お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
なぜ銀行が国債を買うとお金の総量が増えるのか
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(2)お金の総量と国債…残念なブタ積み
養田功一郎(元三井住友DSアセットマネジメント執行役員/YODA LAB代表/金融・経済・歴史研究者)
社会に流通するお金の総量を司っているのは日本銀行券を発行する日銀だと、一般には思われているかもしれない。しかし、日銀がお金を生み出すその量はあくまで受動的に決定されており、その増減の鍵を握るのは人々の需要と民間銀行の国債購入にある。一方で民間マネーを生み出さない「ブタ積み」も時に発生してしまう。実務的なことを理解できると、その実際の仕組みが明快に見えてくる。お金が生み出されるメカニズムに迫る。(全6話中第2話)
時間:11分43秒
収録日:2024年12月4日
追加日:2025年3月1日
カテゴリー:
≪全文≫

●日本銀行券の発行量は受動的に決まる


 では、今日本銀行が刷っている日本銀行券、今1万円札は渋沢栄一の肖像画が使われていますが、これはいったい何なのか。お金を生んでいるのは日銀であり、銀行ではないだろうと思われるでしょう。

 次に日銀券が実際に国民の手に渡る仕組みをみていきます。(スライドは)補足1-1です。

 上段は左側から日本銀行、民間銀行、顧客のバランスシートを示しています。お客様には銀行預金のうち、いくらかを口座から引き出してお札(日銀券)に変えたいという需要があるとします。

 民間銀行は、その需要に合わせて前もって日本銀行から日銀券を入手します。そのとき、お客様が身近な銀行からお札をおろすように、民間銀行が日本銀行に預けている預金から日銀券を引き出すような形で入手するのです。日本銀行が「銀行の銀行」と呼ばれる所以です。

 そして、下段右側、お客様が銀行券を引き出すと同時に、真ん中の民間銀行のバランスシートでは、左側の、資産として一時的に持っていた銀行券と右側の負債のお客様の預金が同額だけ縮小します。こうして日銀券は皆様の手に渡っているのです。

 したがって、いちばん下の囲みにもあるように、日銀券の発行量はお客様の需要によって決まっており、日銀がその量をコントロールすることは無理で、受動的に決まっています。よくいわれる、日銀がお札を刷って能動的にばら撒くというのは実際には不可能で、銀行券というものは銀行預金の一部が形を変えただけなのです。


●銀行が国債を買うとお金の総量が増える


 さて、お金が生まれる仕組みはもう1つあります。それは、政府が発行した国債を銀行が購入し、その代金を財政資金として支払う場合です。政府が単に財政支出すればいいのではなく、銀行が国債を買うということ。言い方を変えると、銀行からお金を借りて財政支出するということがポイントです。

 この表上段は政府が国債を発行したときのお金の流れを表しています。左から日銀、政府、民間銀行、お客様すなわち国民のバランスシートをみながら説明します。

 まず真ん中2つ、政府と民間銀行のバランスシートをみます。まず政府が国債を発行します。これは政府が返済しなければならない義務で負債です。これを銀行が買い...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(1)内戦と組織動乱の構造
カーク暗殺事件、戦争省、ユダヤ問題…米国内戦構造が逆転
東秀敏
日本の財政政策の効果を評価する(1)「高齢化」による効果の低下
高齢化で財政政策の有効性が低下…財政乗数に与える影響
宮本弘曉
台湾有事を考える(1)中国の核心的利益と太平洋覇権構想
習近平政権の野望とそのカギを握る台湾の地理的条件
島田晴雄
日本人が知らないアメリカ政治のしくみ(1)アメリカの大統領権限
権限の少ないアメリカ大統領は政治をどう動かしているのか
曽根泰教
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(1)米国の過激化とそのプロセス
トランプ政権と過激化した米国…MAGA内戦、DSAの台頭
東秀敏
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎

人気の講義ランキングTOP10
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
歌舞伎はスゴイ(1)市川團十郎の何がスゴイか(前編)
市川團十郎の歴史…圧倒的才能の初代から六代目までの奮闘
堀口茉純
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(1)米国の過激化とそのプロセス
トランプ政権と過激化した米国…MAGA内戦、DSAの台頭
東秀敏
「次世代地熱発電」の可能性~地熱革命が拓く未来
地熱革命が世界を変える――次世代地熱の可能性に迫る
片瀬裕文
戦略的資本主義と日本~アメリカの復活に学ぶ5つの提言
戦略的資本主義とは?日本再生へアメリカに学ぶ5つの提言
片瀬裕文
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
逆境に対峙する哲学(2)運命・世界・他者
「私をお母さんと呼ばないで」…突然訪れる逆境の意味
津崎良典
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
新しい循環文明への道(1)採掘文明から循環文明へ
2026年頭所感~循環文明の「三つの柱」…いよいよ実現へ
小宮山宏