いまアメリカが日本に問う
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
一番大事な構造改革は将来志向の人材を育成する教育改革
いまアメリカが日本に問う(4)日本が歩むべき道
ジェラルド・カーティス(政治学者/コロンビア大学名誉教授)
少子高齢化問題は解決策がなく、思い切った移民政策も打ち出せない状況下、日本が今後生き残っていくためには、どのような道を歩むべきなのか。カーティス氏が語る。
時間:9分51秒
収録日:2014年3月6日
追加日:2014年4月3日
≪全文≫

●解決策が見つからない少子高齢化問題


やはり何よりも大変なのは、高齢化。そして女性が子どもを産まないということ。高齢化、少子化問題の解決策は、なかなかないのです。
女性にもっと働く機会を与えるべきだという意見については、そうだと思うのですが、そうなると、働く女性は、余計に子どもを産むことを躊躇するようになります。
また、日本は非常に食べ物がおいしいし、健康食品も多いじゃないですか。それで、いわゆるメタボの問題について、日本では結構騒ぐのですが、ぼくみたいな外国人から見れば、アメリカのように、本当にものすごく太っている人はめったにいません。マクドナルドばかり食べている日本人の中に最近そのような人もいることはいますが、めったにいません。
ですから、本当にobesityという、太りすぎの問題もないから、アメリカ人がなりやすいいろいろな病気にはならないのです。
健康的な生活をして、自分の健康に注意を払い、健康保険制度で毎年検査をしてもらったりするから、ますます高齢化して、ありがたいことに、なかなか死なないのです。ですから、長生きして、しかも子どもが産まれない。それでは、 安倍さんが何かをやろうと思っても、解決策はありません。

●日本が歩むべき道


そして、日本は、大きな移民国にはとてもなれないと思います。オリンピックまでに、建設業で労働者が足りないから、外国人を一時的に入れても、移民をたくさん受け入れる国にはなりません。
ぼくには日本の財界にいろいろな友達がいるのですが、彼らから、安倍さんが総理大臣になってアベノミクスを言い出してから、「アベノミクスがあるから、今までのわれわれの会社の戦略を変える」という話を聞いたことがありません。
要するに、今の会社が生き残るためには、やはりグローバル化、グローバリゼーションに対応していくことです。そして、そのためには、生産のローカライゼーション、つまり外国でもっと生産をすることです。それゆえ、外国での生産をやめて、また日本で生産しようということにはなりません。
日本が歩まなければならない道は、ますますグローバリゼーションをして、外国にローカライゼーションをする。生産拠点を外国に持っていく。ただし、日本の国内では、よりハイテクノロジーの分野に力を入れる。あるいは、高等教育の改革をして、イノベーション能力がもっと強くなるような教...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
緊急提言・社会保障改革(1)国民負担の軽減は実現するか
国民医療費の膨張と現役世代の巨額の「負担」
猪瀬直樹
日本人が知らないアメリカ政治のしくみ(1)アメリカの大統領権限
権限の少ないアメリカ大統領は政治をどう動かしているのか
曽根泰教
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
台湾有事を考える(1)中国の核心的利益と太平洋覇権構想
習近平政権の野望とそのカギを握る台湾の地理的条件
島田晴雄
グローバル環境の変化と日本の課題(1)世界の貿易・投資の構造変化
トランプ大統領を止められるのは?グローバル環境の現在地
石黒憲彦

人気の講義ランキングTOP10
折口信夫が語った日本文化の核心(1)「まれびと」と日本の「おもてなし」
「まれびと」とは何か?折口信夫が考えた日本文化の根源
上野誠
編集部ラジオ2025(33)2025年を振り返る
2025年のテンミニッツ・アカデミーを振り返る
テンミニッツ・アカデミー編集部
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(3)DSA化した民主党と今後の展望
DSAの民主党乗っ取り工作…世代交代で大躍進の可能性
東秀敏
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境にどう対峙するか…西洋哲学×東洋哲学で問う知的ライブ
津崎良典
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(4)信長の直臣、秀吉の与力としての秀長
最初は信長の直臣として活躍――武闘派・秀長の前半生は?
黒田基樹
平和の追求~哲学者たちの構想(1)強力な世界政府?ホッブズの思想
平和の実現を哲学的に追求する…どんな平和でもいいのか?
川出良枝
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
世界哲学のすすめ(1)世界哲学プロジェクト
日本発!危機の時代に始動する世界哲学プロジェクトの意義
納富信留