自民党総裁選~その真の意味と今後の展望
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
「マスコミ報道」では見えない自民党総裁選の深い意味
自民党総裁選~その真の意味と今後の展望
曽根泰教(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
自民党総裁選といえば、マスコミの政治部報道にとっては、まさに「お祭り」。どの派閥がどっちについた、誰が何票獲得しそうだ、裏でこんな政治家がこう動いた、などと夜討ち朝駆けで盛んに報道する。だが、そのような報道では見落とされてしまいがちな部分があるという。つまり、自民党総裁選こそ「実質競争」の場であり、それをきっかけに劇的な政策転換が行なわれる可能性があるということである。そこまで行かなくとも、どの政策が残り、どの政策が消えていくのかという方向性が決まっていく。そして、それが次の選挙の状況を変え、そして未来の政治の姿をも変えていくファクターになるというのだ。はたしてそれは、どのようなことか。
※インタビュアー:川上達史(テンミッツTV編集長)
時間:16分08秒
収録日:2021年10月4日
追加日:2021年10月8日
カテゴリー:
≪全文≫

●総裁選=党の代表選が「実質競争」の場になっている


―― みなさま、こんにちは。本日は曽根泰教先生に自民党総裁選~その真の意味と今後の展望というテーマで講義をいただきたいと思います。曽根先生、どうぞよろしくお願いいたします。

曽根 はい、お願いいたします。

―― ちょうどこの令和3年9月29日に自民党の総裁選挙がありまして、いろいろなメディアでは、これまでの政治部的な報道といいますか、「どういう権力構造で」とか「どういう派閥構成で」とか、そういうような議論が多く報道されたわけです。しかし、実はこの総裁選というのは、政治の状況を決めるのに、いろいろな決定要因になっているということで、先生にお話をいただきたいと思います。そもそも、この自民党総裁選の意味は、どういうところにあったのでしょうか?

曽根 はい、今日お話ししたいのは、この総裁選はですね、「もう終わっちゃって、人が選ばれたからおしまい」ということではなくて、政治の全体のなかで、どこに位置づけたら良いのか。これは、まだ定説があるわけではありません。そしてそのときに、政策選択というのは、どうなされていたのか。あるいは、どの程度、選択されているのか。そして、この選挙によって、何が残って、何が消えたのか。そして最後に、今後の課題という、この4点をお話ししたいと思うんですね。

 「しょせん、この総裁選というのは自民党内の内輪の話じゃないか」という批判もあるのですが、それは正しくなくて、これは公の競争の場なんですね。公の競争の場なのだけれども、「実質競争」が総裁選に移る。つまり、「自民党内の競争」に移るわけです。

 なぜかといえば、本来は、総選挙や国会での首相指名が、権力争いであり、まさしく政権を取るという意味なのですが、そちらはほとんど勝負がついてしまっている。つまり自民党、あるいは自公(自民党と公明党)の過半数はまず間違いないだろうと、みんな思っているわけですね。そうすると、実質の競争は、自民党の総裁選の場に移るわけです。

 これがよくある「場の移動」という話です。私が前から唱えていることの1つなのですが、たとえば、公式の会議が「儀式」になってしまうと、実質の決定は、その前の段階、その前の打ち合わせなり、その前の予備会議、あるいはその前の段階の決定に場が移るという、その1つの例です。

 過去を振り返ってみ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
経済社会と「隠れた価値」の行方(1)経済の中の価値
人間の幸福と「価値」…お金以外の「隠れた価値」をどう考えるか
吉川洋
紛争が絶えない世界~私たちは何ができるか(1)「戦争の世紀」から再び戦争の時代へ
再び戦争の時代へ――私たちは何を考え、どう動くべきか
小原雅博
財政問題の本質を考える(1)「国の借金」の歴史と内訳
いつから日本は慢性的な借金依存の財政体質になったのか
岡本薫明
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(1)米国の過激化とそのプロセス
トランプ政権と過激化した米国…MAGA内戦、DSAの台頭
東秀敏
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄

人気の講義ランキングTOP10
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(1)桜田門外の変と井伊直弼の人物像
「桜田門外の変」の謎…井伊直弼の警護に問題はなかったのか
山内昌之
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
日本人が知らない自由主義の歴史~前編(1)そもそも「自由主義」とは何か
消極的自由と積極的自由?…なぜ自由主義がわかりづらいか
柿埜真吾
第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?
トランプ政権の極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視
柿埜真吾
組織心理学とは何か~『武器としての組織心理学』と概論
なぜ組織に「心理学」が必要か?多様化と個の時代の処方箋
山浦一保
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
「ホメロス叙事詩」を読むために(4)『イリアス』の世界ーその2
『イリアス』の主人公アキレウスの怒りは何を意味するのか
納富信留
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(3)奇矯で壮絶な親娘の生活
引っ越し93回…自炊も片付けもせず、絵に人生を捧げた親娘
堀口茉純