いまアメリカが日本に問う
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「戦後レジームからの脱却」は外国人からすると意味不明
いまアメリカが日本に問う(2)誤解を招きがちな首相の表現・言葉
ジェラルド・カーティス(政治学者/コロンビア大学名誉教授)
安倍首相の外交政策を「実利的かつ現実的」と評するカーティス氏。しかし、それでも疑問視されているのは、安倍首相の表現・言語が誤解を招きがちだからだと指摘する。その具体例の解説を通じ、安倍首相が今後どうすべきであるのかをカーティス氏がアドバイスする。
時間:13分29秒
収録日:2014年3月17日
追加日:2014年3月17日
カテゴリー:
≪全文≫

●安倍首相の外交路線は、「プラグマティックでリアリスト」

ぼくは、安倍首相が外交政策でやっていることは、基本的には非常に「pragmatic(実際的・実利主義的)」な「realist(現実主義者・実際家)」としての政策だと思うのです。
いわゆる冷戦時代の二極体制が崩れ、中国が台頭して、この地域での影響力を増そうとしている。一方、アメリカは財政赤字やリーマンショック以来、防衛予算を縮小している。あるいは、アフガニスタンやイランの戦争を経て、英語で言う「War Fatigue(戦争疲れ)」の状態があり、もう戦争はしたくない。そんな中で、日本は今までより自国の防衛により力を入れるようになり、日米同盟のための日本側の貢献を増していく姿勢を見せています。

●時代が要請する日本の役割と、誤解を招く「表現」の問題

昨年10月に「2プラス2」(日米安全保障協議委員会)が開催され、今後の協力に関するガイドラインづくりへの合意がなされました。2014年末までに、米国務長官と日本側のカウンターパートが新しいガイドラインをつくる。そのためには、おそらく日本の集団的自衛権の行使に関する事項をアメリカが認める方向で、今後の日米同盟関係の中で、日本にはより地域的な役割を果たしてもらおうということになります。
これ自体は、時代の変化によってやらざるを得ないだろうと思うので、民主党政権だろうと、自民党でも安倍さんより保守的な人ないしもっとリベラルな人が首相であっても、基本的に大きな違いはないと思われます。
では、なぜ安倍さんに対して懐疑的な見方や疑問を持つ人が多いのか。一つは、先にふれた戦前の歴史問題についての発言、あるいは側近発言がありますが、もう一つ原因があります。彼が戦後日本のあり方をどうとらえ、何を考えているかを語る表現・言語には、非常に誤解を招きやすいものが多いのです。ここでは三つだけ例を挙げます。

●「戦後レジームの脱却」? 安倍さんは何から脱却したいのか

一つ目は、よく使われている「戦後レジームの脱却」。これは、ちょっと待って。「レジーム」とは、言ってみれば「体制」です。「戦後の体制を脱却」する、自分の国のレジーム・チェンジを求める。民主主義国のリーダーが、自国のレジーム・チェンジを推し進めるとは、一体どういう意味なのかと、誰もが不思議に思うのです。
話を聞いていると、それ...

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