教養としての「人口減少問題と社会保障」
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
人口減少社会での新たな仕組みづくりへ、鍵はデジタル化
教養としての「人口減少問題と社会保障」(7)デジタル化で社会を変える
政治と経済
森田朗(一般社団法人 次世代基盤政策研究所(NFI)所長・代表理事/東京大学名誉教授)
人口減少の流れは止められないとすると、どうやって今の社会を維持していくかが課題となる。そこで、森田氏が提案するのが「デジタル化」の推進である。どの分野でデジタル化を進めればよいか、バーチャルな総合病院の構築など具体例を挙げながら、人口減少社会における新たな仕組みづくりについて考える。(2024年7月13日開催:早稲田大学Life Redesign College〈LRC〉講座より、全7話中第7話)
※司会者:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:9分20秒
収録日:2024年7月13日
追加日:2024年12月10日
カテゴリー:
≪全文≫

●デジタル化で、人間の労働職を集約させる


森田 最後になりますが、結論は高齢者にも働いてもらうなどいろいろとありますが、基本的な解決策の1つとして、世界の他の国では日本以上に取り組んでいる「デジタル化」があると思っています。考え方としては、新しいデジタル技術が次々と出てきているので、機械ができることは機械にやらせて、人間にしかできないことに人間の労働力を集中させていかない限り、質の高いサービス、質の高い社会を維持することが難しくなるのではないかと思います。

 どうやって効率化すればいいか。われわれは今まで(コロナ以前)は、満員電車に乗って職場に行かないと仕事ができないと思っていたわけです。けれど、「新型コロナウイルスに感染するから職場には来るな」と言われ、ではどうしようかというときに、きわめてラッキーなことに、ZOOM、Webexといったさまざまなオンライン技術が使えるようになっていました。最初はデジタルが得意でない人は戸惑ったところがありましたが、今ではほぼ定着しています。

 大学でも「学校へ出てこい」と言っても、「いや、面倒だから家やベッドの中から聴ける授業のほうがいい」といった学生が増えてきています。そうなってくると、(やや憚られるかもしれませんが)立派な教室はいらないのではないか。大学の定員についても、無理に定員以内で収めなくてもいいのではないか。定員がなくなると入試もいらないのではないか。いろいろなことが考えられるわけですが、そういった形で世の中のあり方が変わってくるし、変えるべきだという気がしています。そういう意味で次々と新しくなっています。

 それでも、「最後は人間の頭で考え、人間が発信をしなければいけない。コミュニケーションの内容はやはり最後まで人間がやらなければならないだろう」と言われていたのですが、一昨年(2022年)にはChatGTPなどの生成AIが登場した。私もときどき使いますが、正直言って、一般の人の文章能力よりも遙かにレベルの高い文章を書く(こともある)と思います。どう使うかが鍵ですが、それらも活用できるのではないかと思っています。

 いずれにしても、そうした形でデジタルをもっと使おうよということ、そのために世界の先進国(北欧諸国、日本でも有名になったバルト三国のエストニア、あるいはシンガポール、韓...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
トランプ・ドクトリンと米国第一主義外交(1)リヤド演説とトランプ・ドクトリン
トランプ・ドクトリンの衝撃――民主主義からの大転換へ
東秀敏
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
外交とは何か~不戦不敗の要諦を問う(1)著書『外交とは何か』に込めた思い
外交とは何か…いかに軍事・内政と連動し国益を最大化するか
小原雅博
独立と在野を支える中間団体(1)「中間団体」とは何か
なぜ中間団体が重要か…家族も企業も学校も自治会も政党も
片山杜秀
グローバル環境の変化と日本の課題(1)世界の貿易・投資の構造変化
トランプの動きを止められるのは?グローバル環境の現在地
石黒憲彦
クライン『ショック・ドクトリン』の真実(1)ショック・ドクトリンとは何か
100分de名著!?『ショック・ドクトリン』驚愕の印象操作
柿埜真吾

人気の講義ランキングTOP10
海底の仕組みと地球のメカニズム(1)海底の生まれるところ
地球上の火山活動の8割を占める「中央海嶺」とは何か
沖野郷子
「集権と分権」から考える日本の核心(5)島国という地理的条件と高い森林率
各々の地でそれぞれ勝手に…森林率が高い島国・日本の特徴
片山杜秀
未来を知るための宇宙開発の歴史(9)宇宙開発を継続するための国際月探査
「国際月探査」とは?アルテミス合意と月探査の意味
川口淳一郎
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
トランプ・ドクトリンと米国第一主義外交(1)リヤド演説とトランプ・ドクトリン
トランプ・ドクトリンの衝撃――民主主義からの大転換へ
東秀敏
ヒトは共同保育~生物学から考える子育て(3)共同保育を現代社会に取り戻す
狩猟採集生活の知恵を生かせ!共同保育実現に向けた動き
長谷川眞理子
数学と音楽の不思議な関係(3)音と三角関数とフーリエ級数
フーリエ解析、三角関数…数学を使えば音の原材料が分かる
中島さち子
第2の人生を明るくする労働市場改革(1)日本の労働市場が抱える問題
シニアの雇用、正規・非正規の格差…日本の労働市場の問題
宮本弘曉
外交とは何か~不戦不敗の要諦を問う(2)外交と軍事のバランス
外政家・原敬とは違う…職業外交官・幣原喜重郎の評価は?
小原雅博
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将