日本政治の俗説に反論する
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
米国の高校生は選挙の前に「恵むべきか否か」を自問する
日本政治の俗説に反論する(2)対立軸はできないのか
星浩(ジャーナリスト 元 朝日新聞社 特別編集委員/TBSスペシャルコメンテーター)
「どこの政党も同じ」という諦めも日本政治の俗説。対立軸の構築は政治家の責任であり、メディアと有権者はその明確化を迫るべきではないか。常に論争機軸が明快な米国の議論を通じて、日本政治の課題を照射していく。
時間:11分23秒
収録日:2014年2月14日
追加日:2014年3月6日
カテゴリー:
≪全文≫

●「どこの政党も同じ」という日本政治の俗説

〈前回に〉続いての日本政治の俗説に、「どこの政党も同じではないか」というものがあります。どの政党の言うこともあまり大差はない。政党の理念も政策の対立もあまりないので、与野党対立軸などなく、どこの政党に任せてもあまり変わりはないという議論です。
問題は、対立軸を作ろうともしない、作ることもできない政党・政治家のところにあるのですが、「今の制度や政治では、対立軸など起きようがない」という諦めを起こすのもやや俗説に過ぎていて、まだまだよくないのではないかと感じています。そこで、「対立軸」は作ろうと思えばいくらでもあり得るということを、今日はお話ししてみようと思うのです。
よく「保守とリベラル」と言ったり、「小さい政府と大きい政府」「平和主義と国際貢献主義」というような議論があります。特に二大政党ができてくる中では、政治には対立軸があり得ますし、政治家はそれを作っていく責任があると思います。

●ワシントンの高校生は「恵むべきか否か」の問題を自問する

その例として、私がワシントン駐在だった2年間に出会った議論をいくつか挙げたいと思います。最初は、アメリカの高校生の授業を参観したときの先生の話です。アメリカでは18歳から選挙権があります。そこで先生は、17、8歳の高校生に向けて「あなた方もそろそろ選挙権を手にする。ついては、アメリカは共和党か民主党かの二大政党制なのだから、いずれはそのどちらかを選択しなくてはいけないのだ」と話します。では、「共和党と民主党の違いは一体何か」という話になり、先生はこういう喩えをするのです。
道端で、ある人が行き倒れになっている。その人に対して、「可哀想だから、パンとミルクを恵んであげよう」と思う人、とりあえずそれで少ししのいで、頑張ってもらおうと考える人は、「民主党を支持しなさい」と。一方で、そういう人を助けると、世の中のモラルが低下するから、あまり助けてはいけない。もうその人には自立自助でやってもらうしかない。「世の中のモラルを維持するためにも助けてはいけない」と思う人は、「共和党を支持しなさい」と言うのです。
これはアメリカの典型的な発想です。可哀想な人にはとりあえず手を差し伸べましょう。国や行政の力で社会福祉をなんとかしましょう。そこから先はまた考えるとして、とりあえず助けましょうとい...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
岸信介と日本の戦前・戦後(1)毀誉褒貶相半ばする政治家
「昭和の妖怪」岸信介の知られざる実像を検証する
井上正也
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄
アメリカの理念と本質(1)西洋文明の行き着いた先と三つの建国
アメリカの理念と本質とは?…まず「三つの建国」から原点に迫る
中西輝政

人気の講義ランキングTOP10
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
日本の財政の真実を検証する(2)なぜ財政危機は起きていないか
なぜ財政危機は起きていないのか…国債の金利のトリックを読み解く
宮本弘曉
人生100年時代の「ライフシフト概論」(1)人生100年時代のインパクト
80歳まで現役でいるために大切なこと…人生100年時代の発想法
徳岡晃一郎
ストーリーとしての競争戦略(1)当たり前の重要さ
柳井正氏の年度方針「儲ける」は商売の本筋
楠木建
概説・縄文時代~その最新常識(1)縄文時代のイメージと新たな発見
高校日本史で学んだ縄文時代のイメージが最新の研究で変化
山田康弘
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(1)桜田門外の変と井伊直弼の人物像
「桜田門外の変」の謎…井伊直弼の警護に問題はなかったのか
山内昌之
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
石田梅岩の心学に学ぶ(6)禅から茶道へ
全てが悟りに至る道…日本は茶や花や野球にも「道」がある
田口佳史
「アメリカの教会」でわかる米国の本質(1)アメリカはそもそも分断社会
「キリスト教は知らない」ではアメリカ市民はつとまらない
橋爪大三郎