お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
このように投資にお金を回せば、社会課題も解決できる
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(6)日本の課題解決にお金を回す
養田功一郎(元三井住友DSアセットマネジメント執行役員/YODA LAB代表/金融・経済・歴史研究者)
国内でいかにお金を生み、循環させるべきか。既存の大量資金を社会課題解決に向けて循環させるための方策はあるのか。日本の財政・金融政策を振り返りつつ、産業育成や教育投資、助け合う金融の再構築を通した、バランスの取れたお金の循環を考える。(全6話中第6話)
時間:14分37秒
収録日:2024年12月4日
追加日:2025年3月29日
カテゴリー:
≪全文≫

●財政政策の功罪と課題


 さて、財政再建の必要性とそれを早急に行った場合の悲劇の例も見てきました。これらも踏まえ、もう一度お金の生み方、使い方について、これまでの例を整理しながら、見ていきます。

 まずいちばん上から、経常収支が黒字下の、とありますが、要はこれまでのアベノミクスによる財政・金融緩和政策です。中央銀行の大量の国債購入で金利を引き下げながら、銀行を経由した財政支出でお金を生み出したケースで、株価の上昇や過度な円高の修正などの好影響もありましたが、安易な財政出動が可能という実例ができてしまいました。産業育成、生産性の向上とセットで行わずに財政支出に頼ると、格差の拡大・再生産につながるという可能があることも確認しました。

 また、かつての日本のバブル崩壊やリーマンショックのように、民間の貸出行為に任せきるような状況では、過度な景気の振幅が起きることも確認しました。一方で、急速な緊縮財政政策は、それ自体が正しいように見えてもタイミングなどを間違えると、景気の更なる悪化や治安悪化につながることも過去にはあった例から確認しました。

 このように見ていくと、どういう政策が望ましいのか。本当に当たり前なのですが、過度に緩和したり、引き締めたりせず、また銀行などの金融機関にマネー創造を任せきりにするのではなく、バランスのいい政策が求められているように思います。

 バランスのいい政策の中身とは、下段真ん中にもありますように、日本にあるさまざまな課題を解決するような事業や研究開発などを選定し、そこにこれまで増えたお金をきちっと回していく仕組みです。


●課題解決のための開発・教育に投資を


 次で、そのバランスのいい政策の中身を、もう少し見ていきたいと思います。

 上の囲みのいちばん上、そして下の概念図では左半分の話ですが、すでに政府・中央銀行・民間銀行からは十分なマネーが供給されています。そして今後は、下の絵の右側のように、「それをどう国内で循環させるかが重要」ということが見えてきたように思います。

 仮に500兆円増加した流動性預金のうち、わずか10パーセントの50兆円が回転して、その都度10パーセントの付加価値を生めば、5兆円の付加価値が生まれGDPは約1パーセント伸び...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
日本を復活させる国家戦略(1)戦後の復興戦略と日本経済の凋落
「所得倍増」はなぜ成功したか…日本経済の回復のヒント
島田晴雄
為替レートから考える日本の競争力・購買力(1)為替レートと物の値段で見る円の価値
ビッグマック指数から考える実質為替レートと購買力平価
養田功一郎
ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国(1)ロシアの勢力圏構想とNATO拡大
「ハイブリッド戦争」の実像…ロシアが考えていることとは何か?
廣瀬陽子

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(33)鎌田東二先生の法華経講義解説-2
【10min名作探訪】大丈夫だよと励ましてくれる『法華経』…鎌田東二先生の講義
テンミニッツ・アカデミー編集部
おもしろき『法華経』の世界(1)法華経はSFだ!
法華経はSFだ!…心を元気にしてくれる法華経入門
鎌田東二
「ホメロス叙事詩」を読むために(7)オデュッセウスの冒険
ホメロスの『オデュッセイア』が描く苦難と誘惑の冒険譚
納富信留
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(9)ライトノベルへの影響と物語の重要性
現代のライトノベルやゲームにもオデュッセイアの影響…神話は「創作活動」の重要な根源
松村一男
「満洲」から考える日本とアジア(4)蒙古襲来と清朝建国
実は元寇はモンゴル人ではなかった?満洲をめぐる民族興亡史と「漢族」との関係…蒙古襲来から清朝建国まで
宮脇淳子
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
ギリシア悲劇への誘い(1)ギリシア悲劇を観る
二千年の時を超えて読めるギリシア「三大悲劇詩人」の作品
納富信留
ピアノでたどる西洋音楽史(1)ヴィヴァルディとバッハ
クラシック音楽の歴史をピアノ演奏で辿る~ヴィヴァルディ四季
野本由紀夫
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博