太田差惠子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(1)老年病科と高齢者の疾患・病態の特徴
頻尿、低栄養、転倒、誤嚥、フレイル…増える老年症候群と高齢者の疾患・病態の特徴
小川純人
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(1)史上最大の問題作
全米TOP10大学の必読書1位が『ポリテイア(国家)』
納富信留
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎