日本政治の俗説に反論する
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小選挙区は政治家を小粒にするという議論は世界で通用せず
日本政治の俗説に反論する(1)小選挙区は悪い制度なのか
星浩(ジャーナリスト 元 朝日新聞社 特別編集委員/TBSスペシャルコメンテーター)
国内政治の論点の一つに、「小選挙区制度罪悪論」がある。中曽根首相の靖国公式参拝以来、日本の政界を見続けてきた朝日新聞の政治記者が、小選挙区制度の成立と理念、長所・短所を明らかにし、その活用法を徹底的に解説する。
時間:20分09秒
収録日:2014年2月14日
追加日:2014年2月24日
カテゴリー:

●中曽根番記者から始まった日本の政治ウォッチング


 朝日新聞の星です。よろしくお願いいたします。

 ここ30年ほど、私は日本の政治ウォッチをしてきました。始まりは1985年の中曽根康弘政権。いわゆる総理番記者として中曽根さんを1日中フォローする仕事からスタートして、今日に至っています。

 1985年の夏は非常に思い出深い夏です。8月15日の終戦の日に中曽根総理が靖国神社に公式参拝をしました。非常に暑い日だったことを、今でも覚えております。

 その前段、靖国神社の公式参拝をするための準備として、中曽根総理は有識者に「公式参拝は可能か」を諮問しました。これは藤波孝生官房長官のもとに集められた有識者の懇談会を基本とし、靖国神社参拝のあり方について意見を求めていきました。結局そこでは、「やり方によっては、憲法に抵触しない参拝が可能である」という意見がまとめられ、それに基づいて総理の公式参拝が実現したわけです。

 29年前になりますが、内外にいろいろな議論が起こりました。現在とはやや違う角度から総理の公式参拝が論議されましたが、その一つとして、政治と宗教のあり方が問われました。つまり、総理大臣が「靖国神社」という宗教施設を参拝するのは、特定の宗教をエンカレッジ=支援する行為になるのではないか。それは、憲法に抵触するのではないか。ここが、一番大きなテーマだったのです。


●中曽根さんが参拝に踏み切った理由、一度で終わった理由


 「靖国懇」という有識者の機関は、公私の別をきっちり分け、玉串料の払い方などに気を付ければ、特定宗教の支援には当たらないと結論を出し、中曽根さんは参拝に踏み切りました。

 これには非常に大きな反応がありましたが、参拝の直後に中国では靖国神社参拝を糾弾する学生のデモが起きました。中国で混乱が起きたのを見て、中曽根さんは「翌年の参拝は見送る」と決めました。それで最終的には、総理の公式参拝は一度限りということになったわけです。

 参拝当時の官房長官は藤波孝生さんでしたが、翌年には後藤田正晴さんが2度目の官房長官として就任しました。この後藤田さんが靖国参拝反対派であることもあり、中曽根さんは2度目の参拝は見送る経緯もありました。

 総理大臣というものが、いたって周到に準備を重ね、法律や外交の問題をクリアしながら「参拝」に道を開いていくのだという経過を、私も目の...

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